2012年4月29日日曜日

閑話 その八十




 膝が痛いのに、桜に浮かれて又もや高取山に登って来た。今年で三度目の高取山だ。馬鹿じゃないの?
 四月十六日、今度は蓑毛から入り蓑毛越へ登って、大山南尾根(仮称)を南下したのだが、三十数年前とは偉い変わりようで驚いた。当時は踏み跡を拾い乍ら尾根を行ったのだが、今回は其の尾根の多くが林道になって居た!
 蓑毛で降りたのは、あたしの他に五人の中高年パーティ。こっちが一服つけて居るうちに彼等は出発した。ヤビツに向かうのだろう。
 処で蓑毛の自販機の缶捨て場には、何時も感心する。缶、瓶、ペットと三つの篭が有るのだが、綺麗に分別されており、ペットのキャップまで入れる袋がぶら下がって居る。何の説明も書いて無いが、皆さんきっちり分別して居る。うーん、マナーが宜しい!
 ヤビツへの道と分かれ、蓑毛越への古道を登ると、五人のパーティに追いついた。そうか、彼等はこっちから大山だ(多分)。
 で、蓑毛越からは林道を歩いて、やがて山道となり、高取山に登ったのだが、全く隔世の感が有ります。
 頂上で、志村喬を丸顔にした様な初老の方に声を掛けられた。彼は去年の一月から山を始めたと言う。従って一年一寸との経験だ。
 其の癖、二度も遭難者(?)に遭遇して居る。二度とも麓寸前の下りで転んで、一人は頭を打って血が吹き出て、血止めして救急隊に引き渡したと言う。あたしは一度も遭難者に遭遇して居ない(正確に言うと八ヶ岳で一回、しかし手当ては小屋の兄さんがして、あたしは見ただけ)。五十年近く山歩きをして居
るのに。此れを縁と言うのだろう。
 下って里に入ると、どの家も花、花、花、そして鯉幟(こいのぼり)。一気に春爛漫です。




 東名をくぐる前に、キャベツ畑の前で持参した焼酎を口にドドッと入れ、水を含んで口内で割っぐっと飲み(しかも二口、酔っちまった)、大山と高取山を見乍ら一服つけ、ほろ酔いで伊勢原駅へ歩き、蕎麦を食べて帰った。結構安上がりな贅沢でした。

2012年4月27日金曜日

体中がつった! その八



 あ、失礼。私は端から素人見たいなもんだけど、ガレは結構やれたと、思ってんで、思わず口走ってしまったのだ。でも、外にパーティがいなくて(珍しい事です)本当に良かった。恥を晒さなくて済んだぜ。
 その上にもだらしない事に、止まって息をつく。おいおい、何やってんだ、周りを見ろよ、このガレを、休む場所なんかじゃ無いぞ!はい、良く分かっています。行きたいのは山々ですが、足が動かないのです。(そんなら来るな!)
 何とか予定通り花立には着いた。風が強くふらつく程だった。寒いが腕まくりをした侭震えてチョコレートをバリバリ食べた。血糖値が下がりまくっていたので、ワナワナと震えが来るのだ。リュックには着る物は入っているけど、出して着るのが面倒っちいの。私は着たら着た侭、濡れてもその侭。そんな無精者は震えてれば良いのだ。(大丈夫、震えていたのでご安心乞)
 大倉尾根を下り、大倉もあと十分という場所で、観音茶屋が開いていて、思わず氷を食べてしまいました、寒い癖に。贅沢至極の振る舞いで有る。でも、何度も書いたけど、中高年には、絶対余裕が必要なのだと考えます。詰まり整理体操です。
 ったく、丹沢が好き、なんて良く臆面も無く言えたものだ。源次郎で苦労しただと?登山者の面汚し、二度と丹沢に来るな、増してや文を書こうなぞと、この破廉恥野郎が!
 一寸と貴方、それは言い過ぎです。山にはめっきりと弱くなってしまっていても、山は好きなんだから。じゃあ何か、山が強くなけりゃ山を好きになっちゃいけないのか?(どうして急に強気?)それに、冒頭から書いている通り私は登山者なんて飛んでもない、唯の高所恐怖症のおじさんであって、それでも丹沢が好きなのは、間違い無く本当の事なんだから。
 (体中がつった! その九へ続く)

