2018年2月28日水曜日

休題 その二百十




 又もやただ見のネットフレックスの話。陰謀がどうしたとか、マフィアがどうしたとか、殺し屋がどうしたとか言う似た様な話を見て居るうちに、思いも依らない三人に出会った。
 一人はジュリア・ロバーツ。殆ど脇に近い役で、見た事ある女優だなあと思ったら、あ、と気付いた。完全に唯の痩せた中年女性で、あの輝きが全く感じられなかったので分からなかったのだ。
 エリン・ブロコビッチの頃が、花咲き乱れる時期だったのだろうか。本当に華が有る女優だったのだが。
 二人目がピアース・ブロスナン。ご存じ五代目ジェムス・ボンドである。甘いマスクで颯爽としていましたなあ。
 あたしが観た(題名も覚えてないけど)映画では主演だったけれど、特に印象にも残らない初老の男で、こんなになっちまったのけえと驚いた次第だ。衰えていた007シリーズを再興させた魅力は全く失せていたのだ。
 三人目がアントニオ・バンデラス。前二者よりもメジャー度は少し落ちるかも知れない。スペインでスターの座に着き、ハリウッドに進出してマッチョでセクシーなラテン俳優として売り出したとの事。
 これも主演作を観たのだが、アクションをこなしていたのは立派だが、此れ又唯の初老の男に成り果てていた。マスク・オブ・ゼロの頃とは比べようもない。
 ひょっとすると、あたしの不見識を並べ立てているのかも知れない。どうせただだからと飲み乍ら良い加減に見て、渋い魅力を見落としている可能性は高い。
 ただ、ショーン・コネリーやリチャード・ギアやトミー・リー・ジョーンズの様な渋く老けて行った魅力は感じられなかった。
 美男・美女で売った俳優は、歳を取ると困った事になる。花とは、「散るからこそに美しい」って言いますもんねえ。

2018年2月25日日曜日

閑話 その二百五十四




 二月二十二日に二時間二十二分。何の判じ物? その説明をしよう。
 二十二日に高取山へ8Kg背負って出掛けた。ヤフーの予報では曇りだったが、霧雨なので帽子を被って行った。幸い伊勢原で降りた時は雨は上がっていた。ヤフーの予報で当たったのは温度、十二時過ぎても4℃というのはドンぴたりだった。
 写真は一年前の晴れた日の蝋梅です。
 定刻の大山行きのバスは誰一人乗っていない。これは極めて珍しい。多少天気が悪くとも数人の登山者はいるものだ。曇りで小雨でうんと寒いのだから仕方無い。
 高取山は556mだから里より3℃は気温が低い。登って降りるのだから平均値は1.5℃。それに稜線は風が結構吹いていた。冷たい風だが無風の場所も多いので、体感気温平1.5℃引きってとこだろう。
 従って山を歩いている時の気温は1℃になる。全然大した事ない。冬山から見ればホカホカ暖かい位だ。
 あたしが高取山へ登る冬のスタイルは、積雪が無い時は地下足袋に作業ズボン、半袖シャツの上に長袖のTシャツ、以上である。上に長男のお下がりの上着を着ているが、バスの中で脱いでリュックに着けてしまう。
 1℃では結構キツい恰好なのだ。上着を着れば良いだけの事だが汗ビショに成るので着ない。甘いですなあ。
 地下足袋の足が冷たく、指が痛くなるのでひたすら歩く。寒さに鞭打たれてひたすら急ぐ塩梅になっちまった。両手はポケットに突っこんでいるが、腕から冷えて指はかじかみ、里湯で財布を仕舞おうとしてもダメな有様。
 で、結果として二時間二十二分の8Kg新記録達成となった訳だ。流石に登山者も少なく、弘法山分岐迄に出会ったのは二人のみだった。
 里湯でホッとしたのだが、気温が低い為にモウモウと湯気、時計も読めたもんじゃない。寒さに震えあがったリハでした。

