2009年2月28日土曜日

冬山のツェルトで三人暮らし その二

FH000029

 

 Nに連れられて、初めての3000m級冬山に行った時の事だ。お馴染みのKと三人だった。Nは滅茶苦茶な奴で、何と、ツェルトで三人が二晩暮らした。(Nに言わせりゃ、そんなの当たり前だろう?)北沢峠の天幕村だったがどの天幕も闇に沈んでいる。( 内張りが張ってあるのだ)うちのツェルトだけが、ロウソクの灯りで、煌々と明るく映えている。大体、ツェルトなんてうちだけだよ!
 今でも不思議なのだが、あの小さなツェルトにどうやって、冬山装備と三人の男が入れたのだろうか?……分からん。いざとなれば、何だってできるという事なのだろう。現にできたし……。
 その時、私もKも足が冷たくて、痛くて、痛いと嘆いた。滅茶苦茶なNは笑って、嬉しそう言った。
「そうだろう、痛いんだ」
 思えば、私も滅茶苦茶なNと同じになったのだ、いや、なれたんだ!とても誇らしく思える。
 しまった、寒く冷たい印象に、富士山が霞んでいる。同行の諸君も多分そうだろう。鉄砲木ノ頭で、富士を見る会を行う人は、防寒に気をつけて下さい。何せ冬の方が、富士山が見事ですから。
 鉄砲木ノ頭から更に北上すると、切通峠を経て高指山(たかさすと読む)に至るが、この手前で東海道自然歩道に合流し、歩道は平野へ降りて行くのだ。めでたくも、これで自然歩道と繋がった。何がめでたいの?……分かりません。
 三国山に戻ろう。東に延びる稜線は湯船山、峰坂峠、そして不老山。そこから河内川へ落ちて終わる。
 案内書ではないと断りながら、つい、書いてしまう。どうでも良いような、事なのに。詰まり、丹沢の地形を、語りたいのですね。済みませんです。
 昔、妻と不老山へ、駿河小山から登った。当時の、道のあるピークで、踏んでいなかったのは不老山だけだった。(分かりにくい文章で御免)今は、あちこちのピークに路が記載されている。道が記載されていない山を歩く楽しみが、減りました……。
 峰坂峠から西は歩いた事があるので、峠から東に不老山を目指した。で、峰坂峠に向かう里道で迷い、(良くある事なのだ、恐るべきは里道!)農家の庭先に引き込まれてしまった。にはにはにわにわとりがいた。冗談です、庭には二羽鶏がいた。(……)本当にいたのは、吊るされた猪、それもでかい!1m半以上はあった。ような気がするけれど……、兎に角大きかったの!
 流石、昔だ。幾ら昔でも、びっくりして、引き返した。引き返しながら、二人で笑ってしまった。え、猪がぶら下がってる?今朝獲ったのかな。ははははは……。♪二人は若~い。 (冬山のツェルトで三人暮らし その三へ続く) 

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