2009年4月11日土曜日

閑話 その十九

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 家族続きで妻の話。あ、愚痴をこぼそうってんじゃないんで、誤解無きよう。
 妻と山に行った話は本文にも閑話にも出て来るが、妻と山に行くのは実は年ごとに一度か二度しか無い。理由は簡単で、妻が山に弱い(下りで股関節の痛みを訴える)事と、夫婦で留守に出来なかったからだ。両親と子供三人を抱えていれば至極当然の話でしょう?
 それでも何とか時間を捻出して極力妻を山に連れて行こうと思ったですよ。だって、登山以上の楽しみ(あたしの思い込みでしょうかね?)は無いし、本人も山は好きだから。(多分。本人がそう言ってるし)
 あたしも馬鹿じゃ無いから(誰だ異議を唱える奴は、打ち首だ!)、ミーハー路線に徹する。わー、何て素敵なの!と言わせたいし、言わせなければ連れて行った甲斐が無い。
 従って、婚約中のプレゼントはキャラバンシューズ、デートコースは冬の檜洞丸。凄く寒かったそうで気の毒でしたね。
 デートコースと言えば、東京タワーに行った。夜景が素晴らしいのはご承知の通り。それは良い、良く無いのはあたしが乗っていた車、会社のBシャッターの車で乗り付けて、警備員に「はい、業者はあっち」と言われ、「客なんだけど」と答えたお粗末。
 晩秋の北八に地下足袋で行った話しはした。この時は小海線に出たのだが、紅葉真っ盛り、車中で関西からのおばさん達が口々に「綺麗わー!」と叫んでいたのが印象的で、本文でも使わせて貰った。中アの宝剣も本文に有る。此れも全く、綺麗わー!の世界で有ったです。
 秋の爺ヶ岳は見事此の上無し。冷の小屋で泊まったのだが、紅葉と言うより黄葉で、山は勿論空気迄黄色く染まる感じ、妻もきっと綺麗わー!と思った事だろう。其の上小屋が丹沢とランク違い(あ、失礼しました丹沢の小屋さん、丹沢の良さは別物です!)、洒落ている。食事も良いのだが、あたし達は自炊なので関係無い。此の山行は(妻が喜んだという意味で)成功です。
 では失敗例を。皆さんも失敗例の方がお好きでしょうし。(違う?偽善者!)
 秋の赤岳を登った時の事。行者に泊まり、快晴の赤岳に立った迄は文句無しの出来だった。色づいた山々は見事の一言で、風は強かったものの風景を満喫。問題は下り道の選定を誤った事だ。
 阿弥陀に登り、犬クビリを経て美濃戸へ下る尾根だが、急で長くて妻はすっかり参ってて仕舞い、可哀そうにやっと下って行く。勿論膝も笑い放題で思う所に足を置けない惨状。
 尾根の末端は造成された別荘地へ入って行く。え、知らないよ!地図(古いんだけど)にも載ってないし。うろうろし、妻を待たせて道を探り、やっと方向を定めた。
私「戻るよ」
妻「えー、一生懸命下って来たのに……」
私「少しだけだよ」
 妻は半泣きで有った。あたしゃあ気の毒なのと自省の念で一杯でした。無事にバス停に着いたのだから、失敗にしては可愛い方です。

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