2009年12月31日木曜日

クソ面倒な話 その十二

STS120LaunchHiRes

 

 面倒な話の十一には作為が有って、何もアンドロメダ星雲を出す事は無く、もっと手近に銀河系内の話にすべきなのだが、分かり易くする為に、極端な例を上げました。
 太陽系に一番近い星は、ご存知のケンタウルス座アルファー、4,36光年の近さだ。残念乍ら文明は発見されて居ない。
 10光年以内に文明が存在する確立は、零では無い。20光年以内なら確率は上がる。
 20光年先の文明とコンタクトが取れたとしよう。メッセージの往復に四十年掛かるのは仕方無い。で、是非お目に掛かりたいとなったら、同じく世界中の大プロジェクトだ。現実に即して、亜光速は無理と設定する。
 何故無理なの?ロケットは反作用の原理で飛ぶので、何かを投げねばならない。其れを燃料と呼んで居る。燃料はガスとして噴射される。ガスは軽いものだが、質量×速度が作用するので、高速で噴射して推力を得る。ロケットの速度を上げるには大量の燃料を積まねばならず、するとロケットが大きく重くなり、更に大量の燃料を積む必要が……、なので、今の段階で亜光速は無理なのだ。
 従って、片道八十年位掛かるのかな。加速に掛けた時間は、きっちりと減速の時にも掛かるからで、さもなくば目的の横を凄まじい速度で通り過ぎて、ジャンジャンで有る。八十年も掛かればクルーはお亡くなりになっちまう。亜光速では無いので時間の経過には殆ど変化が無い為だ。
 又もや幽霊船。其れを避けるには多世代宇宙船を建造するしか無く、又しても超巨大最新技術の塊な船とならざるを得ない。さて、全世界のGNP位の予算かなあ、例に依って全くの山勘だけど。
 誰が計画推進を支持するだろう?
 人類は月に立ったのみだ。太陽系の規模で言えば、部屋の中で位置を変わった様なもの。理論上は、今の技術で火星へも行ける。但し、余りにも費用が掛かるので、何処もやらない(そしてリスクが大きいので)。
 太陽系内で此れなのだから、恒星間飛行なんざ夢の又夢。……夢が無い話ですなあ。
地球も何時か最後を迎える。其の日の為に人類脱出計画を考えるべきだ、と主張する科学者も居る。勿論全員は脱出不能、選ばれた極少数(比全人類)の人間が、宇宙船で新天地へ旅立つのだ。
 あたしゃあ其の考えには同感出来ない。地球の最後は皆の最期。一緒に死ぬのが最も自然な生き方(?)なのだ。人はやがて死ぬ、人類もやがて死ぬ。大自然の摂理で有る。ま、生有るものは必ず滅する、です。
 第一、 宙船で脱出したって、どうなるか分かったもんじゃ無い、と言うより、無限に宇宙を彷徨う幽霊船になるに決まって居る、と思って居るのです。
 年末に相応しくない話でした。良いお年をお迎え下さい。

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