2010年7月8日木曜日

休題 その四十四

S1

 

 中国の春秋戦国時代、楚が呉に攻められて占領された事が有った。偉い昔の話ですなあ。其の頃の日本は縄文時代末期、幾ら古いあたしでも、全く覚えて無い。楚の申包胥(しんほうしょ)が秦に助けを求めに行ったが、人の国に何で係わり合う必要が有る?当然、拒絶に近い返答を得る。
 申包胥は七日間、秦の宮殿の壁に縋って泣き続けた(本当かよ、失神するか死ぬよ、普通は)。流石に心を動かされた秦の王は申包胥を呼び、古歌で援軍に応じる。史記の中でも、特にドラマチックで感動の場面で有る。
 それでも、秦王には計算が有ったに決まってるでしょう。現に闘いに勝って呉を追い払った後、楚の領地を割譲させて居るのだ。五万の兵を送ったのだから、其の位の見返りは欲しいだろうし、自国の評判も良くしたいだろう。詰まる処、国益の為で有る。
 結果として、楚も秦も満足する訳だ。申包胥は最高の外交官だった訳だ。
 軍事力を背景としない外交で有る。前言と異なって仕舞った。各国の複雑な力関係を巧みに利用した例だ。しかも自国は占領下で滅亡寸前なのだから、一か八かで有る。
 春秋戦国時代には、未だ牧歌的な面も残って居たと言う例でした。
 クラウゼヴィッツに戻れば、戦争を放棄すれば、政治の有る部分をも放棄する事になる。それは外交も放棄したと言う事なので、日本に外交は存在し得ないのです。
 言う事が乱暴だって?はい、多少誇張はして居ます。でも、戦争論の趣旨に従えば、そう結論せざるを得ない。勿論、戦争論が絶対の真理では無いのだろうけど、正鵠を得て居るので、未だに読まれて居るのだ。
 さて、悲しいかな外交とは、力関係なので、クラウゼヴィッツの見抜いた通り、戦力が有るから相手が妥協をするのだ。厳しい世界ですなあ。
 こう書くと頭に来る人も多いだろうけど、(おいおい、多くの人は此処に来て無いよ!)大体そんなもんなんです。現に核を持った北朝鮮に対するアメリカの態度は微妙に変わった(思い過ごしだって?そうかなあ)。
 懐かしい言葉になったが、砲艦外交って覚えて居るでしょう?ペルーの手法も文字通りの其れで、ペルーの艦隊に勝てなかったので、開国が決定された。
 昔だから通用した、と思ってはいけない。今でも立派に通用するセオリーなのだ。現にベトナムやフィリッピンは中国の砲艦外交に悩まされて居る。
 そして、其の中国自体が、散々列強の砲艦外交に痛め付けられた歴史を持つ。従って、其の威力は充分承知して居る訳なのだ。今度は自国が、効果的に其の威力を発揮するのだろう。
 大中華帝国の復活は間近って事でしょう。政治に携わる方、確りお願いしますよ。

10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

大中華帝国の復活ということレッドチャイナは時代を、2~300年ほど戻そうとしているようですね。次期主席が小人だってそうですし、悪戯っ子には断末魔のように見えます。旧ソ連のようにバラけて仕舞わないと世界中が困るのです。
今は参院選で手一杯の政治屋さんには期待しない方が良いと思います。
外交ならアグネスチャンさん(これを10回云ってみて下さい)の方が上手です。大平さんのような人はもう出てこないのでしょうか?

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

あたしも大中華帝国は、解体されるとは思って居ます。
国内植民地(発展地域以外)の反乱は避けられないでしょうから。
其れが何時なのか、です。

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

戦争は外交戦術のひとつの形態にしか過ぎない、のは事実で 軍隊あっての外交、、とは、わかりますが 平和外交に、未来を賭けたいです。自衛隊を世界災害救援隊にして、常時海外で活動させ、外務省は 常に海外にいて平和外交に徹する というわけにはいかないのでしょうか。
中国はチベットもウイグルも 自治権は与えても独立は許さないでしょう。ソビエト政府が解体したのは、国民の教育レベルが高く 人々の批判精神も旺盛だったことも左右したと思いますが、中国は長いこと愚民化政策で民度が低いので、どうでしょう。少数民族独立と、共産党以外の民主勢力出現という、反乱に期待したいですが、、、。

匿名 さんのコメント...

