2013年5月8日水曜日

山の報告です その四十一





 良くしたもので、テントに着いたら晴れて来た。日白山方面は雲の中だが、前方の景色は現れた。今晴れてどうすんねん!と怒っても栓無い事、物が乾くだけでも良しとしよう。
 え、午前中なら何故撤収して帰京しないのかって?聞くだけ野暮でしょうが、折角二泊分の酒と食糧を担ぎ上げたんだから、二居部落の一寸と上でも山は山、山中で豪華に宴会ってえのが、我々のポリシーなのだ!!
 干す物を引っ掛けて居たら、男性二人が降りて来た。Yに、昨日登って行った二人だと確認を取る。
私「日白山ですか」
リーダー「いや、手前迄です……」
 憔悴し切った二人は、碌に話もせずに下って行く。一昨年の我々と同じ目に会ったのだ。風雪に揺すられ痛められ、目的地手前で幕営したのだ。一昨年の我々との違いは、翌朝も風雪だった事だ。余りに気の毒だ。一昨年の我々は朝晴れたので、新雪の景色に歓声を上げた。下の写真が其れ。


 二人でワーワー飲んで居ると、外から声が掛かった。時間は十五時過ぎ、きっとあの三人だ。テントから顔を出すと、案の定だ。三人共笑いが止まらない。無理も無い。
リーダー「いやー、晴れ渡って、最高ですよ」
男性「一時間も頂上に居ました」
私「其れは良かった」
女性「ぜーんぶ見えるんですよ!」
私「二人のパーティと擦れ違ったでしょう」
リーダー「あ、あの人達は風の通り道で幕営したんですよね」
男性「風除けブロックも無かったから、きっと寝られなかったでしょう」
 矢張りなあ。鞍部に張ったのだろう。一晩中テントごと揺すられて、寝た気もしなかっただろう。其れを思えば、我々は幸せと言うべきで有ろう。
リーダー「今日お帰りですか」
私「宴会して、明日帰ります」
リーダー・男性「良いなー!!」
 やれば良いのだ。極めて簡単なこった。え、やる馬鹿は居ないって? まあね。
 翌日帰ったのだが、どう考えても晴れた日白山には立てなかった。強引に登ってもガスの中だ。三時間以上頂上で粘って居れば、晴れ始めたかも知れない。でも、其れは誰もやらない。
 今年も、駄目って定めだったのですなあ。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

一昨年の新雪の写真、素晴らしいですね。こんなに輝いている新雪を独占できるなんて、すごい体験でしたね。
「1時間以上、頂上にいました。」「ぜーんぶ見えたんですよー!!!」と、言わずにいられなかった方々の気持ち、すごくわかります!

kenzaburou さんのコメント...

其の3人のパーティだけが、景色を見れたのです。外の2パーティは数時間の差で全く駄目だった訳で、運が良いとか悪いとか人は時々口にするけど~♪ の世界ですなあ。
飲んだくれ山行でしたが、我々にはぴったりはまった結果、と言えるのです(涙)。