2009年5月21日木曜日

休題 その十三

店 021

 

 冗談映画の最高傑作は、マーズアタックとスターシップ・トゥルーパーズだと勝手に思っている。 マーズアタックに説明は不要だろう。誰が見ても冗談その物で、次女の学校の先生は「何だ、あのふざけた映画は!」と大変なご立腹だった由。
 先生、怒らないで下さい、冗談なんだから。大金掛けて(豪華な出演者のギャラだけでも)ふざけて居るのは立派で、その癖良く見ると大変確り出来た映画なのだ。単なるおふざけとは訳が違う。
 キャラは立っているし、ストーリー展開も自然(?)で、皮肉、エスプリもたっぷりと効かせて有る。と言うより全篇此れ皮肉。
 あたしが一番感動したのは、タイトルバックの安っぽい音楽が流れる中、基地から次々とブリキ細工の様な円盤が浮上し、地球へ向かうシーン。「おー、こう来なくっちゃ」と涙が出る(本当にです)情無さ。
 処で、タイトルで涙が滲んだのはあと一作有って、此れがスターウォーズ。あの宇宙空間に流れて行く、ロングロングアゴーから始まるオープニング、それで泣かされるあたしゃあきっと馬鹿なんでしょう。(ひょっとして鋭い感性?違う!と叫ぶ声が聞こえる)
 スターシップ・トゥルーパーズを冗談映画だと言うと異議が出そうだ。飽くまであたし流の解釈なので、此処は堪えて下さい。
 機動歩兵が主役だが、何処が機動歩兵なのだろう?確かに星に下りる迄は機動力が有るが、後は走っている。武器を手に唯々走る。
 現在の機動歩兵でも、戦闘兵員輸送車か装甲兵員輸送車で移動し、会敵して下車戦闘に移るのだ。あれでは丸で大東亜戦争の日本兵で有る。
 おまけに、本日の戦死者二十万(だったっけ?)と来ては笑うしかない。あれ程科学の進んだ状況で生身の歩兵を走らす必要は全く無く、空爆や特殊無人兵器で戦えば至極簡単に事は済むが、それでは描きたい事が描けないので、ああせざるを得ないのだろう。
 ね、冗談映画でしょう?
 誤解無き様お願いするが、あたしゃ二作共大好きでDVD迄買って仕舞った。
 世に言う冗談映画は、殆どがおちゃらけ映画で、此の二作の如く本気に力一杯造ったとは思えないし、此の二作の如く物を鋭く見据えているとも、とてもじゃ無いが思えない。マーズアタックとスターシップ・トゥルーパーズが物を鋭く見据えてるって?あたしにはそう見える。但し、相当捻りを効かせて居る。
 疑問を持たれる方は他の冗談映画と見比べると良いかも知れない。そうねえ、ゴーストバスターズとか、エボリューションとか、MIBとか、何でも良いや。
 成る程、確かに違うぞ、と思って貰える事請け合いです(パーハップスです)。

2 件のコメント:

ショートホープ さんのコメント...

メディアとしての映画という“虚構”は真に素晴らしい人類の一大発明文化でもあります。

昔、女の子を誘って渋谷に出掛け、奮発して特別指定席をキープ。観た作品が「クレイジー・ママ」という訳のわからない作品でしてね。

格好つけるところが、周囲に観客の姿が全く無く、逆に大恥をかいて後の交際に支障をきたしたなんておバカさんもいるんです。

ええ、ええ。

kenzaburou さんのコメント...

う~ん、訳の分からん映画はとても困り者で、金と時間を返せ、と言っても詮無き事、それを特別指定席でたった二人で見るなんざ、馬鹿の上塗り(あ、失礼)、さぞや映画館従業員を喜ばせた事でしょう。

はっはっはっは。