2008年12月12日金曜日

三度も挑戦した変な沢 その一

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突然ですが椿沢。三度挑戦(?)してやっと詰める事ができた、万歳!失礼、突然沢の話になってしまった。それも変にマイナーな沢だ。
 断る迄もないとは思うけど、万が一山に慣れない方が真似をしたらとても困るので、申し述べます。未経験者は決して沢に入ってはいけない!!これは丹沢に限らない、山歩きの鉄則だ。沢登りをしたければ経験者に教わり、しっかりと経験を積む必要が有る。路の無い尾根を歩くのも同じで、経験のない方、および良い子の皆さんは決してこの本の真似をしてはならない!
 ……これで良いかな。何かあっても、訴訟は受け付けませんよ。
 古い話で御免。喝采という曲がレコード大賞を取った年に、道志村竹之本に泊まり、椿沢から大室山を目指したのです。出発は大晦日です。大月から都留へ出て、其処から本数の少ないバスに乗って、峠を越えて行くのだ。当時は竹之本に入るのは、それだけで旅行みたいなものだった。何処でも、喝采が流れていた。喝采の旅です。
 一、二年前迄はランプの宿だったらしいが、その時には既に電気が通っていた。一寸と残念。多分大サービスだったのだろう。夕食はステーキだった。ショックだ、私は偏食で肉が食べられない。結婚間も無い頃、妻は私の肉嫌いは食わず嫌いではと疑い、鶏を白身の魚と偽ってフライにし、食膳に出したのだった。勿論私は疑いもせず、パクパクと食べていたが、突然の吐き気に襲われ、席を立つや否や庭に吐いてしまった。それ以来、妻公認の肉嫌いなのである、えっへん。
 詰まらない事で威張ってないで話を竹之本に戻しましょう。うっ……。ステーキを二口位は頑張ったが戻しかけ諦めた。結局おかずは漬物だけ。う、う……。私的には岩魚か山菜が良いのに、マスでも良い。無残だ。女中さんは殆ど残っているステーキを見て唖然としていた。御免なさいね。
 どうでも良い話はどうでも良いですね。
 当然ながら翌朝は元旦、しかも快晴、やったーとはこの事。腹は減ってるが元気は一杯、椿沢入り口から凍りついた沢に踏み込んだ。路は無いし(当時は黒い破線が有ってそれを行く心算だった)踏み跡は雪に隠されている。何とか進む程に、腹が渋り出した。昨日の肉が合わなかった?便意が物凄く募って、もう限界、どこかで、と探すと、眼前に壁が現れた。薄っすらと雪を覆った壁。
 必死に地形を地図と照合する。便意は、知らぬ間に引っ込んでいた。   (三度も挑戦した変な沢 その二へ続く

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