2018年2月22日木曜日

休題 その二百九




 あたしはテレビは見ないが、仕事から帰ると妻が見ており、一杯やり乍ら一寸と見る事がある。先日、山梨県上野原市が日本一の健康長寿(詰まり健康年齢が一番高い)だと言うので驚いた。
 へー、上野原市か、平成の大合併で付近の町村を掻き集めて市になったんだろうが、桂川沿いの小さな町や集落の集合体で、とても市とは思えないのだが。東隣は藤野町、神奈川との県境に位置する訳だ。
 何故健康寿命が高いのか。坂を常に歩くので大腿四頭筋(詰まり太腿)が鍛えられる事がその理由だと言う。
 矢張り足腰が健康の大元だったのかあ。その上惚けにくくなると言うのだから素晴らしいじゃないですか。
有酸素運動が効果的だそうだが、どこに行くのも坂道と言うのも、決して悪い事では無い訳だ。日常で有酸素運動をするのだから。
 人間の筋肉のうち最大のものは太腿なのだ。これが弱ると全てに影響する。歩くのがおぼつかなくなっては、もう健康は遠ざかって行くばかりってこってしょう。
 で、鍛えようと思って一万歩歩いても殆ど効果は期待できないらしい。あたしもそれは何と無く分かる。坂を上る、或いは階段をのぼる、これが効果的だそうだ。下るでも良いらしい。急な坂を下るのは結構キツいもんなんですぞ。
 あたしは坂だらけの所には住んでいないが、山好きなので或る程度の効果は期待できそうだ。妻もその番組を見乍ら「貴方は大丈夫そうね」と言う。あたしが心配してるのは妻の事なんだけどね。
 足が細くなって来たら要注意だろう。日常でできる事は階段を歩く事だ。エスカレーター、エレベーターを敬遠するだけで大分違って来る筈だ。
 歩くのが大儀になったら増々出るのが億劫になる。そして、待っているのは寝たきりの生活。お互いご用心です。

2018年2月19日月曜日

休題 その二百八


 「面倒な話」でウクライナの革命を書いた。それで一寸とウクライナについて触れておこう。スキタイの根拠地であった古代は良いとして、スラブ人が中心に居住した時代からだ。
 バッサリと言うとヴァイキングが侵入してキエフ・ルーシ公国を造った。ヴァイキングはやがて現地のスラブ人と同化していく。これがウクライナの起こり。882年の事だ。
 キエフ・ルーシ公国は滅びるが、その一部のモスクワ・ルーシ公国は生き残る。これがロシアとなる。ルーシがロシアに訛ったのだ。
 ウクライナが本家と言う事になるが、ロシアの見解はキエフ・ルーシ公国は滅びたのだから、ロシアこそが正当、と言うものだ。勿論これには異論が存在するが、ここでは触れないでおこう。
 面白いのはキエフ・ルーシ公国建国の頃、隣にはハザール可汗国があった事だ。突厥の支族と言われているからトルコ民族の遊牧国家である。何が面白いのかって? 
 9世紀の初めにユダヤ教を国教にしたから。ユダヤ人国家以外ではでハザール可汗国だけだ、一気にイスラムに改宗したトルコの一族なのに。ね、面白いでしょうが。
 ハザール可汗国は百年に亘ってカフカスから侵攻して来るイスラム国と闘い、イスラムを食い止めた。もしハザールが無ければ東欧はイスラム諸国になっていただろう。
 結構ユニークな存在なので、欧米人はハザール人が東洋系ユダヤ人の先祖と考えている様だ。当時のトルコ族は未だ混血は余り進んでおらず、モロにウラル・アルタイ族、詰まり蒙古人と同じ顔つきだった筈だ。
 ウクライナの話でしたね。やがてコサックが台頭し、小規模ながら国家らしきものも立てる。コサックでドン川河口地帯へ住み着いた者をドン・コサックと呼ぶ。合唱団で名高いあれである。ウクライナは地政学上ロシアと揉め事が絶えない。日本は島国で良かった。尤も大陸と陸続きだったら、平和ボケのお花畑は誕生できなかった訳だけどね。