2009年1月31日土曜日

ただ一人の贅沢な夜 その一

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 予告通りに、やっと帰って来た大室山です。大変お待たせしました。(え、誰も待ってないって、え!)
 先ず姿が良い。八王子では富士隠しと呼ぶ。ははははは、金隠しかよ!……失礼しました、八王子方面の方々。
 加入道山とセットの山だ。自然歩道の犬越路から北に登れば一時間程で頂上だ。展望の山ではなく、見て立派な山だ。是非見掛けたら、立派!と言ってやって欲しい。でも見掛けだけで無く、登ってみても、とても良い山なのです。
 神ノ川から尾根に取り付いて、藪をこいでこいで、ボロボロになって頂上に着いた事が有る。途中に廃道と化した林道が有って、此れは一体何だろうと思って越えた。今の地図にはその尾根に路が有る。……無駄な努力だったんですなあ。
 手沢をYと詰めた時の事。前夜西丹沢に着いて、センターの中に寝袋を敷いて寝ようとした。ところが此れがひどい、石を床に植えて有る。痛いの痛くないのって、どっちだ?(この突っ込み、古いを通り越して化石じゃ、ド阿保!)あ、分かった、神奈川県はマゾなんだ。違うって!センターは寝る場所ではないの、分かった!?
 はい!分かりまちたでつ。
 止めよう……、一人漫才は虚しい。
 手沢は詰めからが勝負だった。意外だろうが、無名の沢の方が詰めはキツイ。有名な沢は人も来るし、ルートも辿り易い。マーカーまで有ったりするし、ハーケンと捨てザイルのご厄介になれる事も有る。滝にはプレートが貼って有り、藪にも踏み跡が有って、巻き道も分かり易い。意外とルート的には恵まれる(事もある)。でも、外した時の苦労は同じです。
 で、無名の(?)手沢の詰めです。藪という程ではない藪をこぎ続ける。これが意外と大変なの。詰らないガラガラを突破するのに、一本の笹や、すず竹を頼って、はーはー、ゼイゼイ言って、必死になるのです。根っからの物好きです。爽快感はなく、唯々キツイんだ……。一緒に来るYの神経をうっかり疑ってしまう。
 乾いた日で、斜面の土は粉末状になっている。ほこりっぽい?当たり前だ!休憩になるとYは軍手を外し、地に置く。ほこりに塗れた軍手は土と見分けが付かない。出発と言うと、Yは土から土を取って(そう見えた)手にはめる。とても哀れに思った覚えが有るが、同情はしませんでした。何だか情無いなあ、と思っただけ。思えば薄情な私です。それだけの話で、済みません。 (ただ一人の贅沢な夜 その二へ続く)

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