2009年1月3日土曜日

蛭ヶ岳のビールのぬるい訳 その一

FH000079

 東京より望む夕映えの丹沢は、左端の大山から始まるが、主脈縦走は大人気の(?)大倉尾根の登りから始まる。
 塔ヶ岳迄は、大倉尾根の章の通りです。さて、塔ヶ岳から蛭ヶ岳が、東丹沢のハイライト、熊笹とブナ林、バイケイ草と三つ葉つつじ、ガスの中では幽玄で、晴れれば見事壮快な稜線歩きなのだ。富士山と桧洞丸、大室山を友として、疲れを忘れる、かも知れない。どっちにせよ疲れる人は疲れるのだ、はっはっはっはっは!失礼しました、勿論私自身の事です。
 残念なのは、最近はブナ林の元気が無い事だ。酸性雨の影響だと思われるが、Co2等の排出を、何とか皆で抑える努力をしましょう!私も極力車は使いません……。
 塔ヶ岳を発てば幾ばくもなく日高(ひつたかと読む)を越え、しばらくで龍ヶ馬場だ。ここから見る朝日は相模湾を金色に染め、息を飲む美しさ。一度だけだが、見る事ができた。もっとも塔から見ても同じだろうが、もう一段引いた感じが絶妙なのだ。
 丹沢山は三ツ境と呼ばれていた(愛甲、中、足柄上の三郡の境)らしいが、丹沢唯一の一等三角点が有るので、丹沢山になったようだ。らしいとか、ようだ、ばかりで御免なさい。面倒くさがり屋なので、調べる労を惜しむのです。(ものを書く資格無しだって?はい、同意します!)
 ここの小屋はみやま山荘で、最近新築なったが、未だ訪れていない。古い建物の時はご厄介になったんだけど。D、K、S、Uと泊まった時はひたすら雨で、一晩中ブリキ屋根(当時)を叩く音が響いていた。予定は主脈縦走だったが、強気が売りのD(此のパーティのリーダーだった)が弱気になり「大塚さん、どうしよう」と不気味な事を言う。普段は、「おい大塚、こうするからな、文句言うな」なのだが。結局主脈縦走を諦め三ツ峰を下った。雨の三ツ峰も素敵でした。というより、三ツ峰は雨の時こそ素敵な一面を見せるのだ。
 丹沢山の下りを、ツルベオトシと言うが、その前の鞍部に遭難碑が有る。今も有るのかなあ。去年は見かけなかったが、朽ち果てたかも知れない(平成二十年春に探しが、矢張り見つけられなかった)。戦前の慶応高校生四人の遭難碑だ。当時は小屋は塔にしかなく主脈も天候次第では命懸けの縦走だった。だから悪天候の中、高校生が枕を並べて死んでいたのだ。今とは装備が違う。桁違いに違う。ゴアなんて無い。降ればびしょびしょ、そこで吹かれれば一発。不謹慎に聞こえるでしょうが本当なのだ。疑う人は、全て木綿の衣料で身を固め、雨の山を歩いて見て欲しい。絶対思い知る(きっぱり)。 

蛭ヶ岳のビールのぬるい訳 その二へ続く) 

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