2013年10月29日火曜日

ハイクへのお誘い その三十五




 前に南山核心部の案内をした。今回は同じ南山の南部です。結構マイナーなルートだが、入る人は居ます。但し、踏跡不明瞭な所も有るので、初心者にはお奨め出来ません。
 経ヶ岳から南下し華厳山(602m)、高取山(522,1m)を歩こうと言うのだ。あたしの地図には道の記載は無いが、最新の地図には有る様だ。
 経ヶ岳迄は“ハイクのお誘い 経ヶ岳・仏化果山“を参照願います。頂上50m前にベンチと道標が有り、華厳山への方向を示して居る。此処迄来たのだから、頂上に寄って置こう。


  大山、丹沢山、三ッ峰の展望台だ。此れからのルートの説明板も有る。

 
 黄葉を期待して居たが、633,1mには、未だ黄葉は訪れて居なかった。

 
 さて、分岐からは急な下りとなる。直ぐに金網が現れ、道(と言うより踏跡)は二分されるが、右が正解だ。詰まり金網を左に見て下れば宜しい。

 
 どんどん下る。傾斜がひどい所にはロープが有るので助かる。慌てずゆっくりと行こう。ズルッと行きそうなので。高度を130m程下る。Kが居れば「何でこんなに下るんだ」と文句を言うに決まって居る。下り切ると登りになる。当たり前でした。Kが居れば「下ったら登りかよ」と文句を言うに決まって居る。
 ぐんぐん登るとピーク状になり、尾根は二分する。左の木に此の板が有る。

 
 従って、やや左へ向かうのだ。右へ行くのは間違い、正解の方には黄色のマークも有るので、大丈夫だろう。


 其処から程無く、華厳山の頂上で有る。


 展望は無いが、静かな頂上だ。高取山へは看板通りに、真っ直ぐ尾根を行く。此の尾根はなだらかで、気持ちの良い尾根だ。


 無いと思って居た黄葉も、所々に有る。


 少々下ってアップダウンの後に、道は左へ降りて行く。其処の右にこう言う表示が有る。

 
 右への道は、こうだ。


 従って此処は、道と分かれて尾根通しに行く訳だ。すると、直ぐに高取山頂上で有る。

 
(続)

2013年10月27日日曜日

閑話 その百十一




 今年も台風が多い。十月の第二週に、西穂へ登る積りだったが、台風が来た。仕方無く第三週に伸ばしたら、又台風、其れも特大がやって来た。
 町田は大した事が無かったが、伊豆大島の元町がやられて、大勢亡くなった。直撃されたので、凄まじい降雨となった様だ。
 第四週も台風で有る。山の計画は、台風に吹き飛ばされちまった。これで今年の秋山はパーで有る。併し、其の合間を縫って、確りと低山を歩いて来たのだ。フッフッフ、我乍ら確りして居る。(威張る事じゃ無い?そうねえ)
 “続迷惑者”の章で葛葉沢に連れ込んだSYさんと其のお姉さん(昔からの付き合いです)とYIさん(古い付き合いの看護師さん)、其れに妻の五人で、弘法山から鶴巻温泉へ歩いた。
 其のコースはハイクのお誘いにも載せた、低山の定番だ。紅葉には大分早い。するとお目当ては、そう、温泉で有る。立ち寄り湯の「弘法の里湯」がハイライトだ。
 前に此の湯について書いたが、誤りが有った。ビールも無く全館禁煙だと嘆いたが、二階の休憩室を覗かなかったからで、ちゃんとビールも喫煙所も有りました。訂正しお詫びします(ペコリ)。
 此の五人の時は、風呂上りに隣接する蕎麦屋に入って一杯やった。前にS、Kと来た時と同じで有る。男はあたしだけだが(年寄りのハーレムです)、何の何の、SYさんもYIさんも、あたしよっかずっといける口で、とても敵いません。
 此の立ち寄り湯は、内風呂と露天風呂が有り、前述の通りカルシウム含有量が世界一(勿論、鶴巻温泉の全湯)なのだ。でも、皮膚から吸収されるなら兎も角、何の意味が有るのだろう。YIさんも妻も湯上りに顔が赤くなった。其れが効能だろうか?
 其れから数日して、妻と二人で高取山から鶴巻温泉へ下り、又弘法の里湯へ入った。此の日は日曜だったので、山も湯も人が一杯、改めて人気の高さを知った訳なのだ。
 其の時に、妻と休憩所でビールをのんだので、前記の誤りを知ったのです。尚、此の時も妻は顔が赤くなりました(ビールを飲む前、為念)。矢張り、何らかの効能は此れ有りと認む、って事なのでした。

