2009年10月28日水曜日

山の報告です その九

DH000073

 三章目ともなれば、最早本文だ。短いものは二章だし(大倉尾根とか椿沢とか)。でも、たまには良しとしよう(勝手なんですなあ)。
 さて、テントに戻ったは良いが未だ十二時一寸。取あえず表でチューハイを飲んでから片付けと準備、でも一時にもなって無いので寝ちまう。騒がしいので目覚めたのが二時半過ぎ。
 幕営地も埋まり始めたらしく、あっちだこっちだと騒ぎ声。其処へドカドカと足音。
関西弁「此処しかあらへん、此処にしよ」
関東弁「張れますか」
関西弁「張れるで、一番ええわ」
 覗くと大学生の四人パーティ。げ、こりゃ煩くなるぞ。確かに煩かったが楽しかった。関西弁はリーダーでは無い見たいで同期の男がリーダーらしい、余り口を利かない落ち着いた男だ。後二人は後輩の男達。其の三人をABCとする。
関西「見て、指に皆豆が出来おった」
B「俺は膝が痛いですよ」
関西「膝と豆とどっちが辛いやろな」
B「膝でしょう」
関西「豆も痛いで。五竜の登りは足が上がらんかった、根性で歩いたんや」
 どうやら八峰を越えて来て三泊目の様だ。しかも後二泊するらしい。
関西「いて!!うっかり豆を擦ってまった」
ABC「え!」
関西「見てみい、汁が出て来おった、ほれ」
C「止めてよ!」
 そんな按配で騒ぎ続け、聞いてるあたしゃあクスクス笑う。孤独の幕営者には良い娯楽なのだ。
関西「今へが出おった」
C「今夜は何を食べますか」
関西「何が残ってんねん」
A「そうだな、変なのばっかり残ってる」
B「此処にリゾットが有りますよ」
関西「それや、はよ言わんかい!」
 賑やか千万、でも二十時になれば寝静まる。偉いぞ大学生、山は良いぞ、仲間を増やしてくれ給え。
 翌朝四時、あたしが目覚めた時は彼らはヘッドランプで撤収の最中だった。流石に関西弁も無口で、偶に指示を出すだけ。あたしがコーヒーを飲んで居るうちに出発して行った。最終目的地は白馬か朝日だろう。祈・健闘!
 曇りで早朝僅かに降雨。何、こっちは下るだけ、色付く遠見尾根を見据えて出発。思った通りに、下るのも苦労で有る。ヨロヨロ下り、中高年パーティと前後する。だって足が思う様に行ってくんないんだもん(涙)。
 登りよりは滅茶苦茶楽なのは言う迄も無い事。駅に着いたら七分後に列車、ジュースをぐっと飲んで乗り、松本では五分後に発車の梓から飛び出し、列をなすキオスクを尻目に階段を駆け上りコンコースの売店で駅弁とビールを買って車中へ、待ち時間無しで帰京。
 で、今日(十月二十三日)は筋肉痛と疲労でゾンビの有様、指だけは動くので此れを書いた(打った?)のでした。

4 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

あれ、、剣岳がこんなにまじか? な訳ないですね。 下ってきて 振り返ってみた写真ですか。山がそろそろ冬を迎えようとしているところですね。本当に良い時期に行かれましたね。帰りの駅弁+ビールの味は格別だったことでしょう。同じ速さで5分の停車時間に弁当買いに成功した人 他にもいましたか??? 間に合わなかったら ザックは車内だし、真っ青ですね。 山に入って 帰ってきたら体重落ちていましたか? 

kenzaburou さんのコメント...

はい、実は此れが大遠見から見た鹿島槍で、前回の写真は五竜だったのです。分かりにくいアングルで済みません。

5分の停車時間とキオスクの行列を見て、他のパーティは諦めて居ました。
私はコンコースの売り場を知って居たので、多分唯一駅弁とビールを手に入れた人間だと思います。
他の諸君は、車内販売でゲットしました。
因みに体重は量って無いので……。健康管理に難有りです。

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

五龍岳の頂上はとても男性的な姿なので わかりましたが、鹿島槍のあたまがこんなにギザギザだとは、、、わかりませんでしたー。どちらも きれいな岩肌ですね。北は やっぱり良いですね。山から帰ってこられて 一番食べたいものは何ですか?寿司でしょうか? それともKENZABUROUさんごひいきのお茶とお菓子?

kenzaburou さんのコメント...

それが、蕎麦かラーメンなのです。塩気の有る麺が最高に美味しいので、本当は立ち食い蕎麦に天麩羅と卵を入れて食べたかったのですが、5分では無理でした。
因みに松本駅には2ヶ所立ち食い蕎麦屋が有り、其処が一杯なら改札を出ると中2階にも1件有るのです。其処も駄目なら下に下りて信号を渡ると、1件有ります。
流石信州、蕎麦所です!