愚民化政策は広東人や台湾人には及んでいません。シンガポールは独裁国ですが、台湾に支援を惜しまないでしょう。単にチャイナマネーといっても多様です。
タイやベトナムでは元が流通していますが、そういった国々も何時か気付くでしょう。
実際に歌舞伎町や池袋では漢族と広東人の抗争が繰返されていますし、海外に散らばった中国人はそれぞれのイデオロギーを形成していますので、悪戯っ子は楽観視しています。

ショートホープ さんのコメント...

競争力、一番、誇り、国威の発揚。こういう言葉が実は嫌いなんです。

ついでに言うと"標準”というのもうそ臭い。

英霊という言葉も嫌いだ。犠牲と言い換えればわかる。

脱亜入欧といいつつ、すくなくともアジアで一番英語がしゃべれない日本人。

きっと今もう少しは”ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い”なんでしょう。

それでなくても狭い国土なのにキチガイ沙汰の東京一極集中人口。おびただしい看板、標識の乱立。世界有数のマナー悪さ、常識のなさ。フリーセックス。やくざの跋扈。

18歳の入試で決まる人生。その了見の狭さ。

最近何から何までいやでいやでたまらないこの国なんだけど、国民として生まれた以上、しょうがないと割り切るしかなし。

通勤でバス、電車の1時間半。携帯にてメール、ゲーム、音楽聴取にいそしむ国民が過半数。あと寝てる。もううんざり。

いい大人が漫画、コスプレに夢中。15,16のガキが能もないのに芸能人!!

東大出は僕なんかが思い切り遊んでたとき勉強してた。その元を取りたいから天下りだ。あの青春をカネで返してもらおうという算段だから始末に終えない(これはやっかみもある)。

もうだいぶ飲んでしまった。参議院選挙二日前。

文化、文明が三日遅れでやってくるこの国ゆえ、大方の予想に反して民主党が安定多数を獲得すると読む。

欧米で言う中道左派がメインストリームになる。だいぶ遅れて。

衆院選で右の国民新党と左の社民党を敢えて取り込んで中和させてた高等戦術といおうと思えばいえる。結果から見れば。

名は体を現すという。みんなの党。拝み屋さんの公明党を抜いて名実ともに第三局とやらを形成するに違いないだろう。が、しかしである。くだらない話だが名前が幼稚だ。立党の趣旨ともかく幼稚。日本人はマスコットキャラクター、ゆるキャラ、イメージシンボルみたいなものが大好きだ。世界で類を見ない子供国家だ。だからガラパゴスだ。珍奇だ。レアだ。稀有だ。

どうだ。むっはっは!!もう鎖国しかあるまいのう。

kenzaburou さんのコメント...

Doglover Akiko さん

反乱は少数民族や民主勢力では無く、十
億近い被圧迫国民が起こすと思って居ます。
彼らをあたしは国内植民地民と呼んで居ます。

国内植民地民の犠牲の上に、今の中国の繁栄(?)が有る訳ですから。

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

中国が解体しても、介入は避けましょう。碌な事にならないでしょうから。

kenzaburou さんのコメント...

ショートさん

どっかの島で、個人鎖国は如何ですか?

匿名 さんのコメント...

ロシアの教育レベルは低いです。どうも日本のマスコミは変更しておりニューヨークにはジュードが牛耳っている事や、米国の子供の1割が栄養失調な事などを取り上げないのです。日本で活躍しているアメリカンは殆どがジュード。
別に差別しているのではなく現実として中置くの解体は近いでしょう。何せ温暖化と化学肥料のやりすぎで食料が無くなっいるし。大規模開発で水利権(もともとレッドチャイナにはない)も剥奪。此で暴動が無くならないわけもない。天安門を見直す政府政策も嘘っぽく薄っぺら。
当然、漢族支配は長くはない。
ショートさんの鎖国論は益々、現実味を帯びてきましたね!!!

匿名 さんのコメント...

変更は「偏向」の誤りでした
  悪戯っ子拝

ショートさん。ギュエテは私も好きです。単刀直入で感性に直接、語りかけ嫌みがない。でも、ウイットに欠けるのは残念ですがね。
シェイクスパーは読むと全くつまらない。ケン様に演じて貰いましょう。お捻りはチョットだけですが。