2009年4月5日日曜日

酒は飲め飲め、山で飲め その二

FH000019

 

 蛭のRさんの小屋を目指す時も、沢であろうと、変な尾根を登るのであろうと、途中で荷物を入れ替え、大きいリュックに重い物を詰めて私が背負い、小さいリュックに軽い物を詰めてYが背負った。普通ならば大きいリュックに軽い物小さいリュックに重い物だ。
 一度は、Yがすっかり参って(ちゃんとした道を行かないからだ、とYは言う)、リュックは大小二つとも私が背負った。Rさんの小屋に入ろうとすると、Yは遠くから、息も絶え絶えに叫ぶのだ。
Y「リュックを、返して……」
私「?」
 二つリュックを背負った私の後から、空身で小屋に入って行くのは、男の沽券に関わるという訳だ。最近になって、ようやくその気持ちが分かるようになった。Yよ、気の毒だったね。
 で、自分以外にその立場の人間が現れる事は、とても気持ちが救われるのだ。未だ説明不足かな?
 此処の読者なら、きっと覚えが有るでしょう。皆が辛い登りで喘いでいる時、誰か一人がバテると、外は皆急に大丈夫になり、しゃんとしてそいつを気遣いながら、登って行けるものなんです。これで説明OKですね。
 で、堀山の小屋迄と決まった。ん、説明通りとすると、YはAがバテて楽になった、って事は、Aがバテて、嬉しそうに?……もはや私には説明不能、説明を放棄します。

 

FH000122

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっと小屋に着き、小屋でお汁粉や甘酒を買って飲み、外のベンチで宴会を始めた。と言ってもささやかに、持参した焼酎を飲む位の事だけど。それで下って行ったのだが、私が其れを見ていればきっと、何だあいつら?と、不思議な思いで見送っただろう。だから、一本松上の皆さんと同類です。いやー、楽しかったでしょうね、一本松上の皆さん。
 いつものS、Kと、新松田に降りて来た。飲み屋を探したら、田舎でもちゃんと有る。そこで飲み始めたのが、午後五時半頃だろう。結局十時前迄飲んでいたのだが、可愛いものでしょう。言いたいのは、新松田で飲むと不思議な錯覚に陥るという事なのだ。旅先で飲んでいるような感じ。
 新松田は、新宿から一時間半、近い所だ。それでも、山から降りて来ると旅先なんですね、これが。今日中に東京に帰れるのかと、不安を感じながら飲んでいて、それでも盛り上がって、ひたすら飲む、変な世界。分かりますか?是非お薦めです。 (酒は飲め飲め、山で飲め その三へ続く)

0 件のコメント: