2009年3月9日月曜日

閑話 その十五

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 此処も写真で失礼。しかもでかくしちゃって。
 本文にしょっちゅう登場するSは、高校時代奇しくも三年とも同じクラスに居た男で、ギッチョの体操部員、滅法腕力が強く気が強く、若い頃は何かと意見が合わず、喧嘩ばかりして居た覚えが有る。
 それでも一緒に山岳会を造ったりしている訳だから、何処か気が合ったのだろう。
 山岳会は山浪(やまなみ)と称していたが、会を立ち上げる以前の山行を思い出すと、殆どがS及びKと一緒で有ったと気が付いた。
 初めての雪の丹沢もそうで、大倉尾根を登って居るうちに極めて嬉しい事に曇天から快晴に変わり、花立からは30cmを越える雪となって我々高校生達は眩しさに眼を細め、周りは真っ白に装った山々、今と違ってビールで乾杯もせず、ただただ圧倒的なパノラマを眺めて居た。

 

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表尾根を下ったのだが、膝を没する雪なので、尻をつき滑り降りたのが爽快で、やけに面白かった。これは誰がやっても面白く無い筈が無く、あたしも又やりたいなあ♪
 夕方から大倉尾根を登った時もSと一緒だった。あとはDとUだったと思う。偶然同期生で山岳部員のUTと大倉で出会い、共に夜道を登る事になった。UTは主脈だったけど、あたしたちゃあ何処へ行くんだったけ?駄目だ、思い出せない、情無い。
 花立の手前の赤土の斜面でSが動けなくなった。お、何だ?簡単な話で腹が減って脂汗、エネルギー切れって奴ですな。パクパク弁当を食べたら元気なSに戻ったというお粗末。
 この日は塔の尊仏山荘泊まりで、小屋の灯りが見えた時は嬉しいものなのです。小屋に入り、土間でホエブスに白ガソリンを入れていて、うっかりSの足に掛けてしまい、Sに離れて貰ってから点火したら、火が見事にさーっと走ってSの足がカチカチ山状態、皆で叩いて消したというお粗末。誰がSにガソリンを掛けたかって?済みません、あっしがやりやした……。
 で、翌日はUTと別れ、我々は何処へ行ったんでしょうね?最早完璧な惚けです(涙)。
 Sは頑丈な男だが、本文で書いた通り、指先の寒さに弱いという欠点が有り、もう一つ、大汗かきなので水を無闇と必要とする。だから小屋の前を通ると、ビールを買ってはグビグビやる訳なのだ。決してアル中では無いので、Sの名誉の為にハッキリさせておきます。
 Sはプロカメラマンをリタイアし、蕎麦打ちや太鼓を通じて地域で活躍する傍ら、マラソンや自転車を趣味として、昔からの友人から見ると偉く健全な男になってしまって、比べると自分が情無くなってしまうが、SはSあたしゃあたし、と割り切ってと言おうか開き直って言おうか、どっちにしろ山を未だに四十代(と同等)の歩き方が出来るのは、立派としか言い様が無い。爪の垢を下さい。(しまった、貰って飲んだら下痢しちまったぜ)
 因みにSの奥さんも四十代の山登りをSと共に出来るのだから、ま、似た者夫婦、目出度い限りです。(羨ましい限りが正しいです)

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