2009年5月12日火曜日

デートコースは雲の上 その四

FH000052

 

 頂上で次女がおしっこと言う。下でして来いと言って行かせた。済みません、私は古いタイプなんで、未だに野蛮な気風を持っているんです。滅びゆく種族なので、大切に見守ってやって下さい。だって、出物腫れ物処嫌わず、なのです。(死語の世界?)
 次女は使用済みのティッシュを持って戻って来た。山にゴミを捨てちゃ駄目と言ってあったからだ。
 はっはっはっはっは……。笑ってしまったが、今思えば、次女の行為は正しかったのだ。ティッシュは溶けない。何処の山小屋でも今では、ティッシュは別に集めて焼却するようになっている。勿論そのティッシュはゴミ袋に放り込んで、次女をほめてやりました。
 鍋割も何時でも混んでいる。或る時一人でコーヒーを沸かしていると、ぞろぞろと山馴れない(と見える)団体が上がって来、あちこちに座り込んだり、寝転がったりして喘いでいる。何だ?どうした、と山ヤジ馬の私は興味を持つ。
A「ハアハア、部長は?」
B「……だいぶ下だって」
C「ハアハア、大丈夫なのか?」
A「係長は」
B「もう行ったって」
 皆さん読めましたね。どこかの会社のどこかの部の、レクレーションの幹事が山好きで、部の皆さんが偉くひどい目に会ってるんだと。はっはっはっは……。こういうのは大好きです!どんどんやって下さい(但し事故が無ければだけど)。
 私が社内旅行の幹事を命じられた時、(命じる人間が間違っている)上高地を選んだ。だって、社内旅行と言いながら、幹部の皆さんの目的はゴルフなのだ。じゃあ勝手に行けば良いだろう、止めないから。だから、ゴルフができない上高地にしたのさ。フッフッフッフ。幹部以外の皆さんには大好評の社内旅行でした。
 でも、流石に私も会社の人間を鍋割に引っ張っては行かない。余程ハチャメチャな幹事だったのだろう。大きい声では言えないけど、事故さえ無ければ面白い企てだ。一寸と危ないけれども。
 たとえば部長が急に体調を崩し死んじまったとする。寿命ですな、と平然とできれば良いけど、そうは行かないだろう。生活習慣病です、自業自得ですよ、ははははは、とは、私は言えない。勇敢な幹事君、君のやった事は、私は大好きだけど、気をつけ給えよ。
 鍋割りで夕日を見た事が無い。と言う事は一度泊まった事が無いのだ。我ながら驚いた。そう言えば、紅葉でも新緑でも雪でも、常に昼間だった。
 朝日も夕日もさぞ見事だろうと想像するのです。

0 件のコメント: