2012年9月2日日曜日

表丹沢の名脇役 その一




 表丹沢の盟主は、誰が見ても塔ノ嶽だが、芸達者な脇が居なけりゃ、芝居でも映画でも山でも、成立しない。主役しか出ない映画なんざ、一人芝居って事で、映画では殆ど無いだろう(多分)。芝居では有るのだが、私は余り好まない。見たいですか?
 一体全体何の話だって?当然の質問です。詰まり、表丹沢の主役は塔ノ嶽では有るのだが、其れを支えて居る名脇役の話をしようとして居るのだ。
 鍋割山を除いては、表丹沢は語れない。え、前にも章を立てて居ただろうって?良くもまあ覚えて居たなあ、貴方はとっても偉い!
 仰る通りに、再び鍋割山を取り上げようとして居るのだ。フン、嫌も応も無いのさ、もう取り上げちまったんだからね。
 一面カヤトの山で有った。遥か昔は、だ。鍋割山は場所が良い。塔のついでに立ち寄っても良いし、単独で登っても充分満足の行く山なのだ。其の上、四十八瀬川に沿った林道が、出来ちまったで、車でも入り易くなって訪れる人が増えて、結果として、カヤトは殆ど滅びた。
 カヤトの山鍋割山とは、古い人間の幻想の中にしか存在しない。世の中には、似た様な事が多い筈だが、皆さんは忙しいらしく、気にも止めて無い様だ。気付いた時はカヤトが全滅して居る訳で、次は人類かも、って事なので(飛躍?)、結構ヤバイと思って居るのだが、なかなか皆さんには分かって貰えない。
 特におっさん達は酷い。「どうせ死んじゃえば終わりだよ。姉さんビール!」ってな按配で話にならないのは、ご承知でしょう。(お前もだろうって? ……ビ、ビンゴ)
 えーと、ヤバくなったので話を戻そう。
 塔から西へ徐々に高度を落として行き、最後に踏み止まる位置づけが、鍋割山だ。従って新大日から鍋割迄で、塔の左右を構成する図式で有る。俗に言う、絵に成るって奴だ。
 (表丹沢の名脇役 その二へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

綺麗な写真ですね。梅ですか、山桜ですか。ガスが出てきて午後の様子でしょうか。風格のある山ですね。

kenzaburou さんのコメント...

山桜です。丁度昼頃だったと思います。

中々良い山なんですよ、あたしのものじゃ無いんですけど。