2010年4月21日水曜日

迷惑でしたか? その三

FH000133

 

 従って札掛の宴会は殆ど中止状態、皆さん疲れて飲む気分ではない。此れでは、一体何しに来たんだか分からん。此の時は明らかに飲みに来たんだから。
 悪い事に翌日は小雨、それでも私は物見峠を目指すつもりだったが(だって、小雨の物見峠越えは凄く良いんだんもん)、一斉のブーイング、結局又林道をヤビツ峠へ歩き、蓑毛へ下ったので、何だかなあ、と思ってしまったのは無理からぬ事。
 今思うと正解でした。私には楽しい雨の札掛、一ノ沢峠と物見峠を越えるのは最高なのだが、慣れない人には唯の苦痛、何の因果で雨の中、登ったり下ったりしなくちゃなんないんだよー!と思うのが普通だ。
 歳を取って初めて気が付く事も有る。此れは文字通り其の事で有る。
 でも、思い出すと蓑毛で濡れて居た皆さんの姿はしょぼくれて居て、気の毒やら可笑しいやらで、笑ってしまうのです。笑っちゃって御免なさい、同学の皆さん!
 高校を卒業して二年目位の時、クラス会をやろうと話が出、ホイ来た任せろ、と皆さんをヤビツ峠と菩提峠を越えるコースへ連れ込んだのだ。
 何せ昔の事だから、今の様な完全な林道ではなかったが、不整備な車道の様な道を歩かせた訳で、何が有ると言う事もない単調なコース、唯々登って下らされ、景色も大して見えない車道を歩かされた諸君は、何でこんなとこを歩くんだ、とさぞや疑問に思った事だろう。
 今同じコースを歩けば、完璧な林道歩きで、面白くない事夥しい。ま、菩提峠からは多少展望が利くか。
 何でそんなとこを選んだかと言うと、単に私が行って見たかっただけで、もっと良いコースは山程有るのだ。弘法山とか鐘ヶ岳とか、楽で尚且つ山らしいとこだったら、きっと喜んで貰えただろう。
 あの節は皆さん気の毒しましたね。け、誰も読んでねえや。うっかり読んでも覚えてっこないので安心なのだ。何たって大昔だもんねー♪
 私の所為ではない話だが、大倉尾根ではしょっちゅう如何にも初心者、を見かける。大概若者達だ。バッグを下げ、ペースは滅茶苦茶なので、飛ばしてはバテ、休んでは飛ばす。汗まみれのやり取りが面白い。
「未だかよー」
「分かんない」
「じきじゃないか、多分」
「もう疲れたよー」
 はっはっはっは、未だ尾根は半ばなんだ。花立の大階段ともなると、もう限界に達し、階段に座り込む。人は彼らを避けて登る。
「な、俺達メッチャ邪魔なんじゃないか」
「お、そうだな」
 はっはっはっは、良くぞ気付いた。確り登れよ若者達。塔迄はあと三十分なんだ。
 面白い事は思い出すべきだ。此れで前章の頸木からは脱けられました。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

KENZABUROUさんって、山仲間も多いでしょうが、山嫌いの人も 大量生産されてきたんですねー。
写真は 丹沢の熊笹林ですか。きれいですねー。

kenzaburou さんのコメント...

へへへ、期せずしてその結果になったかも……。

凄く綺麗な稜線ですよ!