2008年12月14日日曜日

三度も挑戦した変な沢 その二

FH000065

 いやあ、病は気からと言うのは本当だ!私の友人Kは越前の春山で滑落し、足首を複雑骨折しても、雪の急斜面を必死で歩 いて(と言うより這って)、安全な所へ移動し、其処で動けなくなった。生きたいという本能はあらゆるものを超越する。この駄 文を読んでいる限りは、覚えの有る人もきっといるでしょう。
 そのKは足首に障害が残ったが(遭難した時同行してた地元山岳会の諸君は死んだと思ったそうで、生きているのが不思議な奴だ)、山に一緒に登ると私なんかより速い(何、私より速いのは当然だって?)。とっとと登る。健常者より達者な障害 者???
 で、その時は左の尾根に逃げたけど、足元はガチガチに凍り、藪と棘は猛烈。小さなキスリングが棘で割かれた。キスリン グって知ってます?大きな横長の綿布製袋型ザックで、一寸とやそっとで破れる代物ではない。当時の西丹沢の藪は手強 かったのです。
 大室山に立った時、余りの青空と山々の雪の白さにすっかり喜んで、良し行くぞと桧洞丸にも登ってしまった。今はとても駄 目、考えただけでも疲れがどっと出てしまう。大室山だけでもう十分満足だ。
 さて平成の御世、Y,Mと椿沢に再挑戦。沢に入ったは良いが辺りは植林ばかり、何だ、どうしたと、うろうろしているうちに 本流を外し、踏み込んだ枝沢は見る見る消えて尾根に取っ付き、ガサガサやっているうちに登山道に出てしまい再度失敗。 あー、俺は何やってんだ、とつくづく悲しい。
 数年後別メンバーと挑戦、ナーバスに本流を詰め(私はひどくアバウトな奴なんで、ナーバスになって、どうにか普通の人 並みなんです)、やっと沢を詰めて大室山に辿り着いたです。何年かけてんだかね。自分にお馬鹿さんと言ってやりたい。お 馬鹿さん♪(え、甘いって?良いの!少し位)
 三度も挑戦した沢はここだけなので(後に出て来る芝倉沢は三度挑戦しているが、元々間違っていたので除く)、つい拘っ てしまった。椿沢、危ない所が無いのは良いけど風が通らないので、苔むした沢だ。苔は風が吹かない所を好む。水無沢の ひごの沢もそう。いや、暑い時は鬱陶しいです。でも晩秋や春未だ浅い時期には良いかな。
 やっと着いた大室山は立派な山で、西丹沢の盟主の名に背かない、従って別に項を立てる事にしよう。お楽しみに。
 思い出話で、済みません。この先もずーっとこんな調子で行くんだけれど、ま、おやじだから許してやって下さい。

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