2022年11月30日水曜日

閑話 その三百八十八

 


 と山へ行ったのは今年の一月以来になる。のお義母さんが入院し亡くなり、彼一人がワクチン接種者だったので、病院関係は一手に引き受けていた為だ。疾風怒濤の日々だったそうである。立派に養子の役は果たしたと見えるが、本人は「悔いが残る」と言う。そう言うものなんでしょう。

 ブランクが長いので無理なく堀山で幕営と言うプランにした。二時半にシークレット幕営地で集合、とても楽ちんでしょうが。

 二十八日、二十九日だったので昨日帰って来た。初日は曇り、下山日は雨の予定なのでカメラは持たなかった。

 メールに依ると彼とは二十分差で歩き始めるので、あたしの喘息を考えて、思いっ切りゆっくりと登る。一本松迄に植えた楓は鮮やかな紅葉だった。登山道も紅い落ち葉で色付いている。カメラを持っていても光量が足らず、三脚を立てなければ写せなかったです。上の写真は菰吊山の時の物。見晴茶屋付近の黄葉が綺麗だったので、その代わりです。

 堀山からシークレットへの下りがヌルヌルなのは毎度の事だが、踏ん張りが効かずに苦労する。あたしも相当衰えてるのだ。

 テントを広げてが一服点けているのが見える。聞くと十分前に着いたとの事、あたしと十分差なのか。やるじゃんさ、テント、火器、鍋なぞあたしよりずっと重いのに。

 さっさと張って乾杯である。そして一服点ける。テントならではの醍醐味だ。どこのホテルでも喫煙所へ行かなきゃならないもんね。

 食事が済んで一寸と飲んで寝る。十七時半なのに恒例なの。そしては直ぐに寝付く。恒例なの。あたしは碌に眠れない、恒例なの。

 二十時前にはを起こして夜中(?)の宴会が始まるのも常の如く。雨がパラパラ音を立てている。そこでドジりました。ローソクの向こうの物を取ろうとしたらウインドブレーカーの袖に火が点いて燃えだした。慌てて手で叩いて消したが、溶けたゴアが指にこびり付いて火傷、シェラフにも穴を開けたのだ。(続)

2022年11月27日日曜日

休題 その四百五十一

 

 あたしは運動音痴である、えっへん。特に球技は、センスがない事夥しい。それはそれはひどいもので、クラス対抗戦だって補欠にすらなれない。こればかりは天性なので、本人の努力ややる気とは全く無関係だ。

 従ってスポーツ観戦にも興味がない。盛り上がっているW杯も、ふーん、ってなもんである。それでも強豪ドイツに逆転勝ちしたのは嬉しかった。見事な金星である。興味はなくたって、日本が勝つのは嬉しいでしょうが。

 それを共産党中野区議が「日本が勝って残念」なぞとのたもうて避難ごうごう、謝罪の上ツイートを消したと話題になっている。正確には、日本選手団が主催地カタールの人権問題に対して、ドイツチームの様に抗議をしなかった事を指したらしいが、結局は「日本が勝って残念」になったのだから同じ事だ。

 共産党の本音が出ただけで、いかにもらしくて清々しい位だ。どう取り繕うが、現行の日本と言う国が嫌いなのは、隠す気もない事実なのだから。W杯に勝っても腹が立つって事で、いっそ日本から出て行けば良いのにw

 ところがどっこい出て行けないのだ。日本にいて革命を成し遂げなければならない。これは重要な使命である。そして日本を出たら議員にもなれず、碌な生活もできない。畜生出て堪るか、である。

 嫌いな国で暮らして革命を目指す、革命の機運は露程もない。結構苦しい思いをしているのだろう、お気の毒である。とは言いつつ高級幹部は豪華な暮らしをしている。共産主義国家はどこも共産党員と言う貴族と、それ以外の平民(被支配者)に分かれる現状を見ても、日本共産党がそうなのは頷ける。

 そんな党を支持する一定の人間がいるのが不思議だが、いるんですなあ。従って若者には受けないだろう。だもんで共産党と言えば年寄りの集団だとのイメージが出来上がった。やがて消えて行くでしょう。早く消えてくれ。

2022年11月24日木曜日

休題 その四百五十

 

 

 次女が偉く薦めるので、妻と久し振りのインド映画「RRR」を観た。海老名のイオンシネマは一日一回の上映、しかも二十二日で終了。トーホーシネマは上映なし。新百合でも上映なし。本当に良い作品なのけえ? やってねえだべさ、と二十二日に行きました。最終回の為か八分の入り。

 時代は第二次大戦前、インド独立の機運の高まった頃。冷酷な総督と戦う男達の友情、と言うと簡単過ぎるけどもそう言う事だ。だがその使命の違いが複雑(?)な葛藤となって観る者をハラハラさせる。ネタバレを避けるのでこんなとこにしとこう。

 完全な勧善懲悪、インド独立の大儀を背負っているのだから文句なく主人公達に感情移入できる。三時間の作品だが長くなんて感じない。インド映画の独特の乗りで一気に観る事ができるのは、流石だと言うしかない。

 主人公達が強すぎるのは御愛嬌か。ターミネーターとランボーが組んだ様なものだ。尤もそれだけ強くなければ、どうし様もないんだけどね。

 観ているうちにきっちりと背景と理由を説明してくれるので、明解である。リアリティを期待するのは間違いだ。エンターテイナメントの王道に感情を委ねれば宜しい。そう、これこそ映画の王道なのだ。小難しい話はハリウッドがやってくれるから。

 エンドロールは踊りが続く。踊りが終わると映画は終わり劇場の明かりが点く。妻は思わず拍手をした。十人位がつられて拍手をした。渋谷あたりの単館だったら館内大拍手だっただろう。海老名じゃこんなもんだ。

 出る時「こんなに面白いとは思わなかった」「凄く面白い」なぞと話し乍ら出て行くのが聞こえた。全く同感でした。

 映画の原点と評して良いかと思う。面白くない映画なんざ観たくもない。映画はエンタメだと、改めて認識させられました。