2010年12月5日日曜日

柄でも無い事 その二十六


 唐津に行った関東人は、少ないと思う。
 あたしが思ってるだけだから、本当かどうかは分からない。
 食器類を東日本では瀬戸物と言い、西日本では唐津物と言うそうだ。前は知らなかった。瀬戸物すら、瀬戸内海のどっかで造ってんだろうな、と思って居たのだから、馬鹿みたいでしょう?ひょっとすると、貴方もそうなんじゃないですか?
 瀬戸物の瀬戸は、愛知県の瀬戸なのだ。前に万博が開催された所。え、知ってる?失礼しました。
 唐津の焼き物は歴史も有るし、素晴らしい物だとは、本で見て知って居た。知って居たは間違いで、知って居ると思って居た、が正確だろう。
 博多で唐津焼の展示会を見たら、本の写真の通りなんで、すっげー!とショックを受けただよ。何だか分からん。本の通りでショックを受けて居たら、此の世で暮らして行くのは辛いだろうよ。
 其の通りなんだけど、写真の通りでショックを受けたのはまっこと事実なのだ。思うに、色艶だろう。其れは外の焼き物とは違うのか、と問われりゃあ凄く困るのだが、唐津だけにショックを受けたのは事実だ。
 何なんだろうね。美濃だろうと、備前、常滑、丹波、瀬戸、加賀、有田、
etc. 写真と同じで(勿論同じだ)ショックを受けた事なぞ無い。全く謎だ。
 謎は人生には付き物、場合に依っては生きる上のスパイスなので、さらっと流しましょう(え、自分で引っ張ったんだって?……そうだね)。
 唐津は便利になった。博多から、地下鉄を使ってJRに乗り換えれば、一時間半位で行けるのだ!其の前の事は知らないし知りたくも無いって?尤もです。
 出張の時に足を伸ばした。駅の周りを歩けば焼き物店はたっぷり有る。唐津焼は売りが多い。絵唐津、斑唐津、朝鮮唐津、三島唐津、粉引唐津。それぞれが魅力的なのだ。予算が限られたあたしゃあ、とても困る。
 全種類が欲しいのだが、払うべき金子が無いのだから、かっぱらって全力で逃げるしか無い。追い付かれて臭い飯、おまけに会社は馘首じゃああんまりなので、選ぶしか無い。
 瀬戸(含、美濃焼)は、志野、黄瀬戸、織部、それに引き出し黒位かな。四択だから、思えば楽だ。唐津は五択、余り違いは無かったですなあ。はっはっはっは。
 唐津焼も、使うにつれて味が出る。上手く行けば綺麗に貫入が出てくれる。あたしは其処迄使い込んで無いので、貫入にはお眼に掛かって無い。貫入が入った頃の器は、最高の味わいになっているのだが、好事魔多し、やがて割れる時期が、来て居るのだ。
 写真は安物の絵唐津。散々迷って唐津で買った物なので、出して仕舞ったのです(汗)。

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