2011年1月27日木曜日

ああ、空よ その四


 ボーボーシューシューと燃え続け、私達は今爆発するかと、恐怖に打ち震えているうちに燃え尽きた。ホエブスは真っ黒になっていた。ご無事で何より。
 空の話でした。

 天幕生活でも小屋泊まりでも、用意を全て
整えてやる事が無くなれれば、いそいそと缶チューハイかビールを持って表へ出て、景色を見ながら、飲む。

 それは、空と雲を見ていたのかも知れない。

 雲が下に有る時もあります。前に触れた、妻と雨の中、木曾駒に登った時、その侭宝剣を越えて極楽平で休んだのだった。雨は上がっていた。明るくなりガスの切れる気配があったので、一寸と待ったら、晴れた。やった、雲海だ!空は、さっき迄とは打って変わって、真っ青。初めての雲海に接して妻は大喜びだ。
 天気が良くても悪くても、決っして私のせい
ではないのだが、何だか面目を施したような気分である。えっへん。
 雲海の彼方には、南アの峰々が連なってい
る。出発を見合わせ、コーヒーを沸かして、ゆっくりと景観を楽しんだ。思いがけぬ落とし穴が有った。足元の雲海は雪のように日光を反射する。おまけに日光は真っ向から降り注いでいる。妻はスッピンであった。
 妻を見て驚いた。僅か三十分位で、狸のよ
うに黒くなってしまったのだ。そして、その時を境に、日に焼けるとシミが残るように、なってしまった。若くは無いという事ですなあ。嘆き悲しむ妻の姿は、とても気の毒でした。
 滝雲も見事である。蛭ヶ岳で条件が良いと、
見る事ある。南面を埋めた雲海が、神ノ川乗越から落ちるのだ。ビールのつまみには贅沢過ぎます!
 夏の入道雲も壮観だ。雲の中に稲光が煌く。
おー、やってるやってる、と喜んで見ているのだが、その中にいると大変だ。叩きつけるような雨を食らってしまい、周りで稲妻が光る。前章で触れた通り、夏は、午後には必ず来ると思っていた方が良い。午後二時前で行動を終えるのが、セオリーだ。
 そんな時は、矢張りテントより小屋の方が
快適なのは当然だ。窓から雨シブキに煙る景色を楽しめる。テントの中では、唯雨が止むのを待つしかない。
 珍しくも、冬山で雷の中にいた事がある。
前述の、空木岳への途中で、カモシカがいた場所に幕営した時である。翌日、好天のうちに空木をピストンし、二泊目を迎えた。夜半より風が強まり、バラバラと天幕を叩かれた。大粒の霰(アラレ)だった。バラバラがザーに変わり、風で天幕が揺すられる。横でピカッと光った。体が強張った。相当ヤバい。音はどうだっただろう?風とザーの方が大きくて、印象に残っていない。強いて表現すれば、バチッか、ジーだろう。
 (ああ、空よ その五へ続く)

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

霧島連山の新燃岳が2500mの噴煙を上げました。幸い死人は出ていませんが、アキバでは「萌え」系が悦んでます

ケン様にダーウィニストの称号を戴いた悪戯っ子は考えます
概ね耳の立っている犬は凶暴である(先ずドッグラバーさんのシェパード:秋田、土佐、柴やドーベルマン、ついでにヒステリーのスピッツ)。日本の犬は一人のボスを決めるとボスの家族を無視するので柴犬が、3~5頭もいれば狩が出来ます
そして耳が垂れている犬の脳内にはアドレナリンが多い(事実なのです。セッター、ポインター、ダックスフントに象のダンボ?)のです

馬の場合は嫌がっているときは耳が後向きになり、前足でゴリゴリと意思表示をする。機嫌良く走っているときには耳は前向きで、乗手との融合あるいは信頼関係を教えてくれる。記憶力も良く、5年振りの馬でも覚えていてくれるのだ。勿論、犬も欲覚えていて呉ますけれど
馬が人の肩や二の腕、臑(違うかな?)などを囓りますがそれは愛情表現(少し痛い)なのであります

人間は腕を組むとアドレナリンが瞬時に発生して悪魔的な考えや嬉しいことを想い出したりする(本当です)。人を指させば、残りの三輸指は自分に邪気を飛ばすことになるのです。活花、茶道などで手のひらを人に見せずに居るのは、同席した方々の気を知る(吸取る)ためなのです
合気道には、「気」を信じる流派と「技」だけが頼りとする人達に二分されますが「気」派の人に尋ねれば悪戯っ子の弁も擁護(多分:It's haven xxxxx:空耳ですがxxxxxに言を入れれば使える事を見つけました)されるでしょう

余談ですが、バックレルも英語から来たらしいのです。Back load? Reel’s or real with) ま、判れば良いのですよね

悪戯っ子(デラシネ) さんのコメント...

ビイルのつまみが雲海とは
贅沢過ぎます。綿飴にして下さい

霰は甘い奴を持っていけば、もう一つのピークに到達可かも・・・

前にも記したと思いますが雪は口にするとざらついていますが、樹氷の氷はとっても美味しいのです。

八方尾根でボルシチのあとコーヒーの砂糖をパクッて樹氷の氷をムシャムシャしてました

悪戯っ子(デラシネ) さんのコメント...

ケン様主催のツイン・ゴールデン・パーティーが、祖師谷はウルトラマン通のクラブ・ダンシング・フラワーにて今夜、開催。ブラック・プールは無いのですがね

いつかドッグラバーさんにも来てみてはと、思いますが如何でしょうか?
ところで小生、栂池は成城学園の山小屋に一泊させて貰った事があります。何という道具か名前(ドイツ語かと思います)は忘れましたが、自転車の車輪の替りにスキーの板が付いていて、ご機嫌な乗物です
2台もあり、友人と2時間ぐらい担いだり押上げたりして居たら、春なのに遠くに黒い雲が出てきたので「降りようか?」
自分としては「やり過ごせば未だ登れる」と思っていたら、あっとゆうまに雲に覆われて、5mm大の雹・・・ 痛いのなんのって、灌木に頭を突っ込んで凌ぎました

馬鹿さ故も程々にしないと、こうなると云う見本みたいな者でした

kenzaburou さんのコメント...

はっはっはっは、愚ログが悪戯っ子さんに占拠された。

題を「悪戯っ子が行く」にかえましょうか?

5mmの霰は、痛かったでしょう。バチバチ当って来るから、顔は上げられないですよね。

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

住んでいるところが大陸なので 夏でもよくヒョウが降ります。先日も メルボルンの洪水で苦しんでいる町で朝方 ヒョウが降り家の屋根や車に被害が出ました。ヒョウの大きさも こぶし大の大きさという可愛げのないものです。死者が出ないのが不思議なくらいです。
2-3年前 シドニーも 天気だったのに急に パラパラではなくて、ドカドカというものすごい音で 直径3-4センチのヒョウが落ちてきて、古い家々の屋根が壊れ 沢山の車がでこぼこになりました。そのときは あわててスーパーの駐車場に車を入れましたが 怖かったですー!フロントグラスの割れた車も見ました。
ヒョウの被害では保険が出ないのです。今回 洪水で家が浸水被害が出た家も、洪水保険に入っているのに、川が決壊して洪水になったので保険扱いにならない家がたくさんあって、みな怒っています。

kenzaburou さんのコメント...

Doglover Akiko さん

被害に会った方にはお気の毒です。

あたしゃあ職業には貴賎が有ると思って居ます。保険屋なんざ賎業です、銀行もです。