2009年6月7日日曜日

休題 その十六

店 025

 

 戦(いくさ)で補給を絶たれた時は負け、古今東西を問わず鉄則で有る。
 諸葛孔明が何度も魏の司馬仲達(“い”が変換不能、略します)との決戦を試みたが、常に補給に苦しんでいたのは、演義の文中にも其れと明らかに読み取れる。苦し紛れに木牛木馬迄登場させて居る。
 ベトナム戦争を北ベトナムが闘い抜く事が出来たのは、中国からの補給が有り、其れを前線にラオス経由で送り続けたからで、其の為の苦労は言語に絶するものだろうが、兎に角補給は確保し得たのだ。従って最終勝利を得た。戦争とは補給の事でも有る。
 旧日本軍は、島嶼では勿論、ビルマでもニューギニアでも、フイリッピンでも、判で押した様に補給を断たれてから闘いが始まって居る。詰まり最早負けが決まってから、戦闘開始なのでとっくに勝負は着いていたのだ。
 もう負けて居る戦を戦い続けて死んで行った将兵は、どう思ったのだろう。
 島の玉砕の場合、記録に多く残って居るのは、必ず連合艦隊がやって来て敵を粉砕して呉れるから、何とかそれ迄頑張ろう、だ。でも其の連合艦隊の殆どは、海底に沈んで居るのだ。沈んだ艦隊は助けに来れない!奮闘決死努力、とても人間業とは思えない頑張りを見せた。
 偉いなんてあたしが言ったら叱られる。唯々頭を下げるしか無い。
 連合艦隊がやって来ると同じ位記録に残って居るのは、本土防衛の時間を稼ごう、だ。自分が頑張って敵を一人でも多く倒し、一日でも長く此の島を守れば其の分本土の準備が整う。其の時の本土とは、自分の故郷で有り、親で有り、兄弟で有り、或いは妻で有り子で有っただろう。
 野戦病院でも後方の病院でも、現役の若い兵はすっと息を引き取ったそうだ。「お母さん」と呟いて……。
 妻子持ちの兵は死に抵抗しつつ息を引き取ったそうだ。残される妻子の苦労を思えば死ねないのだ……。
 心から戦争は有ってならないと思う。平和団体の諸君とも社民党の諸君とも抱き合ってそう叫びたくなる(共産党の諸君とは嫌だね、自衛隊廃止を言い乍ら、赤軍創立、党を守る為の戦争は正義なんだから、ハッキリそう言えよ)。
 あたしは現実主義者だから、戦争は嫌だと叫んでも戦争は無くならないと思って居るのが平和団体の諸君や社民党の諸君との大きな違いかな。前述なので繰り返さない。
 此の章の趣旨は、日本が補給を断たれたら途端に負けでどっかの属国に成るしか無い。食料もエネルギーも全く自給出来ない、先進国随一の脆弱国家なんだから。補給確保の方策を考えよう!奴隷になりたくなけりゃさ。
 どの国が日本の補給を断つ、其れで何の得が有るかって?頭は考える為に有るので、帽子をかぶる為では無い。分かんないかなあ?

2 件のコメント:

ショートホープ さんのコメント...

日中、日露、日朝戦争は私らの存命中には到底起こりえない。

唯一起こりうるのは米中、もしくはその前哨戦としての米朝戦争で日本が巻き添えを喰らうってパターンだ。

食料等の物資の補給は超大国アメリカが海空より行うので大丈夫だが、日本本土は無傷では済まない。

とにかくまず実情に見合った憲法の改正が喫緊の課題。正々堂々戦力の保持を謳い、自衛のための軍事行動くらいはきちんと担保されなきゃならん。

核武装や空母はいらないが中国主要都市を射程に収められる通常弾頭の中距離ミサイルはあまねく配備されたい。自前の軍事偵察衛星も打ち上げておく必要がある。

電線の地中埋設にあわせて政令指定都市に一定規模の核シェルターも建造しておく必要もある。

夢のような話だが平和裏に北朝鮮という国が消滅、南と合併し統一民主主義国家・韓国になってくれること。それと台湾の完全独立ね。そうなりゃ私は万々歳だ。

kenzaburou さんのコメント...

大筋に於いて同意。

ICチップのハード化も不可欠で、核の空中炸裂の放射線で、ICは破壊され、コンピューターはお釈迦、あたしの貯金はどうなるの?

あ、ろくに無いんだから、良いのか。