2012年9月30日日曜日

山嫌いの製造法 その三




私「駄目だよ、聞いてる暇なんか無い様だから、はっはっはっは」
 笑い事じゃ無いですなあ。私が変な所へ連れて行った犯人なんだから。でも、あそこ迄怖がるとは思わなかったのですよ。酷い思いをさせて、御免なさい(ペコリ)。
 長女は山が嫌いだ。海の女になっちまった。長女の夫はサーファーだ。そうしたのは、例に依って私の様だ。
 此の件は、閑話か何かで既述だろうが、誰も覚えちゃあ居まいて、ふっふっふ。
 何せ季節が悪かった。二月の蛭ヶ岳だ。当たり前だが、雪の稜線を歩く事になる。其れでもだ、天気さえ良ければ天国なのだ。何て綺麗なの、何て山は素敵なの!となる。絶対だ、保証しよう。
 ところがどっこい、天気が悪かった。冷たい雨だった。おいおい、雪道なんだから降るのは普通雪だろが。ふん、そうは行かないのが人生ってもんなのさ。
 雪を踏み乍ら雨に打たれる。山慣れして居ても、嬉しく無い状況だ。雨具を着て居ても濡れる。風の所為も有るし、雨の所為も有る。此れは決まり事だと言える。
 尚も良くしたもので、此の日の小屋の宿泊者は四人(含、我々)のみ。ま、当たり前ですな。良くぞ四人もやって来たと言うべきだ。
 従って強力なマキストーブは沈黙し、石油ストーブが燃えて居るのみで、小屋も深々と冷えたのだ。
 長女の始めての山、中学三年生の時だった。殆んどの場合、初めて登った山の印象で、山を好むか嫌うか決まるものだ。晴天の、清清しい山頂で景色を楽しめば、又来たいと思うのは、極自然な感情だ。
 真逆な状況では、もう二度と山なんか御免だ、山の馬鹿!!!となる。翌日も悪天候だったので、当然長女はそうなったのだ。まあ、仕方無いですなあ。
 (山嫌いの製造法 その四へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

大丈夫ですよ!!!希望はまだ残っています。お嬢さんが旦那様とサーフィンに行って波が高くて流されて 塩水飲まされて、ひどい目に合えば、「やっぱ海より山よねー!」と転向する可能性は まだまだあります!その日のために、計画を立てて待ちましょう!1月の北岳とか、梅雨期の沢登りとか、台風時の谷川岳とか、、、!

kenzaburou さんのコメント...

う、う、それじゃあ転向するどころか、死んでしまうのです。
あたしだって、其の条件じゃ生きてるかどうか分からないし……