2014年8月31日日曜日

閑話番外 その八十




 前述だと思うが、笹はイネ科の植物で南方起源で有る。従って、日本では当たり前な雪と笹の風景は、極めて珍しいのだ。椰子の木に雪が積もって居る様なもんだろう。
 竹と同類なのだが、其の区別は難しいらしい。大きさで分ける様だが、小さな竹と大きな笹の、微妙な違いが判別不能なのだ。
 竹は中国伝来のものが大部分だが、笹は日本列島固有のものが殆どで、種類もべら棒に多いらしい。
 欧米では笹を“sasa”と呼ぶので、日本的植物と認識されて居る訳だ。うーん、当たり前に見て居た笹が、意外とマイナーな植物だったんだ。
 下草が生えないブナ林帯でも、笹だけは棲息する。ブナと笹は相性が良いらしい。と言うより、ブナの発する強烈なフィトンチッドに負けない強靭さを、笹は持って居るのだ。
 薬のクレオソート丸は、ブナから採取する事は既述の通りで、下草の生存を許さない強さなのだ。其れに負けない笹。
 ブナ林帯と笹、これも日本独特の風景だったのだ。何処の山でも良く外国人に出会う。きっと他国では味わえない独特の山を、楽しんで居るのだろう。
 と言う事は、外国の山に登れば、全く日本の山とは違う風景に出合う訳だ。
 あたしは日本の山で充分だ。ま、無精者だからでも有るのです。

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