2008年12月23日火曜日

閑話 その一

 イラスト17

 これから時々本文に挿入される“閑話”と称する文章は、無駄話(閑話。え、知ってるって?失礼しました!)というより馬鹿話の方が内容的に近いと思われるが、一寸と気取って“閑話”とします。
 “三度も挑戦した変な沢”でMが登場するけど、セリフもアクションも何も無く、しかも二度と登場しないのです。丸でエキストラの通行人、そのくせ役名が有る、何それ?それではあんまりなので、此処で紹介しておきましょう。
 Mとは椿沢の他に、本谷を詰めて蛭、雪道をせっせと蛭、金山谷から檜洞と何度か一緒に登っている。全て泊まり掛けの山行だ。 細身だが身長は有る。180cmを越える。筋肉は確りしていて、重いザックも平気の平左。手足が長いので、沢でも高いホールドに易々と手が届く。何と立派な登山者だ!と言いたいけど、弱点が有る、それも飛び切り致命的だ。
 登りは良い。バリバリ登る。下りがいけない。下り始めて五分もすると膝が痛いと言い 始める。三十分もすると、泣き始める。それも子供の様に、エーンエーンと泣き叫ぶ(本当の話です)。良い歳した大人が手放しで泣き叫びながら下っている。異様だ。見せて上げたい。見たくないって?当然だ!
 本人は凄く痛くて痛くて、辛くて、泣くのだろう。それは勿論分かってます。で、一時間以上も経つともう歩けなくなり、尻をついてズルズルと下る。とても時間が掛かり困る。 でも私にはどうする事もできない。背負えないし。それが毎回、山行の度に行われる定例行事なのだ。可哀そうにも程が有る。良く何度も山に来たM君よ!君は偉い、懲りると言う事を知らない!(詰まり阿保?そんな事、口に出しては言ってません!)
 膝に故障が有るのかと、Mの友人の接骨医に診て貰ったら、異常無し。歩き方が下手で膝に途轍も無く負担を掛けるので痛むとの診断。何だ、歩くのが下手だったんだ。
 房総九十九里浜の人間だからアップダウンには慣れていないのだろう。房総九十九里浜の人間だから人目も憚らず泣き叫ぶのだろう。(え、房総九十九里浜の人間って皆そうなのかい?違います!って文章は自己撞着、矛盾ですなあ)
 Mは山では泣き叫ぶが、偉く親孝行な好中年なのだ。両親の介護をし、最後迄面倒を見て確り送り出しました(お父さんです)。中々出来ない。仕事の合間に家に立ち寄り食事から下(しも)の世話迄したのだから。山で泣く位何さ。人としては立派と充分認めています。
 そのMが、歩き方が上手くなった、と言って来た。フフン試せば一発。是非試そうと思うので、M君、一緒に又山に行こうよ!でも、お願いだから泣かないでね。私が苛めてると思われるでしょうが。全然苛めてなんて無いもんねー。(本当) これがMの紹介です。若しMが山に行ったとしたら、その結果は又報告したいと思います。お楽しみに。

0 件のコメント: