2010年5月22日土曜日

休題 その四十

05

 

 映画続きで失礼。
 前にも書いたかも知れないけど(歳なんでご容赦)、あたしの其の(詰まり今見て居る)映画の受け具合を確認する方法です。
 あたしは常に前に座るので、三列目より後ろは縁が無く、妻は初めの頃は「近過ぎる」とか「見にくい」とか言って居たが、今では諦めの境地の様だ。哀れでは有るが、此の位は“亭主の好きな赤烏帽子”だと思って耐えて貰いましょう。
 一人の時は、最前列に座る事も多い。でも、流石に70mmフイルムの画面の最前列は辛かった、大昔事大体70mmの画面って知ってる人は少ないだろう。ベンハーやアラビアのロレンスが70mmなのだが、画面滅茶苦茶大きかったのだ。普通の映画は35mmなので(今でも)、単純計算で画面は四倍となる。
 従って上映劇場も限られて居た。日比谷の何とかとか、駄目だ、三葉虫の話をする様な遠い昔なんで、御免なさい(ペコリ)。
 お堀端の何とかにアラビアのロレンスを観に行ったのだが、最前列の左端しか席は無く、好い加減が売りのあたしゃあ、其処で良いと切符を買った。ん、最期の一枚だった訳?
 多分違う。二階席、三階席は有ったのだろう。あたしは折角映画を観に行く限りは、目の前で観たい、遠くからなんて観たく無い!
 馬鹿でした。半端じゃ無いんだから、スクリーンの大きさがさ!其れを端っこから観て居たら、字幕とシーンを追うだけでくたくたになっちまうんだよ!
 くたくたになって首が痛くなったのはアラビアのロレンスの所為では無く、席の所為なんで、作品は素晴らしかった。2001年宇宙の旅に匹敵する名作で有る。
 DVDを借りて見せても家族は分からない。特別版で上映した時、妻を連れて行っても、あんまり分からない、様だった。少なくともタイタニックよりは評価が落ちて居た。
 あたしゃあ、世紀の名作と思って居るんだが、人それぞれ、好き好きだ。大体からして、あの映画は男の世界だもんねえ。
 観客に受けた映画は一発で分かる。エンドロールが流れる時、観客が立つか立たないか!うーん、我乍ら良い着眼点だ。
 あたしゃあそう言う訳で前席に居るので、振り返って確認する。ま、ご苦労な事だ。
 良い映画の場合、まず立つ人は居ない(除、要トイレの人)。そうじゃ無い場合は一斉に人が立ち出口に殺到する。其の代表作はプライベート・ライアン、出口で何人か踏み殺されて居た様だ(嘘です)。
 普通に詰まらない時は、人がゾロゾロ、或いはポツポツと出て行く。面白かった時は、皆さん動かない。此れは凄い。人の感性とは通じるものが有るんですなあ。
 で、第9地区を見て来たけど、あたしは好きなタイプな映画だが、本当に良いのかな??でも、エンドロールで誰も立たなかったです。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

アラビアのロレンスは 本当にデヴィッド リーン監督の最高作品でしたね。忘れられません。男のロマンチズムの最高傑作でもあるります。どうして砂漠が好きなのか とジャーナリストに質問されて、ロレンスが「清潔だから」と、答えるシーン、「どうしてお前にサーの称号がないのか」と、アリに聞かれてロレンスが「母は正妻じゃなかった。」とつらい表情で答えるシーンなど、実際の人物ロレンスと、俳優ピーターオトールとが全く同一人物のように、ダブりました。オマーシャリフも、アンソニークインも、素晴らしかったですね。それに砂漠の美しさ!!!
わたしも映画は最前列の真ん中が 自分用の指定席でした。でもこのごろは、見上げるのがつらくなって最近は、最後列の真ん中です。みんなを見下ろしながら観るのもいいですよー。

kenzaburou さんのコメント...

泣けてきます。アラビアのロレンスを褒める人が居るとです。
あ、Doglover さんはアラビアのロレンスがお気に入りだったんだ。

>ピーターオトールとが全く同一人物のように、ダブりました

全くです!現に似て居るし。勿論ピーターオトールの方が遥かに美男子なんだけど、雰囲気が同じだとあたしゃあ思ったのです。

仰る通り、巨匠デヴィッド リーン監督の最高作品だと思います!!