2009年4月10日金曜日

酒は飲め飲め、山で飲め その三

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 Sは特に飲兵衛である。SとSの奥さん(前にWと記した)、Kと滅茶苦茶なNと一緒に大倉尾根を登っていた。小屋が有るとその度、Sは入って、ビールを買って飲む。旨そうに飲む。それでよく歩けるな、Sよ。Sは頑強な男なのだ。昔は十字懸垂なんてやってたし。此れは閑話で説明済みで、Sは水分を常人より必要とするのだ。(詰まり異常人?)
 勿論、私もKもNも飲兵衛だが、強くない。我々は唯の酒好き、だらしなく飲みたいだけで、情無い。ところがSは強いのだ。悲しいかなご他聞にもれず、最近は酒量が落ちて来た感はある。お互い歳には勝てない。Sが飲めなくなったら終わりだぞ、頑張って飲んでくれ、Sよ!
 夏山のキャンプ場は賑やかだ。学生のパーティは、騒いでいても、すぐ寝静まる。何せ朝は三時には起きるのだから、見ていても大変だ。だから夜は早い。おじさんパーティは、遅く迄飲み続ける。場合によったら停滞しても良いってな、いい加減さなので、減迷惑千万.私には明日の予定があるんだぞ!
 と言う資格は、実は私には無い。前に書いたが、菰釣山の避難小屋の思わぬ宴会で、兵庫県の方々に迷惑をかけた時の事。
 言い訳です。大阪のおっつぁんがいけない。おっつぁんがひたすら酔っ払って、騒いだのだ。センスの良い、顎鬚の好中年(?)でさえ、しまいには怒って、貴方、うるさい、と叱りつけたが手遅れ。何せ大阪のおっつぁんはヘベレケなので、分からない。迷惑なYも一緒だった。Yは今だに、持って行った日本酒を、殆どおっつぁんに飲まれてしまった、と怒っている。酒の恨みは恐ろしい……。
 が、一番の被害者はYではなく、顎鬚の好中年(髭さんと呼んでいる)。髭さんがツェルトを持っていた、しかも新品。私達は二人だからと言い張り(全く理屈になっていない)、抵抗する髭さんからツェルトをもぎ取って、騒がしい小屋を出て、表に張って寝てしまったのだ。……ひどい、私達の人でなし。
 ま、お互い酔っ払いという事で、許してくれますか?
 天罰てきめん、大阪のおっつぁんは翌朝ひどい二日酔いで、御正体に何度目かの挑戦なのに、失敗した。髭さんがそう吐き捨てるように語っていた。御免なさい髭さん、本当に酔っていたので、あの振る舞いを(汗)……。
 でも、すっごーく楽しい夜でした。
 ここ何年来大倉へ降りて来ると、必ずO屋に入り、一杯やる。一人の時も、パーティの時も、である。

 

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 何が良いって、まず安い。缶チューハイも売値で飲める。昔場末にあった、立ち飲み酒屋のノリである。おばさんに、商売気がないのも良い。付近の主婦の集会所同様になっているようで、おばさんも嬉しそうに話し込んでいる。客が来ると、一寸と迷惑そうにする。注文なぞした日には、露骨に迷惑そうだ。其の癖漬物を、つまみに出してくれたりする。
 客は常連が殆どのようだ。山帰りに一杯の人々。まずベテラン揃いだ。たまに学生パーティもいる。
学生A「前から山菜ラーメンって、気になってたんですが、頼んで良いっすか」
学生B「おお、良いぞ」
学生A「山菜ラーメン大盛り下さい!」
(酒は飲め飲め、山で飲め その四へ続く)

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