2012年4月25日水曜日

クソ面倒な話 その四十六



 酔っ払いが書いてるので本音なのだけど、国を愛するのは家族を愛する事と同じ、と言う考えをベースにして居るので、家族は愛せるが国は愛せない人は、是非スルーしてね!!
 普通休題で扱うのだろうけど、余りに本気に調べる気が無い人が多い様なんで、此処に書こう。詰まり、あたしみたいな良い加減が、世の中には多いって事ですなあ。
 今回のテーマは、日本ってそんなに悪い国なの?????
 謝れ!戦争中の行いは何だ!!慰安婦を強制連行しやがって!!!南京で30万も虐殺しやがって!!!!
 もし本当だったら、日本人は世界中から嫌われ、唾棄すべき国で、東日本大震災なんざ、良い気味だ!!と皆思って、は居ない。
 ご承知の通り、世界中から応援と賞賛と義捐金と、救助の人間が来て居る。
 そして、世界のアンケートに依れば、世界に良い影響を与えて居る国のトップは、数年間日本で有って、最近は2、3位だ。繰り返そう、日本は高得点保持国で有る!!
 さて、どう思いますか??大虐殺と侵略、第二次大戦の敗戦国、且つ戦争を極東で始めた悪逆非道な国日本。
 そう思って居るのは、日本人の半分(多分、55%位かな?)と、中国と南北朝鮮のみなのだ。知ってましたか?
 外は、感謝してたり(フイリッピンすらだ、あんなに酷い目に会ったのに)、好まし思ってくれて居る。あたしは知り合いには常に言う。
 我が国をどうこう言ってるのは、中国と南北朝鮮のみなんだ、知ってるのかい??
 でも、政府は中国に異様に気を使う。馬鹿なのだろうか??尖閣列島は、ほぼ占領された。其れが嬉しい??尖閣列島に資源が有るって分かってからのこった。馬鹿政府に任せると、やがて東京湾で中国相手に降伏調印でしょう。
 物事を考えないって事は、決して自慢にはならない!(続く)

2012年4月23日月曜日

体中がつった! その七


 昔話ばかりではなんだから、(何だ?) 最近のやつを一つ。平成十八年九月二十三日、ね、最近でしょう。一昨日だ、湯気が出てらー。(済みません、当時書いた文章なんで)フクラハギが痛くて、う、う、年を取ると一日置いて痛くなるってえのは、本当です。
 水無川の源次郎沢、初心者向けの沢で、二十年ぶりに入ったのです。初めての時は小雨の中、小草平ノ沢を詰め、天神尾根を下って(前述です)源次郎沢へ入ったのだった。二本目だったが、さっと登った覚えしか残っていない。何と元気だった事か。
 で、今度です。戸沢出会い迄の林道を歩いていると神奈中のタクシーが抜いて行く。爽やかな秋晴れの日であった。タクシーが止まって、ヘルメットを持った若者が三人降り、新茅沢へと下って行く。気をつけてな、若者達よ。新茅沢は良い沢だからね。
 源次郎沢は小さな滝が連続するが、片っ端から巻く。F6は頭だけは残っていたが、F7はプレートしか残っていない。埋まったのだ。とい状のF8の横を登る。ホールド、スタンスがしっかりしてるのに、進もうとしない。誰が?私が!スタンスに体重を預けて体を持ち上げるのを躊躇するのだ。自分を叱った。行けるだろう、行けよ!で、渋々登りました。誰もいなくて良かった。人が見ていたら指を指して笑うだろう。
 モロに鈍った。沢登りは鬼石沢以来一年振りとはいえ、余りの情無さだ。自分が嫌になっちまう。
 いや、正直本当に、(こういう言い方をする人間には、絶対正直者は居ない!経験上です)情無かったです……。
 F9と思われる枯滝は面倒なので、左のガレ沢へ入った。このガレがやけに続く。入ってはいけなかったのだろう。衰えを実感したのはこのガレ場。今迄は石を落とす事も無く、
静かにスムーズに登っていたのに、今回はやっとこさと登り、足元からは石が落ち、油断するとガラッと崩れたりする。まるっきし素人じゃんさー!
 (体中がつった! その八へ続く)