2013年10月24日木曜日

休題 その百二十二




 五年前、町田に越して来た時は、駅から家の間に三軒の印度カレー屋が有った。皆、印度人(多分。ネパール人も居たかな?)がやって居る、本場カレーだった。
 一軒ずつ姿を消し、最後に残った店も最近閉まった。これで本場カレーは、少なくとも町田駅北口では、全滅した訳だ。ま、無理も無い。北口は、予備校と各種学校が立ち並んで居る。従って、居るのは(除く夜)若者中心になる。本場カレーより、其の斜め前に有るココイチに入るだろう。安いし量が多い。
 致し方無い事だ。エキゾチックな店より、予備校生はチェーン店の方が入り易いのだ、きっと。一般店よりコンビニで有る。こうして個性の無い街になって行くのさ。
 最後に閉まったアヴァンティで、一寸と面白い事が有った。妻と入ったら、若い店員が片言で「きょう、マスターも皆いない」と言う。で、カレーの種類を注文し、レモンサワーとビールと言うと、目が点になった。「レモンサワー?」とうろうろして居る。
妻「絶対分からないのよ、ほら見て」
 何と大五郎の4Lペットを注いで、レモン汁の紙パックから、蓋に受けてちょっぴり液体をジョッキに入れて居る。
妻「レモンをもっと入れて下さい」
 女は強し、で有る。結局レモン入りの訳の分からん物を飲まされた。
 一月経った頃、又妻と入った。今度は三人揃って居る。此れなら大丈夫だろうと、レモンサワーを注文したら、三人が顔を見合わせた。あ、こりゃ駄目だとレモンサワーはキャンセル、ビールにした。
 帰り道、あたしと妻はクスクス笑って話した。何で自分の分からないものをメニューに載せてんだろうと。三人の慌てぶりが本当に可笑しかったのだ。
 其の店も、もう無い。印度カレーを食べたければ、盛り場の原町田へ行くしか無い。と言っても、踏切を渡れば良いだけの事なんだけども。
 駅への路が、寂しくなりました。

2013年10月21日月曜日

丹沢らしさって その四




 ご存知の方はご存じだろうが、丹沢の沢はゴーロに埋め尽くされて居るのが一般的で、決して美しい沢の呼称には似合わない。でも本来は、綺麗な滑や川原の、美しい沢だったそうだ。
 大正十二年の関東大震災の余震が、翌十三年一月、丹沢を震源地としてM7.9の規模で発生した。此の時丹沢は一斉に崩落し、川原は土砂で埋まり、山肌は荒々しく削られた。丹沢が砂煙に包まれた、と大昔に読んだ記憶が有る。で、ゴーロの沢になったのだ。
 依って、(一部を除いて)ゴーロの沢が、丹沢らしい沢になった訳だ。一寸と悲しくも有りますなあ。
 中央丹沢、西丹沢が顕著なのだが、密藪が凄い。勿論どの山でも、藪の深い処は有るのだが、丹沢も決して外に引けを取らない藪山なのだ。篠笹、スズタケ、蔦、其の他にびっしりと前を閉ざされると、心底溜め息が出る。
 こじ開け、掻き分け、強引に進むしか方法は無いのだから、泣けても来る。泣いて居ても日が暮れるだけなので、ガサガサと頑張るのだ。尤も、ちゃんとした登山道では、そんな苦労はしないで済む。
 沢の詰め上げや、枝尾根を這い登る時の風物なのだ。中々風流では有る。自然をたっぷりと楽しめる趣向なのだ。お馬鹿な貴方に特別にご用意しました、と言った処で有る。
 藪、即ち丹沢らしい。此れも一寸と悲しい話で有りますなあ。
 表丹沢、東丹沢の特権だが、足元に広がる光の海。あ、勿論夜景ですよ。高尾山が余りに有名だが、高さが倍以上有る丹沢の夜景はスケールが違う。全く違う。
 本当に足元から、相模平野から関東平野へ大パノラマの光の競演、少々の寒さなぞ忘れて仕舞いそうなの。唯、物凄く綺麗なのは矢張り冬なので、少々の寒さでは無いのだから、
とてもじゃ無いが、ゆっくりとはして居られないのが難点だ。
 丹沢らしさと言えば、大体以上だろう。え、外の山と大差無いって? そうねえ、確かに。でも良いのさ、好きな山が一番!!