犬越路から一時間半弱、ひたすら登ると、ポンと大室山へ着いて仕舞うのだから、何と良い話じゃ御座いませんか。あそこが頂上かな、と何度も騙されガックリしないで済むのだから。
でも、或る程度の荷物を背負て、幕営か避難小屋で過ごすつもりの時は、結構きつい登りとなる。前どっかに書いたかな?ダブったら失礼。
雨の秋の日、濡れそぼった黄葉の中をザックを背に犬越路から大室山へ登ったが、そんな時には意外と辛い路で有る。檜洞から蛭を目指したかったのだが、天気はずーっと悪いと分かって居たので、蛭は止めて畦ヶ丸に行くと変更したのだ。
だって、雨の中苦労して、蛭に辿り着いても何も見えないし、唯濡れて苦労するだけなんで、じゃあ、畦ヶ丸が良いじゃないか、と決めたのだ。
え、普段は雨だろうと風だろうと関係無く丹沢は素晴らしいと言って居るのに、話が違うって?良いの、雨は畦ヶ丸の方が似合うのだから当然の判断なの!(勝手な言い分ですか?)
何時の話かと言うと、十年前位の事。うーん、ほぼ三日間共雨だった。其れは其れで、しっとりとした貴重な思い出になって居るのだ。何たって丹沢だもんね。無理してないかって?全然して無い。
大室山の様な樹林の山は、天気に関わらず風情が有る、と言う事は、天気が良くても展望が利く訳では無いし、ガスって居る方がかえって幽玄で楽しかったりするものだ。
だが、黄葉真っ盛りの時期は違う。全く違う。飽くまで私感だが、ガスの中の黄葉より、日を受けて煌く黄葉が遥かに美しい。我乍ら俗な感覚だとは自覚して居るが、晴天の黄葉の下を歩いて御覧なさい、きっと同意してくれる筈です。うん、新緑の頃もそうなんで、此れもお試し下さい。
椿沢の章で、最後は詰め上げたと書いたが、何せ相手は大室山で有る。と言っても分からないでしょうねえ、昨年初めの頃の章だから。お暇な方は、ご覧下さい。
で、流れが消えて、斜面に取っ付いてからの登りが長い。おまけに幕営具を背負って居るので重い上に、足元の悪い斜面が、やけに長いのだ。
YとSBが私に続いて居るが、直ぐに間隔が開く。私が振り返ると、二人は瞬間にぴたっと動きを止めて私を見る。
こっちは追いついて来るのを待つつもりで立ち止まったのに、二人はピタッと止まって私を見て居る。何考えてんだ、全く!ま、辛いのは分かるんだけど……。思わず笑ってしまった。
私「達磨さんが転んだじゃ無いんだ、止まらずに登るんだ!」
二人「……」
(達磨さんが転んだ その四へ続く)
2010年12月30日木曜日
達磨さんが転んだ その三
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
「犬越路から一時間半弱、ひたすら登ると、ポンと大室山へ着いて仕舞う」・・・其れぐらいなら小生も行けるかな?
「あそこが頂上かな、と何度も騙され」る経験はスキーを担いで色んな山に登った(過去形)ので判ります。
処で犬越路って「いぬごし」ですか、それとも「いぬごえ」ですか? 馬返しは神聖な場所だったり、急峻な山にもありそうですが、犬越えの坂は馬のより急ですよね。
先日までは銀杏並木の落葉で道路に絨毯を敷いたようになってましたので、悪戯っ子は紅葉も東京でチャンと楽しみましたよ。
いぬごえじ、と読みます。
武田信玄が犬を先頭にして峠を越し、相模に攻め入ったという伝説が、名の起こりです。
>「あそこが頂上かな、と何度も騙され」る経験はスキーを担いで色んな山に登った(過去形)ので判ります
本当にガックリ来ますよね!!
ここまできて、やっと「達磨さんが転んだ」という題名の意味がわかりました。ずーーーーーっと いつ 達磨のように荷物で身動きが出来ない方が、ものすごく激しく もう取り返しがつかないような「転び」方をするのかな、、、、と、ハラハラしながら読んでいました。ともかく転ばなくて良かったです。
Doglover Akiko さん
ご心配をお掛けしました。ご覧の通りの下らない話なので、ご安心下さい。
コメントを投稿