2012年4月20日金曜日

休題 その八十八


 休題八十七で、多分嫌な顔をされただろうから、ついでにもう一つ。前回嫌な思いをした方は、是非スルーしてね♪
 あたしは絶対覚えて置きます。其の道・県或いは政令市を。何時迄覚えて居られるだろうか、直ぐ何でも忘れちまうのに……。
 負けるな
kenzaburou!アルツなんか恐れるな!(ちょっと待ってよ、あたしゃあ未だアルツじゃ無いよ!)
 まあ良い、忘れたら此の章を読めばOKだろう。此の愚ログは備忘録でも有るのだ。現に、山に関してはそうなりつつ有るのだから。
 では、貴方を忘れない為道・県を列挙する。長野県、和歌山県、徳島県、香川県、宮崎県。道(どう)は無かったです、すんまへん。
 そして貴方を忘れない政令市。
 札幌、名古屋、福岡。
 クッソー、長野県や徳島県、香川県、宮崎県は皆(みんな)大好きなのに……。札幌、名古屋、福岡、クッソー、……以下同文。
 もう分かってますでしょうね、東北のガレキを受け入れないと決めた所を、列挙したのです。良い所ばかりなのに、何でエゴイストの人で無しに遠慮して、ペコペコと本筋を見失って仕舞ったのだろう。アホじゃ!
 面倒な話四十三では、南京発言で河村名古屋市長を褒め上げ、其れにケチを付けた大村愛知県知事をアホ扱いした、其の舌の根が乾かぬうちに、ガレキを受け入れる大村知事に拍手を送り、受け入れない河村市長を罵る事になるとは、悲しいのです。
 「マスコミに左右される知的弱者」と言う文を何かで読んだ時は、きつい言い方だと一寸と反発を感じたが、此のガレキの件に関しては、全く同感で、知的弱者(自分で考え判断出来ない人)が行政の足を引っ張って居る。
 其の、知的弱者を扇動するのが、社会活動家と言うプロなのは、団塊の世代なら皆さんご承知の筈。そんなの知らない、と言うならば、其の人々の70%は嘘をついて居て、残りは、ものを見れない人なので、あたしには責める気は無い。良い歳を取って下さい。
 列挙した県と市、何か酷い事になっても絶対助けを求めないで欲しい。助けを必死に求めるのを拒否するのは、こっちも辛いのだ。
 え、お前には何処も助けを求めて来ないよだって?勿論分かってるけど、気持の問題なのだ。

2012年4月18日水曜日

体中がつった! その六


 ふざけるな、冗談を言ってる余裕は無いのだ!手足の指が二十本全てつったのだ。私は、声を殺し、ただ悶えていた。声を、何故殺したのだろう?馬鹿ですなあ。どったんばったん苦しんで(実際はどったんばったんなんてしていない、呻くだけ)、やがて、動けるようになって、必死に表に這い出たのです。多分げっそりとやつれていただろう。水のほとりで、同志落伍者がしょんぼりと炊事をしていた。
同志落伍者「どうしました」

