2009年5月6日水曜日

山の報告です その二

FH010028

 ただ今。昨日(五日)帰って来ました。
 写真も無いので、今回とは関係無い上越の写真でご勘弁下せえ。
 白砂山と稲包山をやる積もりで、一日の夜越後湯沢に入って駅の外で寝て、一番のバスで苗場プリンスへ、其処から小一時間歩いた西沢出合いから右岸の尾根に取り付いて、楽しい春山が始まった訳なのだ。嗚呼……。
 嫌な予感は有った。毎年ならバス通りだって日陰には雪が溜まって居るのだが欠片も無く、見える低山が皆黒々として居るのは初めての事で、ひょっとすると藪に苦しむかな。
 出合からは唯々藪、でも其れは何時もの事だが、普通は十~二十分で雪となる。処が一時間たっても藪、二時間たっても藪、其の内石楠花こぎも始まって、笹と樅と石楠花をガサガサ掻き分け何時果てるとも知れぬ苦労。思わず(?)俺は幾つ迄こんな事をして居るんだと思う始末。
 一応説明すると、普段の五月初めなら或る程度の藪なら雪に埋まり、埋まらない薮や樹林は尾根の左右に残る雪面を歩けるので、何でも無いのだ。其れが今年は無い!
 此の日はセバトノ頭迄との予定だったが、夢の又夢、やっと雪の小ピークに立った時には十四時半を過ぎており、しかもあたしもYもクタクタのボロボロで設営。
 二箇所でサブザイルを使用したが、雪が有れば単なる雪壁で登れるものを、岩、土、枯れ木のギャップと来ちゃあ20Kgのザックを背負って登るのは無理で、空身で登ってザイルを下ろすのでやけに時間を食う。
 ピ-クで薮の間から先を見ると黒い三角ピークが二つ重なり其の先に白い山。は~、とうんざりするのはあたしだけじゃ無い筈で、きっと貴方も溜息を吐きます。だって明日も藪が待って居るんだから、楽しみでしょう?
 で翌日、流石に雪が増えて初日程の苦労が無くなったのは御同慶の至り。雪を拾い乍ら極力薮を避け、一つ目の三角を巻き二つ目の三角へ登り続けると大岩が行く手に聳え、左へ回れば岩に当たらないだろうと雪と薮を交互に登り目出度く大岩は遥か下、万歳!
 それがですよ、頼みの雪が切れ其の先は樅、石楠花、笹が密生し枝を絡ませ断固我々の侵入を拒否して居るのが一目で分かる。試みなくても完璧に分かる。
 Yを残しあたしゃあ空身で小一時間偵察に歩き回った、枝を掻き分け木を跨ぎ登ったり下ったり行ったり来たり、結論、此の先は無い。戻ってYに宣言「結論は此のルートは前進不能、目的を切り替え白砂山は捨てて無事に帰る事を最優先する。大岩の下迄下って右から巻いて見て、其れで駄目ならバックだ」。
 Yにも嫌も糞(失礼)も無い。唯大岩の下迄降りるのは内心悲しかっただろう。一生懸命登って来たのだから。仕方無いんだけど。
 大分下ってから右にルートを変え登る。あたしゃあ出来たらバックは嫌だ。完敗になっちまう、乾杯なら文句無いが完敗は避けたい。
 Yも登って来た嫌な所を下るのは、矢張り嫌な様だ。ヒヤヒヤして登って来たもんね。
 長くなったので、続きは報告三で。

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