2013年5月14日火曜日

登山者満載 その一



 
 夜行列車で山に行ったのは、思えば三十代迄だ。夜行が辛くなったのと、時代が変わって夜行列車の山旅自体が廃れたのだと思うが、多分ビンゴだろう。特急で行くか、前夜お目当ての地の宿に泊まる様になったのだ。
 社会が豊かになったおこぼれに、登山者も預かった訳だと言う事だ。
 夜行列車の山旅と言えば、上越か北アルプスだろう。ん、八ヶ岳や南アルプスや奥秩父も有りかな?でも、主力は矢張り、上越か北アルプスだろう。
 何時発の列車だっただろう。忘れてもうたわ。新宿のホームは、若者とでかいザックで、あふれ返って居た。列車に座る為には、並び係りを何時間も前から、並ばせなければならなかった。
 従って、多くの個人や小パーティは、座席なんざ期待して無かった。乗れれば良いのさ。通路でザックに腰掛けて微睡めれば(まどめれば)充分って事だ。凄い、若者達よ!
 目的の駅に着くのは明け方、此の際分かり易く松本駅としよう。其れから乗り換えだ。ザックを背に階段を登り、松本電鉄のホームへ急ぐ。時間的には急がなくても良いのに、何故か急ぐ。
 豪の者は、急ぐ諸君を片目で眺め、悠々と駅そばなんぞを食べて居る。こちとらペーペーの若者だったので、そんな真似は出来っこ無い。意味も無く急ぐだけの、アホでした。
 さて、新島々に着くと、次はバスだ。当時のバスは今とは違って補助席が二つなのだ。知ってる人は知ってるのだ、えっへん。(おいおい、威張る事かい?)
 今のバスを思い浮かべた貴方、前後左右上下を、15%縮めて見よう。其の上定員は増えて補助席が二つ。
 え、小さくなったバスに、横に六人座ってんのかい? ビンゴ!! そりゃあ良いもんだよ、是非とも一度お試し有れ。
 (登山者満載 その二へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

夜行電車の賑わい、誰もが友達の気安さ、新島々駅で飲む牛乳が濃くておいしいこと、、、!!!まさに青春でしたねー!KENZABUROUさんは、まだその「続き」を 更新し続けているんですねー!(感慨深く)

kenzaburou さんのコメント...

確かに更新はしていますが”青春”の香りは微塵も無く、中高年の臭いがプンプンってとこなのが、情け無いのです。