2010年5月18日火曜日

山の報告です その十二

FH010006

 三日、快晴だが少し霞みっぽい。でも贅沢を言ったら罰当たり、入山以来三日間も好天が続いて居るのだから。
 上ノ間山を見乍ら忠次郎を下って居ると、今度は九人のパーティが登って来た。彼等も我々のやって来たルートを行くのだ。物好き大集合の有様で有る。
 お蔭様でYの調子は良い。何よりで有る。其の上周りは白銀の山々、行程はモロ余裕、素晴らしきかな春山よ!
 ノンビリと白砂山に登り着く。頂上には数人の登山者が休んで居る。野反湖から登って来たのだから、車道が雪で埋まっては居ない訳だ。ほっとしたのです。
 白砂山こそ上越国境の西端、長野県との境でも有る。此の近辺では一際立派な山なので、当然登山道が有る。と言っても積雪期は雪の下なので、関係無いのだが。
 明朝頂上に登り返す事を考えて、一寸と下った斜面を、小一時間掛けて削りほぼ平らにしてテントを張る。まあ、シャベルをピッケルに変えて、土ならぬ硬い雪を相手の土木作業ですなあ。お陰で腕がグタグタになっちまった。
 此の夜の星は滲んで居た。月は朧だ。スカッとした天気は今日で終わりなのだ。でも良いのだ。明日はピークを再び踏んでご来光を迎え、後はトレースを追いながら野反湖へ下るだけだ。
 急ぐ旅では無い。野反湖でもう一泊テント暮らし、翌日下の集落へ歩き、タクシーを呼ぶと言う計画、余裕綽々なので有った。(飛んでも無い事になるとは、神ならぬ身の知る由も無し、です)
 毎晩、星を見ては天気を予測して居る様な書き方なんだけど、実際はそんなきちんとした行為では無く、夜中に小用の為に起きるだけの事なので、歳の所為なのです(恥)。
 四日、起き抜けにコーヒーを飲むのは常の習いだが、此の日は二杯も飲んでからピークへ向かった為、陽は既に昇って居たお粗末。
 尤も下は霞で、ご来光は駄目だっただろう。こちとら其れを見越して居たんでえ、と言い訳する処が我乍ら一寸と可愛い(え、可愛くねえって!)。
 最期の大展望を楽しんでからテントに戻り、ゆっくりと朝飯を食べて撤収、下りに掛かる。トレースはバッチリ、雪を蹴散らし乍ら下る。
 ラフにトレースを追って、間違えたのに乗って、大回りをしたのはあたしらしいミス。
 地蔵山のピークを踏んで、下りでトレースを失い、適当に行くと赤いマーカーが鮮やかに有る。やったと喜び行ったが、僅かな踏み跡は笹薮に消えて居る。空身で偵察、除き込むが急過ぎて先が不明。彼方此方探し回るが、全て急な笹薮で、雪渓は目の前なのだが、降りる決心がつかない。
 何せ、急に取ったルートなので頼りは地図のみ、未知の雪渓に踏み込む覚悟は無い。
 登り返すのがセオリーだが、相当降りて来て居る。困り果てた処で、続きます。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

トレースを追うよりも、地形を読んで判断して歩く って、すごいです。とにかく、無事で、ご帰還されて、うれしいです。

kenzaburou さんのコメント...

有り難う御座います。
でも今回は、トレースの有る山に最後に着いて、甘えてしまって基本を忘れ、ドジを踏みまくりました。
年です……。