私「そこらじゅうつって、痛くて、どうしよ
うもなかったんです」
同志落伍者「はあ」

私「体中つったんです」

同志落伍者「……はあ」

 経験の無い彼には、多分分かって居ない。

私「こんどつったら、助けて下さい、叫びま
すから」
同志落伍者「良いですよ」

 どう助けるか、分かってなかったと思う。
この夜も何度もつったが、初っ端(しょっぱな)のような大発作が無かったのは、幸いでした。二度も有ったら生き地獄だ。
 一晩寝ても、相変わらずの、ばてばておじ
さんです。そう、この山行から、若者ではなくなって中年おじさんになったのだ、えっへん、……()
 中ノ岳には、本当にやっとの思いで着いた
のです。同志落伍者は遥かに元気で、とっとと登って行ったのだ、此の裏切り者……。丹後山へ行く予定(だったのだ)なんざ豚に食われちまえ!真直ぐ下ろう、こうなりゃ最短距離で十字峡へ下ろう。
 下りで、つりまくったのは、初めての経験
でした。普通下りではつらない、膝は笑うけど。下ってはつり、休んで下り始めてはつり、野中へは、ふらふらになって辿り着きました。
 ……えーん、情無い。それからは今日に至
る迄、山に登ると何らかの意味でひどい目大会を開催しています。
 ま、歳だから、そんなもんだと思わなくっ
ちゃね。
 (体中がつった! その七へ続く)

2012年4月16日月曜日

ハイクへのお誘い その八



 三つ目のピークを越せば、じきに鹿柵沿の道となる。ハイライト(何の?)は此処迄。此の先は手入れが出来て、今迄と比べれば格段に歩き易くなる。其の上、道もはっきりするので、先ずは安心で有る。
 では、ほっとして三椏のアップでもどうぞ。



 皆下向きに咲いて居るのが面白い。和紙の原料として広く知られて居るあれで有る。
 やがて丹沢湖も見えて来るが、樹木越しなのは仕方無い。



 歩き易くなった下りを続けると東電の建物の横を通る。其処迄来れば湖畔は近い。とは言っても焦ってはいけない。百里の旅は九十九里を以って其の半ばとせよ、と先人は教えて居る。詰まらない所で転ばない様にね。
 最後はコンクリートの階段で、浅瀬入り口に降り立つ。詰まり、逆ルートで登りに使う場合は、バスを降りたまん前の階段を登れば良いのだ。
 右に行き橋を渡れば丹沢湖バス停とは、書いた。寄り道しない方は、降り立った道の向かいに浅瀬入り口のバス停が有る。
 盛んに逆ルートを勧めて居るが、安全度が高いと言う意味で、楽だと言ってるのでは無い。足場の悪い急登を強いられるのだ。
 二日の事、浅瀬入り口で十人程の中高年パーティが下車した。ははー、権現山だなと思ったが、大当たり、良い読みだ。え、誰でも分かるって?まあね。
 あたしが頂上で一服つけて、500m程も下ったら彼等が登って来た。可哀想に息も絶え絶えの有様で有った。
「ゼーゼー、もう着きますか?」
「もう一登りです」
「ゼーゼー、そうですか」
「頑張って下さい」
 此れは心からの声だった。彼等は助け合い、励まし合い乍ら登って行く。あたしより先輩が多いのに。
 其の代わり、峠に向かえば下りは安全なのが救いで有る。
 もしも、余り山馴れない方が権現山に登ろうと志すのならば、二本杉峠からのピストンが一番の安全策でしょう。でも、一寸と詰まらないかなあ。植林が多いし、三椏は殆ど無いし(季節を外せば無いって)。いずれにせよ、思いの外に良い山で有る事は、確かですよ。

