2011年1月6日木曜日

閑話 その六十三



 幕営で雨降りの時は辛い。理由は馬鹿馬鹿しいのだが、あたしはフライを着けるのが面倒なので、テントを買うとフライは棄てて仕舞うのだ。良く考えれば、アホじゃ!!
 昔はフライを着けるのが、結構手間だった。
でも、今は凄く簡単になって居るのだから、使えば良いじゃないのさあ。
 それに、今のテントは出入り口が斜面に有
るので、出入りの度に雨がテント内へ降り掛かる。土砂降りなら、表には出られない。
 昔のタイプは、横の垂直な面に出入り口が
有ったので、雨でも風向きさえ間違えなければ、出入りに苦労は無かったのだ。
 こんな絵に描いた様なアホになった原因を
思い出して見た。
 一つは不精なので、フライが面倒だった事。

 一つはテントの材質がテトロン、ナイロン、
ゴアと向上して来た事。これには説明が必要ですね。
 昔々々のテントは綿布だった。雨に降られ
るとたっぷりと水を含んで、重く垂れ下がって来る。さて、中の人間は細心の注意を要求される。そんな状態の綿布には、決っして内側から触れてはいけない。
 うっかり触れれば、其の場所からポタリポ
タリと水が落ちて来るのだ。皆じっとして居て雨音を聞いて居る訳では無い。炊事をしたり片づけをしたり、結構忙しく動いて居る。
 従って、頭や肩や背中や手や、何かの拍子
にテントを擦っちまうんだな、此れがさあ。すると、てき面に雨漏りとなるので、とても困る。で、ただでさえ思いテントにフライ迄着けたのだ。
 フライの内側は触れられない。従って雨漏
りも無い。でも、重い。
 それが素材の向上に依って、雨が漏らなく
なった。万歳!!じゃあ、フライは要らないや、と言う簡略な発想で有る。アホにしか出来ない思考なのだ、えっへん。
 此処の処、春の連休はYと上越に入る。当
然フライも無く、しかも小さい私のテント(2、3人用)はお呼びじゃ無く、Yの一回り大きくてフライも付いて居るテント(3、4人用)を使う。
 此れが優れものなのだ。ゴアでは無いが、
ゴアの必要性なんざ、これっぽちも無い。重くて迷惑なだけだ。
 何たって広い(比、私のテント)。悠々とテ
ント生活を送れる。ゴロゴロしても大丈夫。
 写真は其のYのテント、フライ付き。場所
は丹後山の肩近く。此の時はもう一パーティ(若いカップルだった)が登って来た。我々はテントを張って居る。
男性「良い所で張りますね」

私「ええ」

女性「本当に素敵な所!」

 彼等は丹後山迄頑張るのだろう。そう言う
拘りの無い我々は、此の天国の様な所で、一夜を過ごすのです。

4 件のコメント:

doglover akiko さんのコメント...

本当に良いところにテントをはりましたねー。本当に素敵!!! こんな絶景を前にしてでは 何を食べても飲んでも 最高でしょう。

kenzaburou さんのコメント...

そうなんです、今迄張った中でも、五本の指には入るでしょう。

最高に美味しい酒が飲めます!

匿名 さんのコメント...

悪戯っ子は6人様テントで簡易ベッドが3っつに、3人だけの豪華な暮しを1ヶ月したことがあります。場所は沖縄の手前の与論島。キャンプ場はあり水道もトイレあったけど、臭いし蚊が多いので岬の天辺に幕営しました。岬から海に向けていけば割れ目があり其処はトイレとして使い、水は小高い丘の上のおばあさんの井戸から貰うという生活です。
当然、グランドシートがあり、柱が3本にフライシート付。周辺には排水用の溝とピットもキッチリと掘りました。お陰でザザ降りの雨でも快適なテント生活を謳歌しました。
インスタントラーメンを200食、白灯油のラジウスと夏休みなので大学の教科書、Nはキャンバスと絵の具と三脚に椅子。Sはウクレレと拾ってきた自転車を運んだのです。
岬の突端なので景色は良く、地元の漁師さんの網を一緒に引けば黒鯛の様な魚を呉れるのです。切れない包丁で三枚におろして食べる。美味でした。巻貝を捕まえて逆さ吊りにすると、やがてベローっと出てくるのを生で醤油で食べる。これも美味いの何のって・・・ ウニはNG、中身が空っぽで小生の頭のようでした。
貴重なパイプウニ(タバコのパイプに出来るほど針が太い)も直径50cm大の毒ウニもゴチャゴチャいましたね、ビックリしたのは巨大なウツボがカラフルなのです。
おまけに我々はなんと、14フィートのセールボート(ファイバープラスティックのハルにガフリグ)も持込んだのです。地元の漁師さんは手こぎのテンダー(箱船)なのに我々が風でスイスイ海を走るのを見て吃驚してました。やがて漁師さんとも仲良くなり名前を聞いたら「植村高橋、娘は何とか姫、息子は何とかの王」。こんな氏字は法改正で無理矢理つけたせいなのです。
与論島には王様が居て未だに直系の子孫は敬われています。沖之永良部にも王様が居たのです。
さて帰りにインスタントラーメンやら余った食料を、お世話になった井戸のお婆ちゃんに御礼に上げたら、「あんたらこれをまた取りに来ることになるよ」と・・・
台風が近づいていていたのです。予言どおりに風が強くなり始めたので森の中にテントを移動して太い木にロープを渡して補強しました。万全の構えです。
しかし夜になり、瞬間最大風速70mの巨大台風が沖合数キロを通過したのです。補強で繋いだ木も折れ、3人で3本の柱を支えるのがやっとの状況・・・
朝に成り皆、水中眼鏡(顔に当る砂の痛いの痛くないのって半端じゃ有りません)をつけて砂浜を漁師さんの家まで這っていった時にはみんなへとへとでお腹がすいてました。
しかし、漁師さん家の釜は外にあり濡れちゃってて調理不能。悪戯っ子は単独でラジウスを取りに行きお婆ちゃんから返して貰ったインスタントラーメンをみんなで食べました。その時の漁師の高橋おじさんのラジウスを見つめる目は、まるで魔法のランプを見るような感じでした。
最後にセールボートは漁師さんに、自転車は子供に上げてきたのですが、船便が欠航して待たされたため手元不如意。鹿児島経由で晴海まで来たときにはコーラ1本を3人で呑むというハメになり電車賃すら無いという状況・・・
で、タクシーに乗り着払で帰る羽目と相成りました。

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

若き日々は遠い思い出で、その癖鮮烈に残っている部分も有りで、面白いものです。
大体、ひどい目、危険な目、困った事にあった出来事が鮮明ですね。

御互い、鮮明な思い出の多さを喜びましょう(?)。