2008年12月17日水曜日

ガレと草鞋の銀座歩き その一

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 大倉尾根の次は表尾根。決まりものなのにトチ狂って椿沢へ飛んでしまった。(しかも飛んでも無くマイナー、何処じゃい其処は!の世界)済みません。(ぺこり)
 丹沢の表銀座は表尾根。丹沢のポスターは時代を超え時を超え、三ノ塔より見た表尾根が定番なのだ。疑う方は小田急電鉄に問い合わせて下さい。
 最近はヤビツ峠迄バスが入る。登山者が増えて来たのだ。でも、蓑毛から登るが少し前迄のルート。バスが行かなかったので仕方無く、柏木林道をせっせと登ったのだ。私が高校生の頃迄、蓑毛からヤビツ峠は木馬道(きんまみち)だった。横に丸太を並べ、材木を滑らせる道である。最早知ってる人も少なくなっただろう。
 その頃は休日ごとに満員のバスが峠へ向かった。小田急も深夜登山電車を走らせていた。沢登りの諸君はザイルを肩に、女物の下駄を突っかけて歩く。考えてみれば変な時代だったなあ。山賊も出たってさ。
 表尾根でも、三ノ塔迄はただ登るしかないが、大倉尾根を登るよりは遥かに増しで有る。標高差が少ないし、多少は変化が有るし、二ノ塔を越えて、三ノ塔に登り着くと世の中が変わるのだ。一気に視界が開け、思わず叫びたくなる。これも個人差が有るのは勿論だ。
 私の見るところこれは性差が大きい。男達は開けた景色を見ても黙っている。ただ座ってハーハーいってる。かく言う私もそうだ。ところが女性は違う、全然違う!女性は人類とは違うという説に、うっかり頷くところだ。(勿論、頷いたりはしません!)
 女性は、わー、とか、見て見て綺麗!とか感動をあらわにする。それを見ているだけの私も、何だか一緒に嬉しくなってしまう。人の感動する姿は、良いものだ。それに比べ男の登山者は本当に詰まらない。
 でもですよ、冷静に考えれば、おじさん達が口々に、綺麗わー!とか、すっげー!とか叫んだら、凄く嫌で、うるさくて堪らない。背を向けて、とっとと山を降りるしかない。男は無口が似合うというのは間違えている。是非山では、男は無口でいて欲しい、が正しいと思えてしまう。
 話は戻る。あっちこっち行っちゃうのが、この文章の特徴なんです。悪しからず。
 三ノ塔の下りも楽になった。下りながら見ると、左は大ガレにガレ落ちている。七年程前そこを這い登って登山道に上がった事がある。両手両足で崩れるザレを押さえつけ、必死の形相(多分。自分では自分の顔を見れないので)で一気に四輪駆動で登りきったが、改めて見下ろすと、よくこんな所を登ったものだと、愕然とする。
 え、ばれましたか?ばれれば仕方がない、そうです、自慢しているんです。外に自慢する事がないからなんです……。子供が「おいらは、あの毛の抜けた病気の猫をなぜたんだぜ、えっへん」と言っているのと同じ水準なので、ここは見逃してやって下さい。(ぺこり) (ガレと草鞋の銀座歩き その二へ続く)   

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