2012年4月13日金曜日

体中がつった! その五


 祓川(なめりかわ、水場が有る)に辿り着いた時は、両脚がつり、殆ど歩行不能状態だった。いやーあそこ迄バテた思いは、今迄何回有ったのだろう?トップクラスである事は間違い無い。
 祓川から中ノ岳迄は、僅か一時間だが、も
う歩けない。本当に歩けない。殺すぞ、と言われれば、分からない。多分死ぬ覚悟で歩くだろう。でも幸いな事に、殺しに来る人間がいなかった。……良かった、とても良かった。
 祓川の水は冷たいと案内書には書いてあっ
たが、生ぬるかった。そう感じた。でも、がぶがぶ飲んだ。ちっとも美味しくない。当然だ、塩分とミネラルを失っているのだから。だから、つりまくったのだと、今では分かるのだが、其の時は分かっていなかったのだ。
 中年の単独行者が、同じく呆然と休んでい
た。彼も行動不能になったのだ。この夜の祓川の天幕は二つだけだった。
 強いなあ、他の方々は皆中ノ岳に進んで行
ったのだ。我々落伍者二人は、ボソボソと言葉を交わし、それぞれ天幕に戻った。私にとっては、其れからが本番だとは、神ならぬ身の知るよしも無く、とはこの事ですなあ。
 天幕に入って、座ったとたんに、つった。
何処が?何処もかしこもだ!
 あれは、長いんだか短いんだか、良くは分
からない人生の中で、たった一回の経験でした。経験してない人には、是非してもらいたいと思います。
 脚がつる、両方とも。あ、と脚に手を伸ば
すと腕がつる、それも、何故だか両方。あー、と痛がっていると、背中がつる。苦しんで体をよじると、横っ腹がつる、肩がつる、尻がつる。うー!足の裏がつった!脛がつった!あ、手の平が!わー、指迄つったー!く、首を吊ったー!
 (体中がつった! その六へ続く)

2012年4月11日水曜日

ハイクへのお誘い その七



 写真は頂上付近よりの檜洞丸方面。あたしが様に丹沢に拘りが無けりゃ、詰まらん風景なんでしょうなあ。丹沢好きには堪らん景色なのが、面白い処です。
 頂上をゆっくりと楽しんだら、二つの木の台の間を通って、やや左へ行くと、こんな看板が有る。



 此の前を通って行くのだが、決して尾根を外さない様に気を付けよう。一応踏み跡は有るがこんな感じで、分かり易いとは言い難い。



 登りに取った方が良いと書いたのは、登りなら支尾根に迷い込む事は無い。登れば、必ずピークに立てる。下りだと、つい支尾根に引き込まれ易い。確り踏み跡を追って、変だと思ったら、確信の持てる所迄登り返すの一手なので有る。其れを守らねば、泣きを見るのが決まりなのだ。
 貴方が山馴れた方なら、勿論何の問題も無い。万が一余り馴れて居ない方だったら、逆コースにして下さい。不明瞭な上に、道が整備されて居ないので、急な下りが結構こたえる筈だ。おまけに滑り易くも有る。
 悪い下りでも、登りに取るとそうでも無いのが面白い処で、安全なのは此の下りを登る事なのだ。じゃあ、最初から其の逆ルートにすれば良かったのにだって?ご尤も!
 例に依って大したもんじゃない訳が有って峠から登らせたのだが、何、下山して一寸と行った丹沢湖バス停(橋を渡れば直ぐ)横に落合館と言う、風呂に入れて酒も飲める宿が有ると言うだけの事なんで、いや、直ぐ飲む事を考えるあたし(恥)。
 入浴して蕎麦とビールが付いて2000円(お得だ!)と何かで見たのだが、蕎麦を出してくれた兄さんに聞いたら知らなかったので、保証は致し兼ねます。
 蕎麦は白い蕎麦で物凄く腰が強く、確かに美味い。唯、量が上品過ぎ(特に山帰りには)なので、評価は分かれると思う。外にも数件食事の出来る店が有るので、お好きな所へどうぞ。勿論何処もビールは有る。
 ハイクのお誘いでした。つい、蕎麦だ酒だ風呂だと、人を山の中に置きっ放して何騒いでんだろう。
 くれぐれも気を付けて、決して焦らず、踏み跡を外さず(くどい?)に。
 行ったのは四月二日だったので三椏(みつまた)の花盛り。権現山は三椏が多い。でも、外の季節ではみられませんなあ。
 下り放しでは無い。小ピークを三つ越す。三つ目には流石にブツブツ言いたくなるだろうが、ブツブツ言っても詮無い事、ハーハー言って登ろう。(続)

