2019年10月31日木曜日

休題 その二百六十五



 先の大戦は真珠湾奇襲から始まったのだが、これが何とも情けない結果だったのはご承知の方もいるだろう。未だに大成功の様に描いている本や映画も有る。
 外務省が話にならない愚か者で、攻撃が始まってから宣戦布告文を持って行ったりしたので、だまし討ちだと喜ばれ、リメンバー・パールハーバーの合言葉の元、アメリカの戦意を一気に高めてしまった。日本を戦争に引きずり込むのに必死だったルーズベルトの思う壺に嵌った訳だ。
 天下の名将の様に山本五十六を扱う風潮は未だあるが、あたしは天下の愚将だと思っている。後から批判するのは結果を知っての事なので、愚劣と謗られても仕方ないとは心得ている。それでも敢えて書きたいのだ。
 色々な人が指摘しているので改めて書くのも何だが、空母にはかすり傷も与えていない。そもそも空母はいなかったのだから。石油タンクもドッグも無傷で残している。タンクを破壊しただけで半年近くは真珠湾を策源地にはできなかっただろう。
 旧式戦艦を何隻か沈めてとっとと帰ってしまった。アメリカ軍なら徹底的に攻撃を繰り返して、基地としての機能を完全に破壊しつくしただろう。
 山本氏曰く「南雲ならそうだろうと思っていた」。何を言うか! 使えないと分かったなら南雲なぞを司令官にするな!
 そしてミッドウエイだ。これも真珠湾と同じく海軍のはんたいを押し切って強行し、結果は思いもよらない大敗北だ。普通なら南雲長官は軍法会議行きだろう。それもせずに残った空母をかき集めて造った航空艦隊を任せた。信賞必罰の精神を失くして戦(いくさ)ができるのか!
 その上ラバウル迄足を伸ばして、南方のジャングルで戦う準備なぞ全く無い陸軍を引っ張り出した。どうしようってんだろうか。(続)

2019年10月28日月曜日

休題 その二百六十四



 台風19号は各地に甚大な被害をもたらした。未だ未だ復興には時間が掛かる事だろう。身近な所で箱根を見たい。
 世界一の利用客を誇る箱根ロープウエイは今年の五月に、大涌谷の火山活動活発化に依って全線運休、バスでの振替運行になっていた。これだけでも大痛手である。箱根フリーパスの目玉だったのだから。
 そこへ19号の追い討ちが来た。芦ノ湖が溢れる雨量だったのだから堪らない。箱根登山鉄道の一部区間がレールごと流されてしまった。従って相当期間運休となる。
 登山鉄道からケーブルカー、そしてロープウエーで桃源台へと言うゴールデンコースのうち、二つがダウンしてしまったのだ。バスで行けるが面白さが違う。全く違う。箱根町は頭を抱える状況になっただろう。
 もう一つ、大涌谷の温泉配信設備が土砂崩れの為、使えなくなった。為に、仙石原及び強羅地区の温泉宿に温泉を届けられなくなってしまった。これから紅葉の最大掻き入れ時を迎えると言うのに、復旧できるかどうか分からない。
 天災とはこの事。数年前の大涌谷噴火の時には温泉が出なくなり、あちこちが困った事があった。その再現だが、交通機関迄やられたのだから、今回の方が遥かに傷は深い。
 箱根の魅力は、山あり谷あり山上の湖あり富士山あり火山あり温泉あり、そして東京から近い、ってとこだろう。従って途轍もない大雨が降れば崩れる所もあるし、火山が活発になる事もあるのだ。魅力と危険は背中合わせなのですなあ。
 登山鉄道、ロープウエイ、温泉、このうち一つでも二つでも復旧すれば多少は増しだろうが、技術者や作業員は東海・長野・関東・東北の被災地へ出払ってるので、思う様には行かないと思われる。何とか復興して欲しと祈るばかりです。

