2009年7月22日水曜日

カモシカに会いましょう その二

FH000009-1

 

 モロに脱線しました。丹沢ホームへの道の話でした。
 時代は移って今は、予約をすると丹沢ホームのマイクロバスが送迎してくれると聞いたが、私の様な古い人間はそんなものは当てになんかしないのだ。(多分……)これも伝聞なので、お問い合わせ下さい。
 札掛というと、雨と字が浮かぶ。雨の日に行った事が多かったのだろう。また、雨が似合う場所でもあるのだろう。
 友人達と、札掛から一ノ沢峠と物見峠を越えた事が有った。雨であった。雨に霞む木々には中々の風情があり、良いものだ。良くないのは、オレンジ色の平べったい大きな蛭がごろごろしていた事だ。どらー珍しいでかんわ!(名古屋弁が合いそうな奴だった)こんな奴に血を吸われたら貧血を起こしちまう、と注意していたら、しっかりと普通の蛭に食われていた。結構間抜けな私なのです。
 その後あの蛭には、何処でも全然お目にかかっていないが、ひょっとしてあそこらの名物なのだろうか?
 妻と長男(当時小学低学年)と一ノ沢峠付近を散策した時も、どういう訳か雨だった。傘をさして歩いた。木橋と桟道が多く、濡れているので滑り易い。長男は一度滑って転んだ。その一発でビビり、木橋と桟道にさしかると泣き叫ぶ。私に似て臆病なのだ。叱られ手を引かれ、其処を通過すると突然鼻歌を歌いだす。喉元過ぎれば熱さ忘れるにも程がある。詰まり私に似て能天気なのだ。この時の木々も幽玄な姿であった。札掛は本当に雨が似合います。
 初めて丹沢ホームに泊まった時は、これで良いのか、と思った。ベッドだし、風呂は有るし、電気は有るし、広間に押し込まれないし、山小屋と全く違う環境なので、怯えて、おどおどしてしまった。あの頃は純情だったのですなあ。
 B(雲取の時天幕を貸してくれた友人)と泊まったのが初めてだった。その時は、大山川を詰める事から、過酷な二日間の山行が始まったのだ。大山川はからっとした気持ちの良い沢だった。 頂上に着いて、其の侭(ろくに休みもせず、若かったんですなあ)大山から北尾根に入ったが、勿論当時(二昔半前)はル―トではない。此処いらからだとアンテナの横からボサを分けると踏み跡が有り、思いの他簡単に鉄塔へ着けた(だから大野君、鉄塔は大切な目標物なんだって!それは昭文社に言えって?ご尤も)。
 あの高圧鉄塔は凄い。見上げるだけで足が震える気分なのだ。え、そんな事ないって、ひょっとして高所恐怖症の私だけなの?そうなのかなあ……。
 もう先のルートが読めたので、一ノ沢峠を割愛して札掛へ近道を取ろうとしたが、それが偉い間違いだった。急がば回れは本当です。
 適当な小沢を下ると決めて降り始めた。はなからガレだった。Bはガレの下りに慣れていなかった。(慣れてる人います?)Bはけつをついて、ズリズリ降り始めた。あ、止せ、何すんだ、止めろ、危ない! (カモシカに会いましょう その三へ続く)

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