2012年4月8日日曜日

体中がつった! その四


 八海山の小屋で、中ノ岳へ向かう登山者が集められた。レクチャーである。暑いから、兎に角早く発て、舐めるな、標高差800mをアップダウンする、しかも尋常じゃなく暑くなるんだから、気を付けるんだ!私は、軽く頷いて聞いていた。
 そうです、その通りです、私は舐めていま
した。約二昔前だったので、若気の行ったり来たり。今なら、絶対舐めたりしない、死んでも舐めない!自分を知ったから。
 翌朝、超ド快晴。(超ドが付く、超ド級で
す)皆さんが出発してから、のこのこ出かけた。馬鹿は死ななきゃ直らない。鎖場の連続を越え、どんどん下って、皆さんに追いついたのは、オカメ覗き。最低鞍部で有る。普通鞍部は風の通り道。
 処がどうした、セオリーに反して、か、風
が無い。其れも、そよとも無い。普通は、そよ位有って然るべき地形なのだが、無い物は無い。絶対無い。
 蒸すなんてもんじゃ無い、ここは蒸し器の
中か!と感じたのは、相当参っていたのだろう。ふん、すぐ追いつくさと、飛ばしたもんね。ここからの登りはひどかった。ひどい目大会の名に恥じない。立派で有る。
 どうしたんだ、何故こんなに汗が出る、他
の奴等は何故俺を引き離して行けるんだ、おい、有り得ないだろ。おっさん、おばさん、何でどんどん行けるんだ、おい、間違えてんじゃ無いのか、どしたってんだ!(当時は、そんな気持ちだったんです。今思えば気がおかしい)変だ、足が進まない、どうした、糞、ぐ、ぐるじー……。
 自業自得だ、思い上がりの報いだ!

 歳だし、心がけが悪かった。それ迄は未だ、
我に追いつく敵機なし(知ってますか、この電文?)、の残滓が心の中に残っていたのだろう。この日からは、我が追いつく敵機なし、に変わったのだ。歴史的な日であった。
 ……
嬉しい、とても、嬉しい。ワーテルローの一日に匹敵する日なのだと考えよう。
 (体中がつった! その五へ続く)

2012年4月6日金曜日

ハイクへのお誘い その六


 丹沢湖を越えると目の前の山が世附(よずく)権現山だ。昔は本当にマイナーな山だったが、最近は中高年のパーティが増えた為も有るのだろう、1000m位の辺鄙な山も、良く登られる様になった。此の権現山も其の一つであろう。
 写真は丹沢湖を隔てて見た権現山。なかなか良い姿だ。詰まり、登るも下るも急なの。
 二本杉峠から登り、浅瀬入り口に下るルートを紹介しましょう。地図を見れば一目瞭然、下山路は破線になって居る。本当は上りに取るべきなのだが、峠経由とするが、本当のお勧めは逆ルートで有る。
 松田より西丹沢行きのバスに乗り、細川橋で下車する。「100m先権現山入り口」の看板に従い少し進行方向に進むと、二本杉峠入り口が有る。
 入り口は階段だが直ぐ舗装道となる。車止めを越すと道は川原に下りて行くが、下りてはいけない。川原手前で右に水平道と別れるが、そっちへ行くのだ。此処は道標が欲しい所だが、無い。お陰で川原に下り、適当な所を登って峠道へ戻るドジを踏んじまったぜ。
 後は峠迄不明な所は無い。一ヶ所崩れて居るが、支えのロープも有るので、慎重に行けば大丈夫だろう。ま、誰でも危ないとこは慎重になるもんです。
 峠の道標は右の屏風岩山と左の権現山は指して居るが、真直ぐ千鳥橋へ下る表示は無い。木の肌に赤ペンキで「ちどり」と記されて居るのみ。踏み跡も殆ど見当たらない。
 十数年前に通った時にも、既に廃道寸前だったのだから、無理も無い。又一つ懐かしい峠道が消えた訳だ。(大野君の地図には、破線が残っては居る)
 さて、左へ登ろう。此処からが本当の登りだ。左には中川温泉入り口付近と、石棚山から檜洞丸迄がちらちらと見え、右には菰釣山(くどいですが、こもつるしやま、です)から椿丸迄見えて、急登乍ら楽しめる。



