2017年6月29日木曜日

閑話 その二百三十




 どうにか塔ノ嶽には登れる様にはなった。併し、ある程度の覚悟を強いられる。何とか登り着かなければと意識してゆっくりと、内心は必死の思いなのだ。
 これじゃあ余りに情け無いでしょうが。では思い切ってさっさと登って見ようと、十六日に出掛けた。幸い、まあまあの天候だった。
 大倉発が七時半。町田は近いだで楽なもんで、本当に嬉しい。都心は遠くなったが、へん、其れが何さ、であるのだ。                                                   
 バスは半分位の乗客で、流石に此の時間は未だ登山者も少ない。中高年は其の半分弱、若い人の方が多い。平日なのにね。
 真っ先に歩き出し、じわじわと行くと汗もじわじわと滲み、やがて垂れ始める。夏だから当然だが、蒸さないので助かる。
 若者に、一人、二人と抜かれる。其の代わり前のバスの中高年を数人抜く。見晴らし茶屋からの登りも整備されて歩き易い。
 余り制動を掛けない積りなのだが、無闇と急いだら命取りだ。適当な速さを心掛ける。兎に角、駒止迄が最初の勝負(?)なのだ。
 あたしが勝手に「駒止階段」と呼んでいる階段を登り切れば駒止小屋に着く。後はなだらかに堀山を越え、一寸と登り返せば堀山の家だ。此処が最初の休憩場所と決まってる。
 二人程休んでいる。すると二股方面から男性が一人登って来た。登山道は廃止になって、標識も切り取られて仕舞ったルートだ。迷う人がやけに多くて廃止されたと聞いている。
 変わったルートがお好みなのだろう。一寸と変人(失礼)なのかな。いやいや、あたしに其れを言う資格は有りませんなあ。
 堀山の家からの登り始めも、前はガラガラだったが整備された。天下の大倉尾根である。神奈川県も手を掛けてます。
 次の勝負はご存じ大階段、其の前に吉沢平を越えねばならない。其の登りと次のガラガラで痛めつけられて大階段だ。続きます。

2017年6月26日月曜日

クソ面倒な話 その八十四




 六月に入ってから何度も、スクランブルを掛けた自衛隊機に中国軍機が攻撃動作を行った。此れは露骨な挑発である。それ以前に、スクランブルを掛けられる領空に侵入する事が既に露骨な挑発なんだけどね。
 政府の弱腰を非難する声が上がるかも知れない。併し、此れを政府の弱腰と見るのはどうだろうか。
 若しも、明らかな敵対行動を取る侵犯機には然るべき対応を取るべし、と政府が指令を出したら、不軌の戦闘が起こる可能性が有る。戦闘が起こらなくても、緊張は一気に高まる。
 其れは国際間の常識だろうが、日本は大分違う。安倍内閣は戦争をしたがって居る、と野党もメディアも大騒ぎに明け暮れるだろう。
 解散総選挙であろうと、任期満了選挙であろうと、下手をすると平和政党と称する野党が政権の座に着く可能性が有る。
 巡視艦が中国の漁船に体当たりされた映像すら隠そうとした政党だ。スクランブルさえ遠慮がちにせよ、と言うかもね。
 本当の敵は日本国内に在ると見て居る。「相手が手を出してもこっちは手を出すな」「戦争どんな事が有っても許さない」「敵が来たら降参すれば戦争にならない」「北朝鮮のミサイルが日本で爆発しても、何かの間違いかも知れないから静観すべきだ」「日本を狙う国なんか存在しない」云々。
 国を売り渡したいとしか思えない発言が、大手を振ってまかり通って居る。其れに賛同する人間も少なく無い。実際に戦争寸前ともなれば、ビビッて平和政党(?)へなだれ込むだろうね。
 自分の国は自分で守る。これは、家族が危険にさらされば身を挺して守る、と同じく自然な感情だが、日本はGHQの教育が凄まじい効果を上げ、いびつになって今に至った。
 国民がバラバラな意識の元では、政府も断固たる姿勢は取りにくいのでは。先ずは国内の敵(?)に勝たなくては、海外の敵には勝てないと愚考する次第です。

