2008年12月28日日曜日

丹沢の東海道自然歩道は登山です その一

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 西野々から焼山、八丁を登って姫次、姫次 から風巻を経て神ノ川へ下り、犬越路を越えて大滝橋へ、大滝峠から畦ヶ丸へ登り、菰釣山(こもつりでなく、こもつるしです)から山中湖 畔の平野迄走らそうというのが、丹沢山中の東海道自然歩道。
 歩道には違いないが、登山道と呼ぶのが正しいと思われる。東海道自然歩道案内書にも最難関区間となっているらしいが、至極当然 だ。さぞやひどい目に合った人もいる事でしょう。
 長所短所は背中合わせ、良い事も有る。畦ヶ丸から山中湖への相甲国境線が整備され、その上全コース上のあちこちに立派な避難小屋が出来たのは、大変嬉しい。昔の相甲国境線は、藪、倒木が多く、中々苦労させられたものだ。
 いま一つの良い事は、ひどい目に合ったが故に、登山の世界へ踏み込む事ができた人もいる事。
 それって良い事だろうか?勿論良い事なのだ。此処で頷かなかった人はほとんど居ないと思う(多分)。パチンコの世界でなく、夜遊びの世界でなく、ドラッグの世界でもない、登山の世界なのだ、ようこそ!
 夏の赤石岳の帰りのバスの中、後ろの山岳会パーティの一人が、丹沢の自然歩道で痛めつけられ、一念発起して登山を志して装備を整え、会に入って今に至ると話していた。ほら、いるでしょう、ラッキーにも素晴らしい趣味と出 会えた人が。東海道自然歩道でひどい目に会ったお陰です。
 環境庁(当時)の失敗は、大滝峠からのルートに巻き道を使った事だ。少しでも楽なルートにしようという意図は分かるが、あそこらの地盤は脆いのだ。折角作ったその道も、大雨で崩れ、雪で崩れ、風で崩れ、しまいには何となく崩れで、見る見る荒廃し、あっと言う間に通行不能となってしまった。
 二昔以上前、一月に地蔵平から城ヶ尾峠へ登ろうとして、降雪の中で路を失い(凄くドジを踏んじまったですよ)バケモノ沢で幕営する羽目となった事がある。何やってんでしょうね。
 勿論、尾根に出れば道だと分かっていたので、何度も場所を変え、這い登って試みたが、何処へ行っても尾根筋近くは、密集した篠竹が頑張っている。何とかとは思うのだが、どうしても篠竹を突破できず、右往左往したあげく、夜になって、雪も降り続くし、う、う……、恥ずかしい。
 言い訳です。密集した篠竹は、猪も嫌うと言われている。本当にどうしようも無い。似た物に、這松こぎと、石楠花こぎと、その二種混合状態が有る。そのひどさを、ご承知の方居ますよね?その上キスリングを背負っていたんだから、苦難は倍加(いや、三倍位かな)するのだ。此処は一つご勘弁下さい。
 翌日凍りついた沢を行き、廃道と化した自然歩道巻き道に、懸垂同様に這い上がった。昔で良かった、今なら懸垂は無理だ、荷物も有るし……。 (丹沢の東海道自然歩道は登山です その二へ続く)

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