2014年8月20日水曜日

閑話 その百三十五





 閑話百三十四の続きです。塔のピストン。
 皆無事に帰れたのは目出度い。当たり前だけどね。其の後がいけない。あたしゃあ三日間筋肉痛だった。え、塔で???
 Yは四日痛んで、Toも痛んだらしいが、其れは良い。自然現象だ。でも、あたしが筋肉痛は無い!!
 ショック此処に極まれり、一体どうしちまったんだい?? もう駄目になっちまったのだろうか、おらあ唯の爺さんなのか……。(元々唯の爺さんだろが、何トチ狂ってんだ!)
 嘆いて居ても始まらない。よしもう一度だ、と九日後、単独で塔に向かった。幸い雨は無し、曇りがちの日だった。当然湿度は高い。スポーツ飲料迄用意する。前回の事が有るから、やけに慎重ですなあ。
 前回より人が多い。学生パーティも居る。夏休みに入ったからだろう。汗はかくが、順調に足は進む。
 50m先を、ブルーのスパッツに緑のリュックの男性が行く。歩調は私と同じだ。歩き方から見て、同年輩の手練れと判断した。
 休憩も同じ場所だった。顔を見ると、何と三十代の若者(私から見れば)だ。お主、中々やるのお。結局頂上迄、彼の後を付いて行った訳で有る。
 前回の様な、雨に洗われた鮮やかな緑では無かったのは、致し方ない。空も、不安定な大気状況を表す雲行だ。
 富士も半分隠れて居る。お蔭でガン照りからは救われて居る。

 
 結構な人数が休んで居る。カップルが「あの人良く見掛けるね」なぞと話して居る。と言う事は、其のカップルもあの人も、しょっちゅう登って来て居る訳だ。
 別の場所で、私と同年代の男性が数人話して居た。「××さんですね、名前を覚えました。良くお見かけしてたんで」。うーん、彼等もしょっちゅう登って来て居るのだ。(続)

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