2014年8月1日金曜日

閑話 その百三十二




 日本の技術を根本で支えて居るのは、蒲田や東大阪の町工場なのは、御存じの通りだ。スペースシャトルの先端部分が、東大阪の町工場で叩き出されて居たのが、好例だろう。
 形状は計算されても、其の形状を造り出すのは、コンピューター制御の最新工場では出来なくて、町工場の職人技に頼るしかなかったと言うのは、丸でギャグで有る。
 妻の実家も蒲田の小さな町工場だった。義父は工場主兼精密旋盤の職人だった。一階の仕事場には、旋盤機械が並んで居た。
 劇団仲間のToも蒲田の町工場の主人で、バネを造って居る。試作や特殊バネを扱って居るが、周りがどんどん廃業して行くのに、技術を買われての繁盛は目出度い。
 此処は休題じゃ無いって? 分かってまっせ、前振りでんねん。
 Toは町会役員をして居る。其の町会先輩から登山靴を貰った(ゴア)ので、山に連れて行けと言われて、では塔にと思ったが、様子見で高取山へ行った。うん、大丈夫だ。
 此の日は何時もの弘法の湯で、入浴後にビールに日本酒で有る。Toは飲んべなのだ。
 さて、本番の塔ノ嶽。標高差が1200mだで、楽ではなゃあでよ。お馴染みのYも参加したぎゃあ。劇団仲間だもんだでよ。
 使い慣れない言葉は止そう。本当の名古屋弁は綺麗なものだと思う。難波言葉と同じだ。今の関西弁は、吉本の影響で(ばかりでは無いかも知れないけど)、偉く下品になったとは前に書いた。
 此れは閑話で有った。山に戻ろう。
 其の日は梅雨の日だ、しょぼしょぼ降って居る。其れは想定内の事だ。変に晴れると、かえって暑くなっちまう。
 Yは箱根蕎麦を食って居る。何と幸せな奴。あたしとToはバスを待つ。Yは蕎麦を食べて一服点けてやって来る。丁度バスが来た。良かったなYよ。ま、置いては行かないけど。
 大倉から歩き出す時は、霧雨。足元はグチャグチャだが、ラッキーな状況だ。外に登山者は殆ど居ない。珍しい!
 Toは快調に登るがYは遅れ気味だ。無理も無い。Yに取っては大倉尾根は二年ぶり(!)なのだ。Toは犬の散歩で、歩き慣れて居る。(続)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

世界に誇る日本人の職人技ですね。
健康のために犬と毎日散歩するのはとても良いことですね!犬に感謝しなければ。

kenzaburou さんのコメント...

多分、本人も感謝して居るでしょう。思いの外、楽に登れた様なので。
唯、下りは思うに任さなかった様です。