2009年12月6日日曜日

閑話 その三十七

DH000071

 

 高山帯の定義は日本と外国では異なって居る様だ。日本では這松帯からを高山帯とするが、外国では樹木が無くなる地点からをそう定義する。従って這松が生えて居るなら高山帯では無い。
 其の這松だが、北東アジア特有の植物で、植域が長い舌の様にベロンと南に延びて居るのが日本列島で有り、其の最南端が南アの光岳(てかりだけ)だ。詰まり世界の這松最南端と言う事。
 全く知らなかったのだが、日本の高山帯は世界に例の無い多様性が有るそうで、分かり易く言うと、箱庭的風景の様だ。
 岩と岩屑とお花畑と這松と残雪、極当たり前と思って見て居たが、外国の山は岩なら岩のみ、花は極珍しく、雪田も存在せず氷河になって仕舞う。植生も単純で高度に合わせて同じ種類の植物で埋められる、と本で読んだ。
 ふーん、そうだったんだ、其れも山の景観を生涯の研究テーマに選んだ変わり者の(失礼)学者が居てくれたお陰で、知る事が出来た訳で、其の先生は仲間や先生からも偉く変わり者扱いをされたそうだ。併しそう言う総合的見地に立った研究は素敵です。
 何で多彩な風景が構成されたかと言うと、日本の山は、世界一の強風帯と世界一の豪雪帯で、其の作用だそうだ。知らなかった。豪雪帯は知って居たが、強風だったんだ。確かに冬の硫黄岳通過這うしかなかった。
 で、這松だが、厳冬期には雪の下に埋もれてなければ、厳しい寒気と強風の為生存出来ず、寒気が緩めば直ぐ雪が融けて日光を受けられる環境が必要だそうだ。這松帯とはそう言う所だったんだ。
 因みに這松は1m成長するのに三十年掛かる筈だが、頑張って下さいね。
 お花畑は岩屑帯(専門用語が有るだろうが、知らない)に展開して、種々の花々が咲き乱れる。此れも外国には無いのか……。殺風景ですなあ。日本に住んで居て良かった。あのお花畑の見事さ、妻にも見せて上げたいのだが、未だ機会が無い。北岳にでも連れて行けば良いのです。
 南北中央アルプスでは、最近良く外国人登山者を見掛ける。わざわざ登山の為に来日したのか、と聞いた事は無いので、日本に居住して居る人が大部分だろうと思って居るが、中には珍しい日本独特の高山帯を訪ねて来た人も居るかも知れない。今度聞いて見よう(どうやって?身振りでかい)。
 結論、そんな良い山を登って居たとは全く知らなかったので、感謝して山登りに励みましょう。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

本当に日本の山の美しさは特別だと思います。四季の変化と 雨量の多さ、湿度の多さと風が 特有なのでしょうね。
ヨーロッパはほんの短い夏以外は 寒い、暗い、太陽がない、、、で、3シーズン:冷たい、とても冷たい、ものすごく冷たいだけです。
フィリピンにいたときは、やはり3シーズンで、暑い、とても暑い、ものすごく暑い、だけでした。
オーストラリアはというと、暑いか寒いかだけで、シーズンがなく、夏のはずなのに昨日は35度、今日は19度と言う具合に毎日の変化が激しく、衣替えという概念はまったくありません。冬でも夏でも コートが必要なのです。 やっぱり過ごしやすい 山が良い、景色が良い という日本で過ごせるということは、最高でしょう。政治とか教育とか物価とかには、もんくがありますが。

kenzaburou さんのコメント...

えー、35度と19度、大陸ですねえ。

島国は島国、大陸は大陸、夫々の生き方が有るのは当然ですね。環境に適応すると言う事ですか。良い、悪いの問題ではなくです。