2010年3月17日水曜日

あー、思い出したくない! その一

DH000015

 

 

 年に一度位、思い出したくも無い事を思い出し、わー!と叫んでしまうのは私だけ?否、皆さん似た様なもんだろうと、勝手に思って居る。
里の出来事は外しておいて、山での思い出したくも無い事を、思い出して見よう。あー嫌だ!!でも書き出しちまったんだ、行くんだ!……はい。
 謝る相手が有る事は良い。詰まり、山仲間に掛けた迷惑はどうでも良い。あの時は済まなかったなあ、はははは、で済む。え、済まないって?お互い様だ!
 困るのは、見ず知らずの人に掛けた迷惑。今更謝り直すすべも無い。心の底に、恥となって澱んで居る。いっそ明るみに引き出してさっぱりしちまおうって訳です。
 半分やけくそで書く。昔々前、巻機山から丹後山へ縦走した。路は無いから勿論春で有る。清水の部落から巻機山へは、中々の賑わいだ。登山者より、山スキーの諸君の方が多い位に感じられる。山スキーのメッカの一つで有る。
 好天に恵まれ、汗を垂らして腐った雪を踏んで来たが、山頂に立った瞬間、にわかに曇って冷たい風が吹き付けて来た。何、慣れっこさ、ふん、上等じゃんかさあ。
 雪は見る見るガチガチになる。景色を楽しむ暇も無い。雨具を着け乍ら、進む方角だけは確り見極める。幸い足跡が腐り雪(今は凍ってしまったが)のお陰ではっきりと付いて居た。一パーティは入って居るぞ、ラッキー、此れで視界が閉ざされても足跡を追えば、尾根は外さないで済むのだ。此れから大分下って、鞍部で幕営なのだから。
 略下り切って、雪のうねりが風を避ける絶好の場所が有り、しめしめとほくそ笑んでテントを張って居ると、ガスの中から単独行者が現れた。彼も足跡を頼りに下って来たのだ。私は四十代初め、彼は油の乗り切った三十代、見るからに山馴れた青年だ。以下青年と呼ぶ。
青年「トレースが有って助かりました。此処は良い場所ですね」
私「そこいらに張ったらどうです」
 単独同士、口数は少なくても必要な情報は簡潔に交換する。青年も私のテントの傍に張る。風は吹きまくるが、何か心強いものだ。
 翌朝は天候回復、遠く前方斜面に先行パーティのテントが見える。丹後山迄は距離が有る、大急ぎで食事を済ませ撤収、出発する時には青年も撤収中だった。
 此の日の此の山域は、三パーティが独占したのだ。視界が利くので心配は無い。私と青年は前後し乍ら進み、先行パーティを抜いた。七人の学生パーティだった。
 覚悟はして居たがロングコースだ。天気が良いので雪が団子になる。ま、ガスってガチガチよりかは何ぼ良いか。でも、ズブズブと足を取られると、結構苦労で歩が捗らない。

3 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

質問:1、このような雪の稜線を歩く時、全面トリコニーのある山靴ならば、そのままで歩けるものなのですか? 滑り止めは要らないのですか。
2、滑走しないように、一歩一歩 ピッケルを杖代わりにして歩くのですか?
3、山スキーは、普通のスキー板よりも短い板のものが 特別にあるのですか?
4、かんじきも使いますか?

kenzaburou さんのコメント...

気象条件によります。雪が硬く締まった急斜面では、アイゼンを着けなければ歩けません。天気が良ければ、雪が腐って、靴でOKです。

傾斜によっては、そうせざるを得ません。

短めで、登山靴にも装着できる、山用が有ります。

かんじきは、普通は春には使用しません。

以上、一般論でして、例外も有ると思われます。

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

なるほど。なるほど。
ありがとうございました。これで、ちょっと、雪山を歩いたことがなくても、イメージがわいてきました。