2009年1月20日火曜日

林道でニギニギ その一

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 大野山、高松山について語ろう。両山共丹沢南面の牧歌的な山で、大野山は昔から牧場になっている。塔ヶ岳から東に向かう稜線は、鍋割山、桧岳(ひのきだつかと読む )、伊勢沢ノ頭、秦野峠と続き、峠で稜線は別れ、南下すれば高松山へ、西行すれば、ブッツェ平を経て大野山に至る。
 今はどちらの山も秦野峠からの路が記載されている。時代は変わったんですなあ。私が十代の頃、秦野峠から高松山を辿ったが、藪こぎ半分植林半分で、馬力の有る頃だったのに結構きつい思いをした。三十代の頃、大野山から秦野峠へ辿ったが、同じくで、大変だった。
 林道を作り始めると、秦野峠への登山路も見る見る廃道と化し、頑張ったがとうとう峠に着けなかった事が有った。秋の爽やかな日だった。そういう日は、一人で歩いているのが、妙に寂しく感じるものだ。尤もそれがまた無性に良いのだから、人の気持ちとは不可解極まり無いものだ。堰堤を幾つも越え、さてここいらから登る筈だと思うが路が無い。踏み跡も無い(多分見落としていたのだ)。滅茶苦茶を覚悟して藪に分け入れば何とかなっただろうが、あそこらの藪は相当ひどいのだ。で、止む無く撤退しました(当然、一寸と情け無くは有りました)。
 去年(平成二十年)二月、雨山峠から秦野峠へ歩いた。三昔前に歩いて以来で有る。結構藪山だとの印象だったが、藪が無い。冬だからだろうか。多分そうだろう。秦野峠からは林道をブラブラと下った。確か登山道は沢沿いだったな、なぞと思っているうち、あっけ無く橋に降り着いた。思いの外歩き易い。
 閑話休題(さて、とか、話はずれましたが、の意味。え、知ってるって?失礼!)高松山のヒネゴ沢を詰め、ビリ堂南の638mピークから西へ尾根を辿り、途中で沢に下って別の尾根へ登り返し、尺里(ひさりと読む)へ戻った事が有る。今、地図を見ると尾根は林道になっている。藪でビリビリになってしまったのだ。割と変態です。
 皆さん、真似をしないで下さい!大塚がやったんだから簡単だと決めては駄目です。何せ私は中学の頃から丹沢を歩いている。臆病で高所恐怖症でも、年季が違う、経験が違う。真似して良いのは年季の入った物好きの方だけですよ。
 くどくて済みません。
 でも、思わぬ所で思わぬ思いをした人が大勢いる。その内の、幸運な例を二つ程。(不幸な例は沢山あると思うが、最早真相を本人が語れないのだ)
 前章にも書いた原小屋平の水場、蛭から右手の原小屋沢源流へ、水を汲みに行った人があったと思いなさい。夏です。その人が登山道に戻れなくなり、原小屋沢源頭を六日さまよう事になった。 (林道でニギニギ その二へ続く)

2 件のコメント:

ショートホープ さんのコメント...

ありゃ~。こりゃまた写真が綺麗で、何より語り口が楽しいぢゃあないか。山のことはトウシロウの私だが、いやあ、読ませるなあ。これ。
いやはや。折あらば大塚氏とやら、是非、一献同席させて頂きたく願いあげ奉り候。
え?何、もうヤッテルって?

kenzaburou さんのコメント...

これはこれはショートさん、お褒め頂き恐縮至極。
沢登に行きましょうよ!