2010年3月9日火曜日

閑話 その四十五

イラスト2

 

 登山の装備は山程有るのだが、特に便利な物を上げて見よう。
 プロフィールのイラストをあえてもって来のは、被って居るタオルの話から始める為。
 タオルは欠かせない必需品だ。頭に被せて帽子になる。十年前迄は其のスタイルだった。汗を拭くのは勿論、朝、顔を擦って目を醒まし、着替えに巻いて枕にもする。
 テントで水をこぼせば、吸い取って表で絞る。寒い時は首に巻いてマフラーとし、足が汚ければ、拭き取れば良い。
 何とも物凄く不潔ですなあ。しかしです、何でも間に合わしちゃおう、と言う無精者の面目躍如、タオル無しでは夜も明けない!いや、山には行けない!!
 何たって軽くて嵩張らず、多機能を持つ夢の(?)道具なのだ。
 次には軍手。藪の友、ガレの友、ザレの友、寒さも凌げる有能な友達なのだ。ゴム引きのが有るが、あれは駄目で、熱い物を扱うと熱が伝わるし、岩角なぞのホールドを探る微妙な感覚が鈍ってしまうので、確りした木綿製が一番だ。
 Yは軍手無しでは暮らせない。軍手で汗を拭く、洟を拭く。寒い山では常に水っ洟が流れる。或いは鼻の中に溜まって居る。鬱陶しいんだ此れがさ!幾ら啜っても駄目で、諦めてズーズー言い乍ら歩くのだ。
 Yは水っ洟も軍手で処理し、同時に顔も拭う。これまた物凄く不潔ですなあ。あたしのタオルより格上だ。因みにあたしゃあY程不潔な使い方はして居ない(え、五十歩百歩だって?)。
  でも、歩いて居る時は手を上げるのすら嫌なのだから、軍手一つで何でも済むなら、綺麗も汚いも無いので、仕方無いの一言だ。
 もし貴方が、Yと一緒に山に行としたら、彼の軍手には触らない方が良いと思います。老婆心乍ら。
 そしてロールペーパー。Nは魔法の紙と呼んで居た。コヘルの底の雫を拭く、使用した食器を拭く(冬、春は食器を洗わない)、水っ洟を拭く、何と便利だ!おまけにケツ……、止めよう。
 うーん、書けば書く程山の生活が不潔に見えて来る。確かに其の面は有る。流れの脇に幕営しない限り、町の様な生活は出来ない。
 何日も歯も磨かず、顔も洗わず、風呂にも入らず、服は着っ放し、冬なら水っ洟を垂らして暮らし、夏なら汗まみれの侭で居るのだから、清潔とは縁が無いのだ、えっへん。
 環境が清潔で、美しく、壮大で、清清しいのだ。だから、自分の不潔は意識に上らない。人の不潔も意識に上らない。非常に幸せな事だと思う。
 便利な物の話だった。付け加えれば新聞紙。炊事の敷物には欠かせない。水も吸うのだ。
 タオル、軍手、ロールペーパー、新聞紙、一体何だってんだ。相変わらずお粗末でした。

7 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

山行の装備:タオル、軍手、ロールペイパー 新聞紙 だけなら、お金がかからなくて良いなー、、、と 気軽に山を始められると思ったら とんでもなくて、山靴とキスリングとピッケルで、1-2ヶ月の給料がとぶ ではありませんか!!! それにテント、コッヘル、ザイル、カラビナ、良いカメラ!!!

悪戯っ子 さんのコメント...

オーストラリアはビール二本までOKだったんですか。知らないとは云え残念なことをしました、
因みにパリのタクシードライバーはビール換算で1リットル分のワインを飲んでも良いそうです。
私には無理ですけどね。

kenzaburou さんのコメント...

Doglover Akiko さん
はっはっは、あたしが言うような事を言ってますよ。
団塊の世代は同じような発想をするんでしょうかね。

タオル、軍手、ロールペイパー 新聞紙 それにスニーカーから始める山も有っても良いなあ、と思いますけど、苦労はするでしょう、はっはっは。

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子 さん
無理とは思えないのですが。

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

KENZABUROUさん
苦労はするでしょう。はっはっは、、、。苦労するでしょうね。ほんとうに、、、。、、、。、、、。

悪戯っこさん
あ、ワイン リッターで、飲んで運転 わたしは それくらい全然 ぜーんぜん問題ありませんから、ご一緒させていただいた時は どうぞ すすめるのを遠慮しないでください。

チンクちっく さんのコメント...

地球の歩き方に書いてある旅行のコツととても良く似ていますね。
山男は、旅先でも困らないですね。

知人から便座シートのない洋式トイレの使い方をレクチャーしてもらいました。

みんな苦労してますよね。
現地の人にはなんでもないことなのでしょうけど。

kenzaburou さんのコメント...

チンクちっく さん

地球の歩き方は読んだ事が無いのですが、コツが似ているのはとても良く分かります。

山登りも結局は、不便な場所での生活術が、大きい比率を占めるのです。

確かに登山者は、サバイバル系には強いでしょう。