雨や雪や霰や槍の降る日、或いはガスッた日は除く。空も雲も見えないから。特に槍の降る日はヤバイので気を付けよう。
山を歩いていて、わっ、景色が良いと、思わず思う(?)時は、色々状況は有るが、森林限界を超えた瞬間は間違い無く、それに該当する時だろう。丹沢は森林限界を超えないので、そこは残念だが、樹林が力一杯切れた場所だと思って下さい。遥かに続く山々、爽やかな(冬山ならどらー厳しい)風、今迄と世界がガラッと変わるのだ!わー、何やこれ、メッチャ綺麗わー!
最近分かったのだが、その感動には空の存在を絶対に欠かせないのだ。空は森林限界を超えなくても常に上には見えている。だから意識していないだけなのだ。と言うより、意識できないのだ。
曇天の時に、山々だけ見渡せる事がある。出会いの章で引用した、草野心平の
いきなり がっと 夕映えの富士
の世界だ。その感動は、山々と、すれすれの雨雲屏風のような、雲が創り出している。そう、空(或いは雲)が景観の大きな要素なのだ。
今頃分かったの?はい、そうです!私は本来とても美的センスに欠けるもので、非常に恥ずかしいし、我ながらこれで良いのか?と思ってはいます。でも無いものは無いので、等身大で生きるのみです……。
ふん、こうなりゃあ気付くだけ上等じゃんかさあ、と開き直るしかない。処で開きと言えば鯵で、相模湾の開きが最高!あ、済みません、全然違う話で、鯵の開きではなく空の話でした!
抜ける青空は素晴らしい。でも、漂う雲、高く彩る鰯雲、巻き雲、鱗雲が彩る空は、より味わいが深い。わーと湧いて来て、見る見る視界を奪うガスは嫌いだけど。何も見えなくなってジャンジャンって、とても嫌なのは皆さん同感に決まってます。
もっと嫌なのはレンズ雲なので、ご存知でしょうあのレンズ雲。あれを見ると、一気にに緊張しアドレナリンが体中を駆け巡る。経験のない貴方は選りすぐりの幸せ者です!
ヤバ、来ちまった、前線通過の前触れだ、さてどうやって逃げ切ろう、と忙しく考えながらも、取りあえず悠々と一服つけるのだ。慌てない為にも先ず一服とは、私の決め事なのだ。
え、時代遅れだ、健康に悪いって?放っといてよ、健康よりも目前の危機の突破が大事なの、特に山の中でヤバイ時は!疑う人は、私と山を歩こうよ、ひょっとすると分かってくれるかも。ヤバイ局面が無ければ幸せなんだけど、煙草の効用は分からないので、私に取っては痛し痒しで一寸と不服。あ、脱線した、話を戻そう。
(ああ、空よ その二へ続く)
4 件のコメント:
いきなり がっと 夕映えの富士
悪戯っ子は湘南の海で富士山が見えたら近くの港に避難します。視界良好は強風の予兆なのです
板子一枚下は地獄か竜宮城なので一度覗いてみたいのですが、その勇気は在りません。
岬、街、灯火、酒場を交えれば演歌になります。ああ、空よ~~って歌は誰が歌ったのか忘れましたが、もしかして森山良子ちゃんかなぁ
確かに山でも、視界良好=強風 は成立しますなあ。特に冬です。
有りました、空よ~、って歌。誰でしたっけ、森山良子ではなかった様な…。
素晴らしい芸術写真ですね。
部屋に飾りたいです。
そうですね。日本の山の景観の良さは、空と雲の多様さにあると思います。雲の種類の多様さと季節によって微妙に変化する雲のありかたは、日本の自然の独特のものでしょう。
次の写真は レンズ雲というのですね。美しいのに 雨を運んでくる無慈悲な女神。
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