 山頂手前のピークに立てば、もう一息だ。写真は手前のピークからの権現山。
 登り着いた頂上は、1018.8m、疎林の気持良いピークだ、汗をかいた甲斐は充分有る。
 木の台が二つ有るので、ゆっくり休んで下さい。下りが本番なんです。(続)

2012年4月3日火曜日

体中がつった! その三


「ウサギがいるんだよ、ウサギが……」
 ついに出た、立派な幻覚で有る。こうなり
ゃあ、もはや子供達の遭難です。そうなんです。
 ???????
 はい、済みません謝ります、余
りに、芸が無い……。
 交代でAを背負って運んだ。下りにかかっ
ていたのが幸いだった。あとAが小柄だったのも幸いだ。Aは騎馬戦のつもりになって、人の背の上で、あっちだ、こっちだ、と騒いでいる。我々は唯黙々と運ぶ。続けてB(仮)の様子が変になった。「ねえ、僕、変な事言ってないよね、ねえ、どう?」と繰り返す。
 言ってるよ、煩い!とは、誰も言わない。
背負う順番からBを外し、残りの三人が騎馬戦のつもりで騒ぐAを担ぎ、必死に聞いて来るBに相槌を打ちながら、やっとの事でバス停に辿り着いたのは、夕方だった。けなげだ、少年達よ!
 それからの記憶は、小田急線の千歳船橋で
下車する迄、飛んでいる。ぐっすり寝込んでいたのに、良く降りれたものだな?
 誰かが気付いて「駅だ!」と叫んで、皆降
りた時、同時に「いてて!」となった。足裏が痛かったので、此れは分かる人にしか分からない話なのだろう。
 迷惑の、かけ始めの話でした。(ぺこり)
 八海山という銘酒は全国区である。山は、
それ程有名ではないかも知れない。その八海山から中ノ岳へは、オカメ覗きという、変わった名の鞍部を経て行く。できたら夏は避けた方が良い。越後の山は、夏は暑い、米が喜んで育つのだから、本当に暑い。で、山の標高は2000m位。従って、高山風の山なのに、とても暑い。そのくせ、積雪は世界一(だから高山風になる)なのだ。春山は素晴らしい、冬は深雪の為に近づけないという、変わった環境なのだ。
 (体中がつった! その四へ続く)

2012年4月1日日曜日

クソ面倒な話 その四十五


 前に超弦理論には、敗北に敗北を重ねたと書いた。ブランク長なんて分からん!と自棄にもなった。
 其のブランク長を10の28乗大きくすれ水分子の大きさとなる。10の28乗って何なのさ!!まあ、其れは置いておこう。
 水分子は、ざっと100
mlで10の24乗個存在するので、有名な喩え話の、クレオパトラが飲んだワインのコップ(100ml)中の水分子が、あたしが無作為に汲んだコップの水の中に、計算上は10個は入って居ると言う事になる。
 勿論クレオパトラのコップの水分子が、完璧に均等に散らばる訳でも無いだろうから、場合に依っては一つも無く、場合に依っては20個入って居るかも知れない。
 嘘だろうって?計算上ではそうなっちまうんだよ!
 其れだけ10の24乗とは、巨大な数字で有るので、反対に水分子の10のー5乗
cmが如何に小さいかを表して居る。
 何せ、水分子をリンゴの大きさにすれば、リンゴは地球の大きさになるのだ。うーん、頭がついて行かない。
 するってえと、ブランク長の10のー33乗って、どうなっちゃうんだろう。あたしが理解不能って言った意味が、分かって頂けましたか??
 あたしだけが分からないのかも知れないけど、どんな天才だって、此処迄来ちゃあ、絶対に実質的な把握は出来ない。え、其れが出来るから天才なんだって?
 フン、ものの分からん奴の言いそうなこった。此処迄来りゃあ天才の出番なんかじゃじゃ無くて、仏陀の出番だよ!!
 聞きましょうか天才さんに。最小から最大迄、イメージで捉えられて居ますか???計算は出来るだろうけど、何が解って居ますかね、あたしと何ら変わりも無いでしょうが??
 言い過ぎかな??