2013年1月24日木曜日

我がロマンチック街道 その六





 清水峠には避難小屋が有る。一度泊まったが風が強くてどうしても戸が開いて仕舞う。スコップが有ったので戸にあてがって、事無きを得た。遭難者が来たらと迷ったが、戸を叩く音は聞き逃さないつもりだ。たとえ、やっと叩いた音でもだ。(本当かい?多分……)
 謙信尾根を下るのだが、隣の尾根なのだ。夏道はトラバースして容易に謙信尾根に出れるが、雪が有ると雪のトラバースとなる。向こうの標識が見える程の距離だが、踏み出すと雪がうねって居る。急な登りを迫られて、登ろうとしても雪が非常に締って居て、ピッケルで削ってもラチが開かない。仕方無くアイゼンを着ける。思いがけずに時間を喰うもんなんです。

☆第六区画
 清水峠から巻機山(まきはたやま、1961、6m)迄が六つ目の区切りだ。此れを山中一泊でやったのだから、若い時は速い!!多分、第五区画の翌年だろう。尤も前夜は、越後湯沢駅泊で有る。清水の部落から謙信尾根を登り、又もや雪のトラバースで清水峠に立ったのだ。
 峠から、東へ、やがて南東へ登って行くと、朝日岳の七百m程手前で上越国境稜線は東北東へ分かれて行く。文字通りのジャンクションピークだ。此処からは登山道の無い世界になる。尤も積雪期だから関係無いんだけどね(くどい?)。
 私が其処に立った時は驚いた。モロ雪の急斜面だ。どう見ても主稜線だとは思えない。でも其の時は幸いな事に、トレースが幾つも有った。皆さん踵を思いっ切り打ち込むか、アイゼンを効かせて降りて居る様だ。で、私も降りて行った。更にラッキーだったのは、晴天の日だったので、行き先に迷う事は全く無いの。見えるのだから。
 (我がロマンチック街道 その七へ続く) 

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