2009年10月24日土曜日

山の報告です その七

DH000068

 平成二十一年九月二十日から二十二日、唐松から五竜への小縦走をやって来た。本当は十九日から発って鹿島槍と爺も越えたかったのだが、遠い海上に台風が居たので、念の為一日遅らせ、ルートも短縮した訳だが、結果オーライ。何がって?追々説明しよう。
 ご存知八方尾根からの入山だが、最悪の予想はぴったし、観光客で溢れ返っており、上下一本づつの道は延々と人、人、人。
 観光客は空身で且つ飛ばす。あたしは22Kgのザックにテントから鍋釜寝具食料迄背負って居るのだから、ゆっくりと行きたいが道を塞ぐ訳にも行かず、合わせて飛ばして八方池迄頑張ったのは良いが、一発でバテ切って仕舞ったお粗末。
 快晴の白馬三山は涎の出る程の美しさだが、あたしゃ涎が垂れるバテ方。此処からは登山者の世界だが、唯々喘いでノロノロと歩を進める哀れなおじさん。ま、進めるだけ良いか。
 小屋に着いたのは十六時過ぎ、急いで幕営したいが受付が長蛇の列、三十分も掛かってやっと張る手筈なのだが、一面テントだらけ、張れる場所を探しどんどん下り、結局一番下迄降りちっまったぜ、ったく。
 それでもテントは正解だった。小屋は四畳に八人で、増しと言えば立派に増しだが、矢張り一人でノウノウと暮らす方が良い。
 驚いたのは飯が食えなかった事。何十年振りだろう。「喰わなきゃ駄目だ、水を掛けてでも喰え!」「はい、分かってまつ」と自問自答しながらどうにか食べたが、いやー、参ってたんですなあ。
 当然酒も飲めない。8%のチューハイ一本とウイスキーを少々。これじゃあ何しに登って来たのか分からん。体温調節機能にも狂いを生じたと見え、皆さんアノラックを着込んで居るのにカッターで暮らし、其の癖水洟が垂れる、タラタラ垂れ続ける。与太郎で有る。
 翌朝の氷点下に備えセーターを着込んで寝袋に入ったが、気持ちが悪くなっちゃって、おまけに変な動きをすると足の甲が攣ったりして、明日は歩けるだろうか?恥を忍んで八方を下るべきだろうか?と思う程なのだ。
 昔々、同じく八方から来て此処に幕営、翌日は五竜、八峰キレットを超え冷の幕営地迄飛ばした事が有ったが、其の頃の力が百とすれば今は二十以下、もう何処にも無いよ、テント担いで十二時間以上も歩く力は……。
 で、結果オーライの話だが、予定通りなら八峰キレット小屋に泊まるので、当然幕営不可能な場所(絶壁に張り付いた小屋なのだ)だから小屋泊まり。さぞ混む、きっと混む。一畳に三、四人は固いだろう。良かった!
 もう一つは、三日間で下山した事。昨日帰宅したのだが、朝から筋肉痛で唸って居るのだ、えっへん(涙)。キレット超えて四日も歩いたらどうなっちゃたんだろう?
 駄目だ、何時の間にこんな情け無いおじさんに成り下がったんだ!酒ばかり飲んで何もトレーニングしないから?それは昔からだ!
 情無い話は続きます。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

おかえりなさい!!!ご苦労様でした。唐松岳、五龍岳の縦走 22キロのザックとテント鍋釜もって、、、すごい!!! 一番美しい時期に一番良い山に行かれましたね。縦走中ずっと、鹿島槍が、見えるのですか? 
白馬三山が 真近で素晴らしかったことでしょう。立山剣岳も、目の前でしょう? 槍、穂高も見えましたか。遠くに八ヶ岳も?もう、夢みたいですねー。
五龍岳のような大きな山では 9月でもまだ すっかり紅葉していないのですね。写真の紅葉と雪渓がいいですね。いいですね。いいですね。鎖の岩場が たくさんありましたか???でも、そんなに人が多かったなんて!!!

kenzaburou さんのコメント...

唐松に近づくまでは鹿島槍は見えますが後は五竜に登るまでお預けです。

白馬三山は目の前であっと言う見事さでした。勿論槍穂高も、剣も勢ぞろい。

鎖の岩場は沢山有りました。

人が多かったのは、五連休(シルバーウイークと呼ばれています)だったからです。