2019年10月25日金曜日

柄でも無い事 その七十六



 昼時に町田駅北口のせっまーい箱根蕎麦へ行くと、持ち帰りの注文をしている人にたまに会う。一人分だったり二人分だったり、多い時には六人分だったりする。
 大抵は若い(多分)女子社員だが違う事もある。三人分の持ち帰り容器がぴったり収まるビニール袋も用意されていた。近くの会社員だろうと見て居た事は既述ですね。
 十月の消費税増税で持ち帰りはなくなってしまった。店内で食する客と持ち帰りとは値段が異なる訳だが、自販機にそんな細かい事をさせる訳にはいかない。一円玉や五円玉を用意しなけりゃならないから。えーい、面倒くさい、持ち帰りは無しじゃー! と決めたのだろう。
 これで近くの幾つかの会社(?)では、箱根蕎麦を買って来て貰ってオフィスで食べる事はできなくなってお気の毒である。意味の良く分からない軽減税率とやらの副作用なのでしょうな。
 箱根蕎麦は思い切った値上げをした。蕎麦或いはうどんを二十円値上げし、トッピングは据え置きだ。それでも天ぷらそばなら、富士蕎麦より十円安いのは従前通りだ。ここいらで値上げしとかないと、従業員の給料も上げられないので仕方ないのだろう。
 「ネギ多め」も有料になった。三十円の多め券を買わなければならない。ネギ多めの声はしょっちゅう聞いたから、ネギの負担も馬鹿にならなかったと言う事だね。でも三十円は高いんでねえけえ、と思ってしまう。山の様に入れてくれるのだろうか?
 未だネギ多め券を出した客には会った事がない。今迄無料だったのが急に三十円では、暫くは売れないだろう、きっと。
 二十円値上がりはしたが元々が普通の駅蕎麦より安かったのだから良しとする。富士蕎麦だって二十円値上げしたのだから。せっまーい北口が潰れないで欲しいですよ。

2019年10月22日火曜日

休題 その二百六十三



 台風19号は予報通りの甚大な被害をもたらした。十九日現在で、堤防決壊が七十一河川で百二十八カ所、越水が二百六十五河川、その結果四万六千棟が浸水被害を受けた。死者七十九名、行方不明者十一名、甚大災害と言うべきだろう。
 身近な処では多摩川が越水して二子玉川が浸水した。荒川も越水寸前迄行って、冷や冷やした。幸いだったのは利根川に殆ど危険が無かった事だろう。
 これは旧民主党の怪我の功名で、一旦建設を取りやめた八ッ場(やんば)ダムを、世論に逆らえず政権末期に建設再開し、丁度出来上がって19号の雨を一手に引き受ける事になったからだ。
 民主党は「コンクリートから人へ」とのスローガンを掲げて、治水事業もバッサリと減らしてくれた。それが今回の被災にどれ程影響したかは不明だが、減額されなければ間に合っていた所も有ったかも知れない。
 民主党が治水を二の次にした事は責めない。それに対する反省が無く、逆切れして見せる態度は酷いの一言だが、元々そういう連中の集まった党だからね。
 何故責めないか。当時の日本には治水を二の次にする、詰まり「コンクリートから人へ」と言う空気が有ったからだ。民主党はそれに乗っただけ、と考えるからだ。
 山本七平氏の“空気の研究”を持ち出す迄もなく、空気に支配されるのが日本人だ。だから「脱ダム宣言」の田中康夫氏が知事に当選したのも、同じ空気の下でだ。
 その空気は誰が造ったのだろう。マスコミ以外には無理だ。一昔前はマスコミが空気を造って国民を誘導できた、って事だね。マスコミこそが最高権力ってかい?
 まあ、そうですな。処がネットの普及に依りマスコミの影響力が落ちて来た。マスコミを信じるのは主に年寄り、もう十年もすれば、日本も相当まともな国になるでしょう。