2012年9月15日土曜日

閑話番外 その六十四





 閑話八十六と八十七で、源次郎沢の顛末を書いた。其の後二つの理由に依り、再度源次郎へ入る事になったのだ。
 理由の一つは、お盆に塔へ登ったが、何とO屋が開いて居たのだ!まさかSでは有るまいし、一杯グーッとやって登り始める訳にも行かず、指を咥えて塔へ向かった。下りは三ッ峰だったので、O屋へ寄れなかったので、近々必ずO屋へ行くと決めたのだ。
 下らないって?あたしには違う。O屋に寄るのが楽しみで大倉へ行った。無理やりにでも行った。O屋の無い大倉なんざ、山の無い山梨県、酒の無い飲み屋と、殆んど同じだ。
 二つ目の理由は、枝尾根に逃げたF9を考えるに、二年前には登って居るのだから、右から登れば登れたかも知れないのに、何でガレザレの苦労をしたんだろう、よし、F9を登ろう、と柄にも無い決心をした事だ。
 で、八月末に出掛けた。O屋へ寄ると言う大目的が有るので、電車で行く。タイミングが悪かった。五日前に、歩けず転倒する深酒をして仕舞った。あそこ迄酔うのは、年に一度は無い。数年に一度の事だ。其の上、こっちは年を取る。昔の様に回復はしないのだ。
 沢に入って直ぐ分かった。バランスが偉く悪い。分かり易く言えば、ヨロヨロと沢を行く。其の上、やけに疲れて脚が重い。前回は快調だったから、あっと言う間にF9だった。
 流石に、前回無駄な必死を演じた滝は、巻き路を通って無事通過したのは、目出度い。
 目出度く無いのは、F9を登れば登れるだろうけど、其の気にならない事。だって、力は入らない、バランスは悪い。本来岩なんかに取り付くのが間違って居る。
 で、前回の支尾根から大巻きと決めたが、トラバースが出来ない。踏ん張りと手の力に、自信が持てないのだ。「前は行けたんだ、行けるから行け!」と自分を叱り乍ら行ったが、体調に依ってはこうも違うもんなんですなあ。
 其れでも当初の目的を果たそうと、小沢の詰めを三つ程超えて確りした沢に出たが、本流では無さそうだ。こうなりゃあどうでも良い、登れりゃあ良い!
 結局前回の尾根になっちまった。畜生、今度は見てろよ!あ~情無い、沢の入門編の事なんだから、変に力むと変だよ。




 凄く疲れました。O屋で一杯やれたのは嬉しかったが、こんなに疲れてちゃあお変わりも出来ない。
 クッソー、リベンジじゃ!!(O屋復活、万歳!!)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

歩行不能になるほど飲んだあとでも、這ってでも 開店していたら必ず通いたくなる0屋さん、、、恐ろし!!! すごい執念です。次回は 体調の良い時にリベンジですね!

kenzaburou さんのコメント...

はい、どうしても行きたくなるのです。

滝には、体調を見てリベンジです!