2017年6月22日木曜日

休題 その百九十二




 例の映画・ドラマ見放題で、大変に便利している。有料なら絶対に見ないだろう作品も、気楽に見る事が出来る。
 メジャーな作品が少ないのは理の当然だろう。契約料の安い作品が中心になる訳だ。それでも客を獲得しなければならないから、少しはメジャーな作品も置いて有るのだ。
 従って、ヨーロッパ諸国やアイルランド、場合に依ってはアフガニスタンと言った、普段お目に掛かれない作品が、興味の対象となる。ハリウッド映画ばかり見せられて居た事に、今更乍ら驚く訳だ。
 アメリカ映画でも、決して日本の映画館では上映されなかったであろう作品にも、お目に掛かれる。
 かの有名なダビデ王が未だ羊飼いだった頃に、ユダ王国に侵攻して来たペリシテ人にあわや全滅させられそうになった。ダビデが、敵の戦力の中心であった大男を投石で倒すと言う映画があった。
 内容はそれだけだ。旧約聖書では名場面なのだろう。ダビデが一騎打ちに出る迄に、延々と同じセリフが続く。「絶対に勝てないからやめろ」「お前が死んだら父が悲しむ」「私が勝つのではない、神が守って下さる」
 ダビデの信仰がテーマだと、嫌でも分かる。その為だけに造られた作品だろう。だもんで、外の描写は極めて良い加減である。兵士達も 碌に武装もせずに、ウロウロしているだけだ。王が士気を奮い立たせる為に演説しても、前に整列して居るのは二十人程の兵だ。ユダの王様は小隊長なのけえ?
 まあ良いだろう。主題が信仰なのだから。ハイライトは一瞬で終わる。投石器、と言っても1m位の紐の先に石を付け、振り回して石を飛ばすのだ。其れが見事に大男に当たる。それで終わりだ。ダビデが王になってからの業績は無しなのだ。
 こういった旧約ものも見られるのですぞ。

2017年6月19日月曜日

柄でも無い事 その六十三




 町田には二件箱根蕎麦が有る。南口のは広い。店員も四人から五人配置だ。北口のは狭い。ぎっしり詰めても九人が限界だ。満員の時は蕎麦を受け取って席に戻るのにも、充分気を付けなければ、人にぶつかる。
 あたしが主に通うのは、其の無闇と狭い北口店だ。店員は多い時間帯で二人体制。そりゃそうだ、そうしなきゃ客より店員が多くなっちまうだよ。
 見せて上げたいですよ、北口店の狭さを。良くぞこんな半端なスペースを店にしたな、と感心する事疑い無しですよ。
 人が群れて居る時は、一寸と見て帰る人も多い。チッチッチ、分かってないね。店内に人が群れて居て、尚且つ販売機に行列が有っても、見る見る捌いて行っちまうだよ、北口店はさあ。
 特に仕事が速いのは、あたしが勝手に店長と思って居る、若い女性。一人の時間帯で変に混む時も、どんどんこなして行く。無敵の対応力。間違い無く何処に行っても務まる人材だろう。小田急さん、彼女を逃がしちゃダメだよ、正社員に採用すべきだ。もうなってたりしてね。
 外の諸君も大体合格が揃って居る。一人中年から加わった男性がたまにパニクるが、致命傷では無いので、結構だろう。
 依って、混んで見えても思いの外待たされない。うっかりF蕎麦なんかに行くと、空いて居てもやけに待たされる。あれは一体何でなんだろうか? 決して美味くもないのに。
 流石に九人が食べてる時は、一つ空く迄待たされる。だって、席も無いのに蕎麦を持たされても困るだけだ。空いたら直ぐ蕎麦が出る。
 狭いので食器返却口も一つ分しか無い。それでも合間を見て食器を片づける。狭い店ならでは動きは見事と言っても良いだろう。
 あたしも出来ると思うが、六十歳以上の採用は無い。小田急さんよ、考えなおそうよ。