2013年5月23日木曜日

登山者満載 その三




 バスターミナルで狭いバスから降りて、皆さん大きなザックを背に、出発するのだ。夜行の疲れなんざ、何処にも無い。揃って若者達なのだから。三十代のパーティなぞ、立派なベテランに見えた。四十代ともなれば、大先輩だった。
 うーむ、確かに隔世の感が有りますなあ。言い換えれば、大昔とは今じゃ無いって、こってす。
 話はあっちへ飛ぶ。其れが売り(誰も買わねーー!)の愚ログなんだから御免ね。
  さて、上越となれば、舞台は上野駅だ。こちらは新宿程は混んでは居なかったと記憶して居るけど、何せ大昔の事、全く保証は致しかねます。訴訟は受け付けませんよ。理由は、こちとら惚けた酔っ払いだからさ。
 惚けた(あたしは惚け掛けた、微妙なんでお間違い無く)酔っ払い相手に訴訟を起こす奴が居たら、顔を見て大笑いしたいですよ。
 で、芝倉沢の章で触れた通りに、信越線の夜行列車は新前橋駅で時間調整の為、結構長時間停車した。其の間に駅蕎麦を食べるのだ。此れは悪く無い習慣だった。当時の事なので、一服も出来たしィ。
 殆どの登山者は土合で降りる。あの異様に大きな地下駅だ(え、知らないって?旅番組にも散々取り上げられてるでしょう?行って見れば一発さ!)。そして、一斉に大階段を登る靴音(勿論登山靴だよ)が響き渡る。知らない人に聞かせて上げたい!! 一本編成の列車から降り立った若者達の登山靴の響きを。
 一汗かく頃にやっと改札口ご到着。四百六十二段を登った訳だ。併し未だ表は真っ暗。装備を整えたり、軽食を摂ったりする若者達で、待合室は満員だった。
 用意の出来たパーティから、ライトを点けて出発となる。すると、何と無く皆焦り出して、我も我もと出掛ける事になる。
 ライトの行列が、延々と続いて行く。あの景色はもう見る事は出来ない。今や、そんなに登山者が居ないのだ。居ても、十分の一位なんじゃないのかなあ。
 (登山者満載 その四へ続く)

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