オジカ沢ノ頭の避難小屋に泊まった事が有った。五月だったが珍しく小屋の周りに雪は無いので、先迄行って雪を取った。誰も来ない。嬉しいのだが、何だか一寸と寂しい。
人は来っこないが、其の代わりにちゃんと風は来た。小屋は一晩中揺さぶり続けられたが、詰まり、其れをこそ、上越国境と言うのですなあ。
☆第五区間
谷川岳から清水峠が、私の第五区間となる。第四区間の翌年位に、歩いた筈だ。古い話では有る。
谷川岳は双頂で、トマノ耳とオキノ耳(1977m)と呼ばれて居る。どちらも切り立ったピークで、偉く高度感が有る。ガスっぽかったりすると、恐怖すら感じる。え、そんな臆病者は私だけなの?
谷川岳からは北上する。直ぐにノゾキが有り、一ノ倉沢を見下ろせるが、私は怖くてろくに見下ろせない(又恥)。其処から直ぐに一ノ倉岳で、避難小屋が有る。
これまた大昔、雪で埋まった小屋の入り口が除雪されて居たので、中で休んだ事が有った。降っては居なかったが、風とガスで偉く寒いの。中は風が当らず天国で有る。
すると十人程のパーティが表を通過して行った。それが何?いや、それだけなんだけど、やけに強く印象に残って居るのは、単独の自分と引き比べて、羨ましく感じたからだろう。単独行は不安なものだ。特に視界の無い時は。
此の一ノ倉岳に未だ避難小屋が無かった頃に、芝倉沢の章に有る、シーンと言う音を聞いた、夢の様な夜を過ごした訳なのだ。
で、武能岳、蓬峠を通過して、方向を東北に変えて七ツ小屋山、そして清水峠に至る。やっと着いたぞ、清水峠。下山する迄に山中二泊を要した。
2 件のコメント:
シーンという音が聴こえる雪山、、、もう本当にロマンです!はい。
たくさんの遭難者を出したところですね。天候の変化が急激で、大変な山なのに、冬の縦走は、どんなに大変かと思います。
いやあ、其れが冬ではないんです。
冬に此の山域に入る諸君は、選りすぐりの物好き(失礼!)なのです。
あたしは、春(4~5月)専門です。
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